『孤宿の人』（宮部みゆき）

「あの子は御仏に会うた。人の身の内におわす御仏に」


　もうね、ラスト近いここからのくだり、電車で読んでいたのだがこらえきれず涙が流れてしもたよ。
嗚咽するかと思った。しかも、感動に震える余韻もそのままに読んだ解説が児玉清さん、たまりませんわ。
　で、その児玉さんも書いているけど、しょっぱなから主人公のひとり？ほうの生い立ちにくぎづけで、
とにかくこの子には幸せになってほしいという祈りにも似た気持ちで読み進んだ。
まーいろいろいろいろありすぎて、くらくらしたし、人が死にすぎてもうわけわからん。いろんな感情を
使い果たした。悲しい話だったけど、いい本を読んだなあ、と思った。細部をあれこれ語るのも野暮な気
がする…と苦しい言い訳をしつつ、いやほんと、今までに読んだ宮部ものの中でベストワンかもしれん。