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田母神前空幕長問題-政府の任命責任あいまいにできぬー

2008-12-04 07:07:02 | 国内政治
侵略美化 空将も
空自隊内誌に論文 赤嶺議員が批判
衆院安保委

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 田母神俊雄前空幕長が論文を執筆していた航空自衛隊の隊内誌『鵬友』に、別の空将も、日本の侵略戦争を美化する論文を寄稿していたことが分かりました。日本共産党の赤嶺政賢議員が二十七日の衆院安全保障委員会でとりあげ、隊内で田母神氏と同様の見解が根強く存在している問題を告発しました。

 論文は、今年五月号に防衛省技術研究本部技術開発官の石渡幹生空将(当時)の名で掲載されたもの。石渡氏は「日本人は、…東京裁判史観、自虐史観を植え付けられている恐れがある」などと主張しています。

 また現在の高校での歴史教育について、「極端に旧軍の過ちを強調」「バランスを著しく欠いている」とし、沖縄戦での「集団自決」をめぐる教科書検定の「混乱」や、旧日本軍の「深い関与」を認定した大阪地裁判決(三月)について「やるせない思い」とも記しています。

 赤嶺氏は「歴史教育で沖縄戦を教えることが、『極端に旧軍の過ちを強調』する行為のように批判している。看過できない」と厳しく批判。自衛隊内でこうした見解がどれだけ広がっているのか徹底した調査をすべきだと求めました。

 浜田靖一防衛相は「検証させていただきたい」と答弁しました。

(出所:日本共産党HP 2008年11月28日(金)「しんぶん赤旗」)

主張
前空幕長問題
任命の責任あいまいにできぬ

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 戦前の日本の侵略を否定する論文を発表して更迭された田母神俊雄前空幕長が免職にもならず、七千万円ともいわれる退職金を受け取りました。田母神氏は講演などで対外的な発言を続けています。

 ことは田母神氏個人の問題ではすまされません。侵略戦争の反省に成り立つ憲法と、侵略をわびた「村山首相談話」(一九九五年八月)を否定する人物をなぜ航空自衛隊のトップにすえ、懲戒免職にしなかったのか、政府の任免責任が問われている問題です。妄言の背景と土壌をあいまいにしたまま、幕引きすることは許されません。

「知らなかった」答弁
 麻生太郎首相と浜田靖一防衛相は、日本が侵略国家だったというのは「濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)」だという田母神氏の論文が公になると、内容が「不適切」だという理由で空幕長を更迭しました。しかし、田母神氏はそれ以前から自衛隊の内外で同じような発言を重ねており、論文が問題になってからあわてて「不適切」などと言い出すのは、責任をあいまいにするだけです。懲戒免職しなかったこととあわせ、無責任とのそしりは免れません。

 田母神氏は、空幕長になる前の航空総隊司令官時代から、航空自衛隊幹部学校幹部会が発行する隊内誌『鵬友』で政府方針に反する内容の論文を発表しています。昨年五月号では、今回の論文と同じ内容を空幕長として発表しています。『鵬友』について防衛庁(現防衛省)は、「責任をもって見ております」(一九九二年五月十四日参院内閣委員会、小池清彦教育訓練局長)と説明してきています。一連の論文を知らなかったと、責任を免れることはできません。

 田母神氏は二〇〇二年に統合幕僚学校長になるや、「歴史観・国家観」の講義を新設し、侵略戦争を美化する「靖国」派の学者を講師にして「大東亜戦争史観」「東京裁判史観」などを幹部自衛官に教えたことも問題になっています。熊谷直・元統合幕僚学校教官は、講師を決めれば防衛省内局の教育担当部局に「必ず通報する」(十一月二十日付「日経」夕刊)とのべています。講義の内容や講師の選定を防衛省が黙認してきたとすれば、それこそ重大です。

 しかも田母神氏は、自らの論文が問題になり更迭されると、二人の元首相の名前をあげて、「私の考えは理解されている」とのべました。一人は森喜朗元首相です。元首相が田母神前空幕長の後ろ盾になっていたとすれば、放置するわけにはいきません。田母神氏の「濡れ衣」論文発表を許した土壌にこそ、問題の根源があります。再発防止というなら政府・防衛省の責任を徹底解明すべきです。

軍事強化やめてこそ
 田母神氏は、問題になった論文でも空幕長を辞めてからの講演やインタビューでも、集団的自衛権の行使や核兵器を含む攻撃的兵器の保有を公言し、自らの発言はそのための制約を取り払うためだったと主張しています。

 政府や防衛省が田母神氏の発言が問題だというが、こうした田母神氏の発言の狙いについてはどうなのか。きちんと態度を表明しなければ、結局田母神氏の発言を、政府の方針にそったものだったと認めることになります。自衛隊制服組の「暴走」を許さないためにも、軍事同盟強化と海外派兵拡大の政策をやめることが重要です。

(出所:日本共産党HP 2008年12月3日(水)「しんぶん赤旗」)
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