「すっぱいすっぱいすっぱい」と言いながらぴょんぴょん跳ねた。
それがいつの間にかスキップにかたちを変えて「あみ子のは地団太
じゃ」と、後ろをあるく兄が笑った。
ひえ〜なんて心がひりひりする物語を書く人なんだろう。のびやかに楽しく生きるあみ子ちゃんの、
幸福と不幸。周囲の痛みと悲嘆。生きる楽しみは、やがて生きにくさへ。その間合い、エピソードの
連ね方が絶妙で、こちらは読んでいるだけで胃がキリキリ痛みそう。みんな少しずつ不器用なだけで
誰も悪くないのにな。客観的に見れば目もあてられない日々のなかにも、少しホッとする関係性があっ
たことと、現在のおだやかさが救い。抜粋は、そんなあみ子が一番幸せだったころの記憶。追憶のタ
イミングがまた絶妙で、やりきれなさが増す。ああ、あみ子ちゃんもともえ学園(@トットちゃん)
に行ければよかったのに。
もうひとつの収録作品、『ピクニック』もやさしさと残酷さが入り混じった、これまた心がざわつ
く物語だった。芸人との恋仲話を繰り広げる七瀬さんに乗っかり「応援」を続ける同僚のナナちゃん
たち。七瀬さんの健気さをみんなで愛するほのぼのとした楽しさと、噓の崖っぷちを並走することで
きっと見下げる気持ちもある底意地の悪さの表裏一体感は、いかにも女子あるあるって気がするので
ある。そういう揺さぶり方が、とっても巧みだと思った。
それがいつの間にかスキップにかたちを変えて「あみ子のは地団太
じゃ」と、後ろをあるく兄が笑った。
ひえ〜なんて心がひりひりする物語を書く人なんだろう。のびやかに楽しく生きるあみ子ちゃんの、
幸福と不幸。周囲の痛みと悲嘆。生きる楽しみは、やがて生きにくさへ。その間合い、エピソードの
連ね方が絶妙で、こちらは読んでいるだけで胃がキリキリ痛みそう。みんな少しずつ不器用なだけで
誰も悪くないのにな。客観的に見れば目もあてられない日々のなかにも、少しホッとする関係性があっ
たことと、現在のおだやかさが救い。抜粋は、そんなあみ子が一番幸せだったころの記憶。追憶のタ
イミングがまた絶妙で、やりきれなさが増す。ああ、あみ子ちゃんもともえ学園(@トットちゃん)
に行ければよかったのに。
もうひとつの収録作品、『ピクニック』もやさしさと残酷さが入り混じった、これまた心がざわつ
く物語だった。芸人との恋仲話を繰り広げる七瀬さんに乗っかり「応援」を続ける同僚のナナちゃん
たち。七瀬さんの健気さをみんなで愛するほのぼのとした楽しさと、噓の崖っぷちを並走することで
きっと見下げる気持ちもある底意地の悪さの表裏一体感は、いかにも女子あるあるって気がするので
ある。そういう揺さぶり方が、とっても巧みだと思った。