在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

5 verdicchio ヴェルディッキオ 5種

2015-06-01 19:39:33 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
ヴェルディッキオ5種@osteria dolce vino

Marche bianco Kypra 2013
Verdicchio dei Castelli di Jesi Capovolto 2013
Verdicchio dei Catselli di Jesi San Michele 2011 Bonci
Marche bianco Il Gentile
Verdicchio dei Castelli di Jesi 2012 Bucci



イタリアはマルケ州の土着品種、ヴェルディッキオをブラインドで飲もうという内輪の会。
マルケ出身の友人アンドレアが、まだ新しい自然派を含むワイナリーのワイン3種を飲むのに、一人で飲むより何人かで飲んだ方が良いということと伝統的ワイン(正確にはすでに有名ワイン)とを混ぜでブラインドで飲んだ方が良い、というのを掛け合わせて企画したもの。
なかなか面白い結果が出た。
適当に決めてあった順に沿って試飲。全員で5人だったが、アンドレア以外は5種のワインが何かは全く知らない。

1本目は、分が悪いという説と、分が良いという説があるが、どちらが結局は正しいのかはわからない。
2種のワインを試飲した時、例えばそれが実は同じワインだった場合でも、わりと多くの人が1本目を2本目より高く評価する、という説がある。
しかし、数種のワインの場合、普通の試飲会ではだんだん良いものにしていくのが常識なので、1本目のワインは大したワインではない、という先入観が働かないこともないと思う。
今回はブラインドだったので、前者の説の方が効いたのか、多くの人が1本目を高く評価した。
個人的にはまあまあの評価だったので結構驚いた。

評価は、これは美味しい、とするワインを+++
そこに達しない場合は+の数が少なくなり、最高数は決めていない。

5種は全てマルケのヴェルディッキオ。

Marche bianco Kypra 2013
ワイナリーの昔の香りが残っている、素晴らしい、とある人。
やや曇った香りで、個人的に好みの透き通った香りではない。悪くはないが、「昔のワイナリーの香り」は、イタリアで育った経験がないので分かり得ない部分がある。
しかし、私以外は全員賛同し、イタリア人にとっては、子供の頃を思い出す懐かしい香りがこういう香りなのだと改めて思った。
アタックは優しく、自然派だとすぐにわかる。酸があるが、それより塩味が勝り、ヴェルディッキオはこんなに塩味があったのか?と思わせるくらい。
余韻の長さは普通で、最後に塩味が残る。++(+)

Verdicchio dei Castello di Jesi Capovolto 2013
香りがわりと弱いのが残念。しかし、繊細な香りで、個人的に好みの香りでもある。
こちらは酸が結構残る。ワインだけでは酸が勝るが、食事にはよく合うだろうと思わせるワイン。++(+)

Verdicchio dei Catselli di Jesi San Michele 2011 Bonci
5種の中で一番色が濃く、自然派ではない伝統的(すでに歴史と経験のあるタイプ)だと思った。熟したフルーツがかなり心地よく、香りが甘い。かなりしっかりした味で、余韻も長く心地よい。Bucciがあると確信していたので最初はBucciかと思った。++++

Marche bianco Il Gentile
5種の中で一番色が薄い。かなり印象の強いワインの後だとなおさら影が薄くなってしまうのが残念。名前のように優しく、酸味が綺麗に残り、香りから自然派ワインだとすぐにわかるタイプ。(ただし、よくある臭みの強い自然派のようではない。)++

Verdicchio dei Castelli di Jesi 2012 Bucci
香りが透き通るように綺麗。花、フルーツ、そして緑の香りがほのかで、飽きない。すぐにこちらがBucciだろうと予想したが、幸い当たった。以前は、もう少し重たい印象、つまり3番目のワインのような印象があったが(そこで最初は3番目をBucciだと思った)、それがなくなって軽やかな印象も混じり、かなり良い、そして好みであることに、ブラインドで飲んで改めて思った。++++

なお、集まった場所はポルトゥエンセ地区の小さなエノテカ。
試飲後に食事をしたが、結構美味しい。
私が住んでいる所からは全く反対の地域なのだが、近くの人は通っても良いかと思うところ。Osteria Dolce Vino








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