乱鳥の書きなぐり

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映画『真木栗ノ穴』 3,8★/5 2008年 監督・脚本:深川栄洋 原作:山本亜紀子 『穴』  西島秀俊 キムラ緑子

2022-11-03 | 映画

 

 

 映画『真木栗ノ穴』 3,8★/5 2008年 監督・脚本:深川栄洋 原作:山本亜紀子 『穴』  西島秀俊 キムラ緑子

 

 

 映画『真木栗ノ穴』をみた。

 全体を通して、楽しい時間を過ごすことができたが、生ぬるいのと最後の締めが甘い。

 

 官能小説を依頼されたことにより、妄想はエスカレートし、現実と夢中の判断がつかずに幕を閉じる。

 官能小説執筆ということもあり、小学生或いは中学生の頃に読んだ富島健夫著の『純子の実験』を思い浮かべる。

 残念ながら富島健夫の小説は『純子の実験』のこの一冊限りしか読んでないが、「作家の家に上がり込み、作家は始め子供ある会をしていたが、待たせられた時間でおひつ(?)のご飯をこそいで平らげたところにk作家が感動し、、、云々」といった内容であったと記憶している。

 この小説は、小学生或いは中学生の頃の私にとっては衝撃的であったので、今も鮮明に覚えている。

 起承転結が明確で、『純子の実験』は大衆小説とはいえ、言いたいことがはっきりと伝わる。

 その点で、工夫を凝らした結末を迎えたように感じさせる映画『真木栗ノ穴』は、編集者の表情や行動などの最後がくどい。

 また、「いかにも」のおそらく鎌倉のきり通しであろう箇所の多採用や ガス(霧)は、物語をひどく説明的にしていた。

 或いはみすぼらしいアパートの近くの地層や、そこを四角く掘った場面がくどく用いられていたが、その辺りも説明的でうるさい画面となった。

 

「穴」がテーマの軸となっている。

「穴」は橋などと同じく「境界」の意味が含まれている。

 また、「穴」は民話の一つのテーマでもある。

「見るな」の禁止事項が破られ話は展開する。

 これは日本に限らず諸外国で話の一つのパラーントされている。

 

「穴」は安部公房氏をも思い浮かべさせる。

『壁』などはその典型例の一つであろう。

 なので、「穴」というテーマは消して新しいものではないことも付け加えておきたい。

 一見『真木栗ノ穴』といえば重厚そうに感じるが、新鮮味はない。

 劇中(映画の中)で書いている官能小説のタイトルは『穴の草子』

 穴から覗くだけでなく、えらく卑猥なタイトルをサラルト画面に映し出す。

 あまりにも露骨すぎて、苦笑。

 江戸時代だったかに『富士人穴草子(?)』だったかが確かあったような気がするが、こういった洒落心が無いといえよう。

 

 しかし上にも書いたように、全体を通して考えるならば、そこそこに楽しめる映画である。

 西島秀俊さんも、キムラ緑子さんもよくやっておられたよ感じる。

 なので高評価の3,8/5とした。

 

 今回も見たとい簡単な記録だけで失礼致します。

 

 

 

 

以下はウィキペディアより引用

  ▼

製作:江口誠

企画・プロデューサー:倉谷宣緒

監督・脚本:深川栄洋

原作:山本亜紀子 『穴』 (角川ホラー文庫)

脚本:小沼雄一 プ

110分

 

 築40年の安アパートに暮らす作家の真木栗は、官能小説を依頼されるもアイデアが浮かばない。そんなある日、隣の空き部屋をのぞくことが出来る穴を見つけた真木栗は、そこに若い女が引越してくることを妄想し、それをもとに小説を書き始める。やがて、その空き部屋に本当に女が引越しきて、その生活をのぞき見る真木栗は女の虜になっていく……。

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