メレディスは自己形成に手間暇かけることはせず、そのつど他人様の個性を借用して生きてきた。
そのほうが、たいていの人が陥りがちな自己嫌悪の罠を手っ取り早く回避できると気づいたからだ。
(『テロメア』)
久しぶりに翻訳ミステリーが読みたくて、下調べして借りにいった作家の本がどうしても見つからず、
ふと手にとって衝動借りした一冊。これが意外にもヒットだった。最初は饒舌に広がり続けるイメージ、
思わぬ転がりを見せる世界観に戸惑ったけど、流れに身をまかせればこれがなんとも心地いい。脈絡の
ない短編集でありながら、同じ登場人物がかすめるように出てくることに気づいたときの嬉しさよ。
(気がつかなかったのもあり、再度たしかめ直したりもしたけど。名前、覚えられん)
登場人物たちは、軽快な筆致もあって生真面目ささえユニーク。抜粋した文章のメレディスのように
器用で計算高く見えてどこかで足元をすくわれる人がいるかと思えば、不幸な生い立ちをものともせず
ささやかな幸せを手にする人あり。(ちなみにこの「他人の個性(パーソナリティと読む)を借用、ち
ょっとわかる。こういうときあの人なら・・・って考えること、私もある」
奇想天外、時に破滅的、時にほろ苦く時にひっそりハートウォーミング。ありえない設定のなかにき
ちんと血脈が通うリアリティが絶妙。そこからの飛躍が、真面目な顔で嘘をつく感じでとても好きだ。
この発想の飛び方、誤解を恐れずに言うなら自分に似ている気がして。こういう小説が書けたらなあと
思った一冊だった。書かない、書けないけど。
そのほうが、たいていの人が陥りがちな自己嫌悪の罠を手っ取り早く回避できると気づいたからだ。
(『テロメア』)
久しぶりに翻訳ミステリーが読みたくて、下調べして借りにいった作家の本がどうしても見つからず、
ふと手にとって衝動借りした一冊。これが意外にもヒットだった。最初は饒舌に広がり続けるイメージ、
思わぬ転がりを見せる世界観に戸惑ったけど、流れに身をまかせればこれがなんとも心地いい。脈絡の
ない短編集でありながら、同じ登場人物がかすめるように出てくることに気づいたときの嬉しさよ。
(気がつかなかったのもあり、再度たしかめ直したりもしたけど。名前、覚えられん)
登場人物たちは、軽快な筆致もあって生真面目ささえユニーク。抜粋した文章のメレディスのように
器用で計算高く見えてどこかで足元をすくわれる人がいるかと思えば、不幸な生い立ちをものともせず
ささやかな幸せを手にする人あり。(ちなみにこの「他人の個性(パーソナリティと読む)を借用、ち
ょっとわかる。こういうときあの人なら・・・って考えること、私もある」
奇想天外、時に破滅的、時にほろ苦く時にひっそりハートウォーミング。ありえない設定のなかにき
ちんと血脈が通うリアリティが絶妙。そこからの飛躍が、真面目な顔で嘘をつく感じでとても好きだ。
この発想の飛び方、誤解を恐れずに言うなら自分に似ている気がして。こういう小説が書けたらなあと
思った一冊だった。書かない、書けないけど。