在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Osteria Francescana -Modena

2012-12-13 23:42:41 | レストラン
”オステリア・フランチェスカーナ” モデナ



その後も忙しく、そして、あまりローマにいなかったので、1ヶ月前のことになってしまった。
現在、イタリアで最も良いと言われるレストラン、モデナにあるOsteria Francescana。
全世界のレストランのランクでもイタリアで一番、世界でもかなり上位に位置する。
少し前に言った友人は、とてもシンプルだったと言った。
なるほど。

なんとなく行くことになった。
モデナの駅から、せっかくなのでまっすぐ行かずにとぼとぼと歩く。かわいいショップを見たり、有名なモデナの教会に入ってみたり、そして、とても素敵な市場を見つけ入ってみたり。レストランはそのすぐ近くにあった。
ちなみに、屋根付きの市場の入り口がオートになっていたのにはちょっとびっくり。さすが北イタリア~と思った。ローマでは逆立ちしても、市場の入り口が自動ドアになることはないと思う。。。

レストランで頼んだメニューはバラバラ。というか、わざといろいろなメニューを頼んでみたと言った方が正しい。
確かにシンプル。びっくりするほど、と言ってもいいかもしれない。これが?と思うだろうし、これでどうして?(こんなに高いの?一番なの?の意味)と思う人もいるだろう。
しかし、行く直前、美味しいといいなぁ、と言ったら(実際にはFBに書いたら)、ある友人いわく、どうしてそんなことを言うのか?と。期待はずれだったら残念じゃない、と言うと(これも実際には書くと)レストランもワインも批評するものではない、楽しむものだ、と。もちろん、どんなレストランでもワインでも楽しめ、という意味ではなく、せっかく、これだけの大枚をはたいて行く訳なので、批評ばかりしていないで、せっかくだからその場の雰囲気を楽しめ、という意味である。Positive thinking!
この言葉を聞いていなかったら、きっと批判する立場になっていたかもしれない。

おかげで十分楽しめた。シンプルの中の美、シンプルの中にどれだけ見えない手を加え、心を込めるか。
一番感動したお皿は、キャビアのシンプルパスタ。メニューは、焦がしたイカとカキ(注:カキは焦げていない。日本語は紛らわしい)で茹でたパスタにキャビア添え、とあった。一瞬、???。
茶色になったパスタ、こんがりとした香り、そして、いったいいくつカキを使ったのだろう(そして、その行方は???捨てたのだろうか。。。)と思えるほど、カキの香りが生きている。初めて食べる味と香り。なるほど~

そして、実はもうひとつ感動したのは、お手洗いに立ったとき。
即座に案内の人が現れ、当然のごとく案内してくれる。ここまでは普通。
その直後にテーブルに別の人が現れ、ナフキンを取り替える。そういえば、昔は良くあった光景なのに、今は廃れてしまった習慣だぁ、と思う。
そして、さらに感動(?)的なのは、お手洗いから出たら、少し離れたところに案内の人が待っていたのである。さりげなく、実にさりげなく。少し離れ、レストランの戸口に近いところで、わざわざ待ってました、という感じを見せないように。そして、再度、テーブルまで案内してくれる。
このサービスには結構感動した。そこまでしなくていいよね~、帰り道なんてわかるよね、と普通は思うのだが。
気のせいかと思ったが、みんな同意見。だから気のせいではないと思う。



ワインは白から初めて赤へ。高いのか安いのかわからなかった。もちろん安くはないのだが、Trinoro2000が、びっくりの価格。手に入らないだろうし、手に入ったとしたらいくらになるのか?
そこで、食べ物との組み合わせは無視して、Trinoroなのでした。

写真は、デザートのメニュー。

読むだけで面白い。

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