在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Dolcetto d'Alba Piano delli Perdoni 2014 Mossio

2016-11-01 20:14:35 | Piemonte ピエモンテ
Dolcetto d’Alba Piano delli Perdoni 2014 Mossio



ワインの好みはかなりの確率で変わる。
最初は白が好きだった人がだんだんと赤が好きになったり、軽めの赤が好きだった人がボディのあるものが好きになったり、普通のワインを飲んでいた人が自然派に傾くようになってきたり。

ワインを飲み始めた頃は、ドルチェットはよく飲んだ。
初心者向けのワイン、というと、ドルチェットを造っている人、好きという人に申し分けないが、最初はドルチェットは結構飲んでいた。

対して、バルベーラは酸味が強すぎてあまり好きではなかったのだが、バルベーラの魅力に目覚めたら、逆にドルチェットを飲まなくなってしまった。
今でもドルチェットは残念ながらほとんど飲まない。

飲むのは、
どうしても飲まなくてはいけない時
バローロ地域のワインの試飲の場合、たいていバルベーラかネッビオーロから始めるが、ドルチェットも飲んでみたいと思った時
ある種のワイナリーのドルチェット
だけである。

ある種のワイナリーの中に、当然ロアーニャは入るが、モシオ(発音はモッスィオ)も入る。
ドルチェットでは、かなり品質の高いものを造っている。

ドルチェットは、どす黒い色が多いが、モシオのドルチェットはとても明るい色をしている。光沢のある、とても綺麗な色。
香りは、いかにもワインらしい。サクランボなどのフルーツの香りがすぐにイメージ、そして花の香りが綺麗だが、スパイス臭、革などの香りも加わる。
普通のドルチェットは、フルーツ、花の香りはあれども、革など、もっとタンニンの苦味を思わせる香りが多いのだが、モシオのドルチェットは違う。
そして、味も、ドルチェットにしては酸味があり、綺麗で、タンニンにも繊細さが加わっている。程よい酸味がとても心地よく、飲んでいて飽きない。
普通は、酸味はあまりなく、タンニンが重たい感じで、ほろ苦いより苦く感じるのだが、そういった苦味はモシオのドルチェットにはない。
非常にシンプル、とてもよくできているドルチェットである。

もちろん、もう一つ上級のドルチェットも造っているが、このワインの、この軽やかさがとても良い。++++