未来を信じ、未来に生きる。

今に流されず、正論を認識し、社会貢献していく人生を切り拓くブログ道。

第百六十九通常国会を振り返るー日本共産党はどう挑み、どのような役割を果たしたのかー

2008-06-22 03:55:00 | 国内政治
通常国会振り返る
共産党質問に「一筋の光みえた」
論戦力で政治動かす

--------------------------------------------------------------------------------

 第百六十九通常国会は、昨年九月に福田康夫首相が就任して以降、内政・外交の全般にわたる最初の本格論戦の舞台でした。日本共産党はこれにどう挑み、どのような役割を果たしたのか――。昨年の参院選結果をうけ、国民が自民・公明の政治に代わる新しい政治を探求するなか、これほど、政党がよって立つ足場と、“論戦力”の試された国会はありませんでした。そのなかで、日本共産党国会議員団の論戦力を象徴した場面はいまも鮮やかです。(小泉大介)


--------------------------------------------------------------------------------


(写真)労働者派遣法の抜本改正を求め、福田首相に質問する志位和夫委員長=2月8日、衆院予算委

現場の実態から迫る
 「日本のモノづくりを支えている労働者にこんな働かせ方をさせていて、日本の将来があるのか」「高齢者のみなさんが、この国に生まれてよかったと思えないような政治に未来はない」

 前者は、二月八日の衆院予算委員会で労働者派遣法の抜本改正を求めた志位和夫委員長、後者は三月十四日の参院予算委員会で後期高齢者医療制度の撤回を求めた小池晃政策委員長。首相はじめ全閣僚を前にした渾身(こんしん)の追及でした。

首相も認める
 労働者派遣法改正問題では、派遣労働者をモノ扱いする実態を徹底して突きつけ、労働者派遣法を派遣労働者保護法に改正するよう迫りました。「ニーズがある」などと日雇い派遣を正当化していた首相を、「(非正規雇用は)中長期的には決して好ましくない」というところまで追いつめました。



(写真)後期高齢者医療制度についてパネルを示して追及する小池晃議員=3月14日、参院予算委

 後期高齢者医療では、七十五歳という年齢だけで差別する世界に類のない実態、後期高齢者を狙いうちにした医療費削減という本質を告発。制度開始後に渦巻いた高齢者の怒りを早くから代弁しました。

 いずれの質問も、普段はヤジで騒然とする議場がシーンと静まり返りました。与党席からも「その通り」「いい質問だ」の声が飛び交い、マスメディア記者は「地に足がついている。早くも今国会のハイライト」。テレビで見た国民からは「一筋の光が見えた」などの反響が相次ぎ、インターネットを通じて現在まで続いています。

 福田首相は一月十八日の施政方針演説で、「いかに前向きに、夢を抱くことができる国になるか」「日本人は、目前に困難があろうとも、必ずや未来を切り開く」などと述べていました。しかし、そこにはなんら具体的打開策もなく、貧困にあえぐ国民の生活実態を前にどこまでもうつろに響くだけでした。



(写真)首相問責決議案について記者会見する市田忠義書記局長(左)と穀田恵二国対委員長=10日、国会内

 党国会議員団は雇用や医療に加え、道路特定財源の一般財源化、地球温暖化対策、農業再生、税制問題、アメリカいいなり政治の打開など焦眉(しょうび)の課題で国民の願いを一歩でも二歩でも実現するために力を尽くしました。さらに、従来の政策の「手直し」に終始する福田内閣に対し、抜本的な政策転換を求める論戦を貫きました。

国民の利益貫く立場
 今国会では、どんな時も正々堂々と論戦で政府を追いつめる日本共産党のゆるぎない立場もいかんなく発揮されました。その意義は、野党第一党の民主党と比較するとよりはっきりします。

 野党四党が五月二十三日に参院に提出した後期高齢者医療制度廃止法案。今月六日に参院を通過し、いよいよ衆院で審議をおこなおうというその時、民主、社民、国民新の各党は首相問責決議案を参院に提出し、これが可決されたことで審議拒否の戦術に出たのです。

