在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Expo Milano ; padiglione zero, Belgio e Germania

2015-06-01 23:19:47 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
Expo Milano; ゼロ館、ベルギー館、ドイツ館

これからエキスポに行こうという人のためのエキスポ情報。

地下鉄、電車で来た人が入る西の入り口(Ovest)、FiorenzaとTriulzaは、結局は繋がっていて、前者の入り口の方がゲートのが図が圧倒的に多いので列が若干短いような気がするが(もちろん時間による)入ってから歩く距離が結構長い。入り口から見える橋を延々と歩く。日本なら、ここで歩く歩道を造るだろうに、と思いながら。そこで、朝一番などの時間帯以外は後者の入り口から入った。

Padiglione Zero (ゼロ館)++++

入ると目の前にあるのがPadiglione Zero。開館前の記者会見で、かなりいいですよ、と自慢していたので入ってみる。
一番最初の部屋はその時のスライドで見ていたが、歴史的な図書館にイタリアの彫刻が飾ってある、という雰囲気を作っていてなかなか見事。でもそれだけなので、おお、と思ったあと、すぐに通過。あとは、映像、デザイン的な展示、可愛い動物たちがずらっと並んだ彫刻のある部屋、ゴミの山(臭くないのでありがたい。。。)の展示のある部屋などが続く。
エキスポのメイン館となるので、一応オススメ。




Padiglione Belgio(ベルギー館)++++
友人が開館2日目に行った時にはやっていなかったそうだが、チョコレート製造の実演があり、できたてのチョコを試食できるようになっていた。そして、食に関するものをかたどった素晴らしい宝石の展示。
入り口では美味しいビスケットを配っていたこともあり、オススメ。(ただし、ここはイタリアなので、いつも配っているとは限らなし、実演も時間によってはやっていないような気もする。。)
なお、ショップでは、ゴディバ、ノイハウスなど数社のチョコレートと、かなり高級アクセサリーを販売している。チョコレートを持ってウロウロ歩く気にはならないが、帰る間際なら買ってもいいかも。


Padiglione Germania(ドイツ館)+++++
並んでいる間に段ボール紙に白い紙を貼って二つ折りにしたものをくれる。言語はドイツ語、イタリア語、英語から選ぶようになっている。
真っ白な紙にはロゴ以外は何も書いていないので、これは何?と質問している人もいたが、入ったら説明があります、と説明していた。
説明によると、所定の位置でかざしてください、とのこと。また、斜めにするとページが変わります、と。
なるほど入ってみると、10箇所以上はあったと思うが、かざせるようになっている。面白いのは言語が自動で識別できるようになっていること。
なるほど。こういうところはドイツらしい。
そして、最後のシアターがかなり面白かった。
宇宙船というとオーバーだが、天井をゆらゆらするスクリーン、中央の小さなお立ち台の上では一人がギターを奏で、一人が歌い、なかなか面白いライブが、たぶん15分以上。生演奏なので、時間と日によって変わると思うが、映像だけの館が多いなか、ライブとはかなりいける。
Beejayのネーミングもかわいい。
ここでも最初に配られた紙が結構活躍。これをパタパタさせると拍手よりいいかもしれない。
ただ、贅沢を言えば、座りたかった。寄りかかれる工夫は面白いが、こういうところが日本館との違いかも?
それから、ドイツ館は屋根の上が散策コースになっていて、ゆったりしているし、景色もきれいでオススメ。こちらは並ばずに行ける。








5 verdicchio ヴェルディッキオ 5種

2015-06-01 19:39:33 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
ヴェルディッキオ5種@osteria dolce vino

Marche bianco Kypra 2013
Verdicchio dei Castelli di Jesi Capovolto 2013
Verdicchio dei Catselli di Jesi San Michele 2011 Bonci
Marche bianco Il Gentile
Verdicchio dei Castelli di Jesi 2012 Bucci



イタリアはマルケ州の土着品種、ヴェルディッキオをブラインドで飲もうという内輪の会。
マルケ出身の友人アンドレアが、まだ新しい自然派を含むワイナリーのワイン3種を飲むのに、一人で飲むより何人かで飲んだ方が良いということと伝統的ワイン(正確にはすでに有名ワイン)とを混ぜでブラインドで飲んだ方が良い、というのを掛け合わせて企画したもの。
なかなか面白い結果が出た。
適当に決めてあった順に沿って試飲。全員で5人だったが、アンドレア以外は5種のワインが何かは全く知らない。

1本目は、分が悪いという説と、分が良いという説があるが、どちらが結局は正しいのかはわからない。
2種のワインを試飲した時、例えばそれが実は同じワインだった場合でも、わりと多くの人が1本目を2本目より高く評価する、という説がある。
しかし、数種のワインの場合、普通の試飲会ではだんだん良いものにしていくのが常識なので、1本目のワインは大したワインではない、という先入観が働かないこともないと思う。
今回はブラインドだったので、前者の説の方が効いたのか、多くの人が1本目を高く評価した。
個人的にはまあまあの評価だったので結構驚いた。

評価は、これは美味しい、とするワインを+++
そこに達しない場合は+の数が少なくなり、最高数は決めていない。

5種は全てマルケのヴェルディッキオ。

Marche bianco Kypra 2013
ワイナリーの昔の香りが残っている、素晴らしい、とある人。
やや曇った香りで、個人的に好みの透き通った香りではない。悪くはないが、「昔のワイナリーの香り」は、イタリアで育った経験がないので分かり得ない部分がある。
しかし、私以外は全員賛同し、イタリア人にとっては、子供の頃を思い出す懐かしい香りがこういう香りなのだと改めて思った。
アタックは優しく、自然派だとすぐにわかる。酸があるが、それより塩味が勝り、ヴェルディッキオはこんなに塩味があったのか?と思わせるくらい。
余韻の長さは普通で、最後に塩味が残る。++(+)

