在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Taurasi 1994 Feudi di San Gregorio

2016-11-15 22:56:18 | Campania カンパーニア
Taurasi 1994 Feudi di San Gregorio



開けるのにちょうど良いワインがない時が結構ある。
新しいワインを買うとき、しばらく取っておこうと思って買うと開けられない。
でないとすぐに開けてしまうので、ストックがなくなる。

そうして、90年代のワインがまだまだたくさんワインクーラーに残ったままになり、いい加減ダメになっているかもと思うと開けられなかったり、好みが変わってしまっていることもあり、開けないでいると、ますます古くなる。。。

そこで、たまに、よし、と勢いで開ける。

今回も、勢いで開けたのが、これ。

ダメになってるかなぁ〜???と思いながら。

ガンベロ・ロッソのトレ・ビッキエーリを取っている。

1994年のヴィンテージだから、もう20年以上経っている。
あまり良い年ではなかったので、期待は半分だったのだが、思ったよりはるかに良かった。



色は、まだ光沢があり、暗めのガーネット色で、爪には透明感、わずかにオレンジがかった感じがあるが、まだまだ、という感じの色。
よく熟した香り。カカオ、チョコ、スパイス、革、フルーツのコンフィ、そしてブラックオレンジ。腐葉土やアニマル、キノコはまだ僅かなので、もう少し持つかも、と思わせる。
アタックはまろやか、タンニンがきれいにやわらなくなっているが、酸味が味を引き締めている。持続性はよく、最後にブラックオレンジ風の香りが残る。
なかなか悪くないじゃない!結構底力あるね〜!と思わせた。++++



今はこんなにモダンなラベルになっている。
昔のモザイクのラベルの方がいいと思うのは私だけ??
手に入るのは2011年。


タウラージ フェウディ ディ サングレゴリオ 2011 赤 750ml
フェウディ ディ サングレゴリオ
フェウディ ディ サングレゴリオ



こちらはリゼルヴァ、一つ上のクラス。

ピアーノ ディ モンテヴェルジネ タウラージ リゼルヴァ フェウディ ディ サングレゴリオ 2008 赤 750ml
フェウディ ディ サングレゴリオ
フェウディ ディ サングレゴリオ

Chianti Colli Aretini 2014 Paterna

2016-11-15 12:28:22 | Toscana トスカーナ
Chianti Colli Aretini 2014 Paterna 体に優しい自然派キャンティ



ラベルがかわいい。
しかし、ラベルだけではなくワインもかわいい。

試飲会に昼間からずっといて、散々試飲、その後続けて飲みに行くという肝臓ごめんなさいモードで美味しいと思ったワイン。

そんな状態で、飲めたもの、飲めなかったもの、美味しいと思ったもの、これ全然ダメと思ったものなど幾つかあったが、このワインは美味しかった。

最近流行りのビオワインにもいろいろあるが、本当に体に優しいビオのワイナリー。

以前飲んだ時はフツウ、肝臓ごめんなさいモードでなければ物足りなく感じるのかもしれないが。。。

しかし、こういうワインを普段から飲むようにした方がいいような気がする。
少しでも肝臓に優しいだろう。

アルコール度は12、5度。
今時、白でも14度を超えるワインが多くなっている中、赤でこのアルコール度。

しかし、今はこれくらいのワインの方がいいと思っている。

キャンティはキャンティでも、クラシコではない、つまり、キャンティ・クラシコ以外に7つあるキャンティの生産地域の中、アレッツォ周辺にあたるコッリ・アレティーニのもの。



色が明るくとてもきれい。
花の香り、フルーツの香りが可愛らしくまとまり、少し甘いスパイスの香りが混じる。
口に含んだ時の印象が優しく、するっと喉を通り、酸味がきれいで、タンニンが繊細。
程よい長さの持続性がフルーツの香りと共に続く。++++

値段も優しいところが嬉しい。

ワインは、これが欲しいと思っても、星の数ほどあるのでなかなか手に入らないことが多い。
欲しいと思ったら、マルコとジャンカルロのヴィナイエットへどうぞ。
Il Vinaietto Via Monte della Farina 38 Roma
基本的に昼食と夕食の時間のみのオープンなので気をつけて。
飲むだけではなく、ボトル購入も可。


La vita possibile di Ivano De Matteo 生きていけるさ〜

2016-11-15 11:24:18 | 何故か突然イタリア映画
La vita possibile di Ivano De Matteo 生きていけるさ〜
La vita possibile 監督 イヴァーノ・デ・マッテオ



結構好きなマルゲリータ・ブイ主役の映画。
大御所女優。
ということで期待したのだが、なかなか重かった。

結果がはっきりしないドラマチックな映画の特徴だろうか。
重たい、重たい、重たい〜という感じが最初から最後まで。

全体に暗い画面、セリフがなく思考中という表情の人物アップも多く、もう少し明るい画面、場面が欲しかった、のが個人的意見。

ただ、上映後の会見で、監督曰く、ハッピーエンドとか、ハッピーエンドを期待させるような感じに持って行きたくなかった、ということなので、まあそういう作り方をしている、というのだろう。

テーマは、夫の家庭内暴力から、13歳の一人息子を連れて逃げた母アンナと息子ヴァレリオの苦労話。

ローマからトリノの友人(女性、カルラ)の家に移り住み、新生活を始める。

息子は友達ができず、いつも一人で自転車を乗り回しているだけだが、そんな中、なんとか友達になれたかもというのが売春婦の東欧の少女。
そして、近所の小さなトラットリアのおじさん。(フランス人でかなり手が早く出る)

母親は、やっと仕事が見つかり(映画博物館になっているモーレ・アントネリアーナの掃除か掃除係なので内部が見れる)当然、母親に反発してグレたりもするが、家の持ち主の母親友人の明るい性格、トラットリアのおじさんとの友情などに助けられて、どうやら友達が無事にできそうかも、というところで終わる。

本当なら、トラットリアのおじさん、結構お母さんのアンナに気がありそうだし、手が早くても、どうも前科もありそうだけど、とてもいい人なので、ここでハッピーエンド。。。となっても良さそうな感じが、そうはならない。

うーーーん、惜しい。

トリノの町並みや、夫の暴力から逃れる女性の話、という内容に興味があるなら面白く観られると思う。
でないと、結構重く、暗い。

なお、暴力を振るう夫が一瞬だけ映るのだが、監督。
実際は、とても明るく感じがすごーーくいい。