こんな本を読みました

気ままで偏りのある読書忘備録。冒頭の文章は、読んだ本からの引用です。

『平成お徒歩日記』(宮部みゆき)

2015-02-27 | ミステリー、ファンタジー
聖なるものを尊ぶ心と、神仏参りを楽しむ心。
このふたつが共存することが、日本人にとって
案外大切なんじゃないかなと、ミヤベは思います。


あるときはお江戸を、またあるときはお江戸を飛び出し東へ西へ、「お徒歩(かち)」を基本に江戸時代を
検証する宮部みゆきさんの珍道中。小説以外の本はこれだけという宮部さんのルポエッセイなのだが、これ
が当人のお人柄を感じさせる軽妙さとユーモアに富んでいて、非常におもしろかった。
もちろん普通のエッセイではなく、歩きながら江戸時代の人々の暮らしへ、また現代の反省へ、自由に発想
をはばたかせる宮部さんのやわらかさとまっとうさにも好感。本当にいい人である、と思う。もっとエッセ
イ書けばいいのに~
冒頭の引用は、伊勢神宮に参り、西行の有名な歌
「何ごとのおはしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる」
に迫った考察。そうそう、この「かたじけなさ」こそ、日本人本来の感情であったはず。おおいに共感しつ
つ、あ~また伊勢行きたいなと思ったのであった。
江戸的視点から見る東京も、本当におもしろい。惜しむらくは、時代を感じさせるものがあまりにも残され
ていないことだ。でも江戸を歩いてみるのも楽しそう、と素直に思えた本だった。
とってもほんわかとして読後感は清々しく、よい息抜きになった。

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