こんな本を読みました

気ままで偏りのある読書忘備録。冒頭の文章は、読んだ本からの引用です。

『木暮荘物語』(三浦しをん)

2015-03-23 | 現代小説
おお、と木暮は思った。回春という単語が脳裏をよぎった。
めぐりくる春。いい言葉だ。


 昭和の香りを残すぼろアパート、木暮荘をめぐる人々をオムニバスで主役に据えた物語。なんというか
…全員発情している。それがバカバカしくもおもしろい。「ないわ!」の連続なんだけど、みんな不思議
ちゃんなんだけど、それなりにキャラが立っているから不快感はなく、それぞれにほのぼのと笑わされる。
精神的にパツパツの日々に、ちょっと癒される本だった。特に「妻以外の女性といたしたい」と思い立ち、
悶々とする老人・木暮さんの話には笑えた。しかしまあ、これ、映像化はないだろうな。いくらキョンキ
ョンが書評を書いていても。あ、最後の各界の?有名人による書評、これはちょっといらんかなと思った。
それぞれがそれぞれの心に抱いた木暮荘の余韻にひたれるほうがよかったなあと思う。

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