あなたとわたしは、立っていなければなりません。
現在と過去。人の心と心。ぐっと寄って、ぐぐーんと引いて俯瞰して…その対比が切なかったり
ハッピーだったりするオムニバス。テーマを如実に表す小説の前後の【往信】【復信】は、ちょっ
と狙い過ぎかな~と思わないでもないけれど、ぐるりとまわって戻ってきた感があって、落ち着い
た。今回抜き出したのは、そんな「復信」のクライマックスから。これを読んで今と昔の東京の姿
をありありと思い浮かべられる人が、少しうらやましい。
この人の作品は『小さいおうち』(映画化しましたね~)を読んだだけだったけど、あれはとて
も好みの小説だった。こちらも、わりと好き。淡々としていて、大仰な表現にもどこかすっとぼけ
た印象のある文体、余韻のあるストーリー。そう、語りすぎないところがいい。時に素っ気なくも
感じるけれど、そのほうがぐっと心に残るのだ。特にずしんときたのは『よろず化けます』と
『金粉』…どちらも老婆がらみ。…身につまされただけか!?
現在と過去。人の心と心。ぐっと寄って、ぐぐーんと引いて俯瞰して…その対比が切なかったり
ハッピーだったりするオムニバス。テーマを如実に表す小説の前後の【往信】【復信】は、ちょっ
と狙い過ぎかな~と思わないでもないけれど、ぐるりとまわって戻ってきた感があって、落ち着い
た。今回抜き出したのは、そんな「復信」のクライマックスから。これを読んで今と昔の東京の姿
をありありと思い浮かべられる人が、少しうらやましい。
この人の作品は『小さいおうち』(映画化しましたね~)を読んだだけだったけど、あれはとて
も好みの小説だった。こちらも、わりと好き。淡々としていて、大仰な表現にもどこかすっとぼけ
た印象のある文体、余韻のあるストーリー。そう、語りすぎないところがいい。時に素っ気なくも
感じるけれど、そのほうがぐっと心に残るのだ。特にずしんときたのは『よろず化けます』と
『金粉』…どちらも老婆がらみ。…身につまされただけか!?