足場ない民主
 政府提出の法案ならともかく、議員立法で自ら提出した法案の審議を放棄するなどまさに前代未聞の事態。日本共産党は、たとえ一党でも、衆院での趣旨説明と質疑をおこなう準備をしつつ、最後まで各党に審議入りを働きかけました。

 これに比べ、民主党の小沢一郎代表は、問責を理由に十一日に開催が決まっていた党首討論までも放棄しました。党内からも「理解不能」の声が出るような、政党としての自殺行為にも等しい論戦軽視はどこからくるのか――。

 それは、国政の基本的な問題で、論戦する足場をもたないからです。福田首相が「決断の時」(十七日)と表明し大問題になっている消費税増税問題にもはっきりと表れています。

消費税増でも
 首相は施政方針演説で「消費税を含む税体系の抜本的改革について早期に実現を図る」と言明。これをうけた衆院代表質問で民主党は、消費税を社会保障目的税化して引き上げるという同党の「税制改革大綱」の立場を表明しました。

 今後、政府・与党が消費税増税に向けた議論を本格化してくることは必至です。社会保障財源に、国民の暮らしを破壊する消費税を充てることに反対し、空前の利益をあげている大企業へのゆきすぎた減税をただし、五兆円にものぼる軍事費にメスを入れるべきだとする日本共産党の提起がますます重みを増しています。


--------------------------------------------------------------------------------

第169通常国会の動き
 1月15日 越年となった168臨時国会が閉会

 18日 169通常国会が開会、福田康夫首相が施政方針演説で「生活者の視点」を強調

 22日 衆院本会議で志位和夫委員長が代表質問。「経済の軸足を国民に」と主張

 23日 参院本会議で市田忠義書記局長が代表質問。「命守る政治に転換を」と訴え

 29日 与党がガソリン税暫定税率の期限を事実上10年間延長するための「つなぎ法案」提出

 30日 日本共産党の提案実り、衆参両院議長あっせんを与野党合意、「つなぎ法案」取り下げ

 2月6日 2007年度補正予算案が参院本会議で否決、衆院の議決優先により成立

 8日 衆院予算委員会で志位委員長が労働者派遣法の抜本改正を迫る。インターネットの動画サイトに掲載され、共感の書き込みが殺到する

 29日 与党が衆院本会議で08年度予算案と歳入・税制関連法案の可決強行

 3月4日 民主党が参院予算委員会を欠席し、これ以降国会空転

 7日 日本共産党が「農業再生プラン」を発表。各地でシンポ開催、反響相次ぐ

 13日 日本共産党の努力実り参院予算委の審議開始

 14日 参院予算委で小池晃政策委員長が「長寿を喜ばない社会でいいのか」と後期高齢者医療制度を徹底告発

 27日 福田首相が道路特定財源の09年度からの一般財源化を表明

 28日 08年度予算案が参院本会議で否決、衆院の議決優先で成立

 31日 道路特定財源の根拠法失効、ガソリン税暫定税率も失効

 4月1日 後期高齢者医療制度開始。お年寄りから激しい抗議相次ぐ

 18日 日本共産党欧州温暖化対策調査団が国会内で報告会

 30日 与党が衆院本会議でガソリン税暫定税率復活の再議決を強行

 5月 各種世論調査で福田内閣の支持率が2割を割る

 13日 与党が衆院本会議で道路特定財源を復活、10年延長の再議決を強行

 23日 野党4党が後期高齢者医療制度廃止法案を参院に提出

 6月6日 後期高齢者医療制度廃止法案が参院本会議で可決

 8日 沖縄県議選で、共産党が3議席から5議席に躍進し、自公は過半数割れの惨敗

 11日 参院本会議で福田首相問責決議案が可決

 13日 衆院本会議で国会会期の6日間延長を議決

 20日 通常国会が事実上閉幕、後期高齢者医療制度廃止法案が継続審議に

(出所:日本共産党HP  2008年6月21日(土)「しんぶん赤旗」)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本共産党国会議員団総会で... | トップ | 国会議員定数削減問題ー狙い... »

コメントを投稿

国内政治」カテゴリの最新記事