行きかふ年もまた旅人なり

日本の歴史や文学(主に近代)について、感想等を紹介しますが、毎日はできません。
ふぅ、徒然なるままに日暮したい・・・。

上様に手向かいする時代劇の城

2009-01-31 23:53:42 | Weblog
 テレ朝系列で松平健さんが主人公を演じる時代劇の舞台・江戸城の映像は、この城の事である。江戸城には現在、天守は無く、また皇居であるため撮影場所には不可。

 この時代劇は、八代将軍徳川吉宗を主人公にしたものだが、もちろんフィクションである。将軍自らが隠密で市中を出歩く事などまずあり得ない。他の時代劇の構成と比べると、将軍自ら親征している設定から他の追随を許さない。水戸黄門は副将軍、遠山の金さんは江戸北町奉行、大岡越前もまた江戸の町奉行、鬼平は火付盗賊改方長官、三匹はほとんどチンピラ・・・である。

 鬼平はその役目柄激しい戦闘が付き物だが、町奉行の見所は裁き、黄門は最初から印籠をちらつかせていれば円満解決だが、敢えて相手を挑発し、戦闘に持ち込み、いたぶったところで止めの印籠。やり方が卑怯である。暴れる将軍は、単身でターゲット宅に潜入し、皆が揃ったところで正体を告げる。問題なのはここからである。悪役達は将軍である事を認めながらも抜刀して刃向かう。将軍の権威失墜、幕府崩壊は明治維新を待たずして始まってしまう歴史上重大な事件である。大抵の悪役達が述べる「このような所に上様があろうはずがない!」とは、正に妙を得た発言である。居てはおかしいのである。しかもその後、「この者は、上様ではない!」と言い切って斬りかかる。これこそ士道である。そして特撮も驚く爆破の数々。ご禁制の銃器もしっかり揃えており、幕府の統制は本当に大丈夫なのか疑いたくなる。
 最後は「成敗!」と叫んで配下の才蔵や茜に止めを刺させている。将軍の手討ちである。「暴れん坊将軍」、暴れ過ぎ(笑)。

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