Verdicchio dei Castello di Jesi Capovolto 2013
香りがわりと弱いのが残念。しかし、繊細な香りで、個人的に好みの香りでもある。
こちらは酸が結構残る。ワインだけでは酸が勝るが、食事にはよく合うだろうと思わせるワイン。++(+)

Verdicchio dei Catselli di Jesi San Michele 2011 Bonci
5種の中で一番色が濃く、自然派ではない伝統的(すでに歴史と経験のあるタイプ)だと思った。熟したフルーツがかなり心地よく、香りが甘い。かなりしっかりした味で、余韻も長く心地よい。Bucciがあると確信していたので最初はBucciかと思った。++++

Marche bianco Il Gentile
5種の中で一番色が薄い。かなり印象の強いワインの後だとなおさら影が薄くなってしまうのが残念。名前のように優しく、酸味が綺麗に残り、香りから自然派ワインだとすぐにわかるタイプ。(ただし、よくある臭みの強い自然派のようではない。)++

Verdicchio dei Castelli di Jesi 2012 Bucci
香りが透き通るように綺麗。花、フルーツ、そして緑の香りがほのかで、飽きない。すぐにこちらがBucciだろうと予想したが、幸い当たった。以前は、もう少し重たい印象、つまり3番目のワインのような印象があったが(そこで最初は3番目をBucciだと思った)、それがなくなって軽やかな印象も混じり、かなり良い、そして好みであることに、ブラインドで飲んで改めて思った。++++

なお、集まった場所はポルトゥエンセ地区の小さなエノテカ。
試飲後に食事をしたが、結構美味しい。
私が住んでいる所からは全く反対の地域なのだが、近くの人は通っても良いかと思うところ。Osteria Dolce Vino








イタリア映画の紹介 La Giovinezza (youth) 若さ

2015-06-01 00:20:59 | 何故か突然イタリア映画
La Giovinezza (youth) 若さ(青春)
Paolo Sorrentino



La grande bellezza (偉大なる美)でオスカーの最優秀外国映画賞を取った監督パオロ•ソレンティーノ監督の最新作。

作品と、日々起こる事件によっては(ジャーナリストの集まりなので)集まりが悪い上映会だが、びっくりするくらいの人がすでに集まっていた。
いったいどこからこんな人が??と、信じられない光景だったのだが、プライベートな上映会の部屋は人で溢れていた。
途中で入ってきた人は立ち見だったのではないだろうか。
そして、いつもはいない、黒服でごつい感じのセキュリティの人が3人もいて、いろいろ指図している。配給会社が、無断でビデオに撮るなどの防止、そして、セキュリティのビデオの撮影防止のために回してきたらしい。
なるほど、管理室直結のビデオはカメラは、スカーフのようなもので覆われていた。
オスカーを取ると、こうもなるのか、とちょっとびっくり。

さて、期待の映画は、ちょっとドキッとさせるポスター。
温泉プールにつかっている二人の老人の前に、素っ裸の女性がすっと入ってきたところである。

場所はスイス、アルプスにある超高級リゾート地。
有名人が静かなバカンスに集まるのだが、長年の友人、有名作曲家のフレッドと有名映画監督のミックがバカンスを過ごしている。
超高級リゾート地なので、あちらこちらからお金持ちが集まっている。
俳優やら、マラドーナを思わせるサッカー選手やら。ボンボンも多いので、若いメンツがいないわけでもない。熟年夫婦、カップル、シングル。。。
温泉リゾート・ホテルなので、ぷよぷよしたお腹の、水着姿のご老人たちがいるかと思うと、ミスユニバースは素っ裸で温泉に堂々と入ってくる。
従業員の数も多いので、宿泊客だけでなく、従業員もストーリーの中に絡んでくる。

メインのストーリーがいくつかあり、うまく絡んでいる。
フレッドの娘(が主演女優)はミックの息子と付き合っていたのだが、ばっさり振られてしまう。
ミックは、たぶん最後になる作品の主演女優に、昔からの付き合いの大女優(この役がジェーン・フォンダ)を希望していたのだが、断られてしまう。(そして、最後は自殺)
フレッドは、イギリス女王からのコンサートの依頼を、二度と指揮はしないと最初は断るのだが、映画の最後は、女王の前で自作の音楽を演奏するというところで終わる。(歌手の役の女性は日本人。ちょっとケバケバしすぎる感じが残念。日本人を使うなら、もっと清楚な感じにして欲しかった、が個人的感想)

カメラワークが頻繁に変わり、話がポンポンと飛ぶ。そして店舗が速い。
フレッドとミックが過去を省みる。年老いてしまった現実とのギャップ。はち切れそうな若さが話の中に絡んでくる。
全体のストーリーに深みがあり、モザイクを平面ではなく、立方体に造ったような印象を持った。

何度も見たいとは思わないが、もう一度は見てみたい。
また、フレッド作曲の曲もとてもきれいだが、全体の音楽も印象的。

なお、これで、今年のさる賞のノミネート作品が全部出揃ったことになる。
次回は10月から再び。