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自公政権を終わらせ新しい日本へ-日本共産党の志位和夫委員長がおこなった総選挙公示第一声(その2)ー

2009-08-20 02:51:03 | 国内政治
憲法9条を生かした「自主・自立の平和外交」を

 第二は、平和の問題です。

 8月に総選挙が行われるのは、戦後初めてです。8月は、日本国民にとって特別の月であります。今年も広島、長崎、終戦の64回目の記念日がめぐってきました。この特別の月に行われる総選挙にあたって、どの党が本当の平和の守り手の党かを見極めて選んでいただきたいと思います。

野党として「自主・自立の平和外交」に取り組んでいる党

 みなさん。日本共産党は、憲法9条を生かした「自主・自立の平和外交」に転換しようと訴えています。そして野党ではありますが、「自主・自立の平和外交」を実行している党だということをお話しさせていただきたいのです。

 今年の4月5日、チェコのプラハで、オバマ大統領が歴史的演説を行いました。「アメリカは核兵器を使用したことがある唯一の核兵器保有国として行動する道義的責任がある」、「核兵器のない世界を追求することを宣言する」という演説です。アメリカという国は、いまでも、広島、長崎に原爆を落としたことが、数十万の米軍将兵の命を救ったという間違った神話が流布されている国です。その国の大統領がこうした発言をしたことは、勇気ある発言ではないでしょうか(拍手)。ですから私は、大統領にたいして、「あなたの発言を歓迎します。ぜひ核兵器廃絶を主題とした国際交渉を開始してください」と要請する書簡を送りました。そうしたら、しばらくして大統領側から「あなたの情熱をうれしく思います」と書かれた返書が届けられました。アメリカも変化しつつあるではありませんか。(拍手)

 8月4日、来日された国連総会議長のデスコトさんと、私は東京で会談する機会がありました。ここでも核兵器問題について話し合いました。私が、「ぜひ協力してこの問題に取り組みたい」と述べましたら、議長はこう応じました。「あなたのオバマ大統領あての書簡はすでに読みました。あなたの見解に賛成です。この歴史的好機を生かしましょう」。国連議長との間でも、こういう一致点が得られたということをみなさんに報告しておきたいと思います。(拍手)

人民のたたかいこそ平和のルールをつくる力

 みなさん。世界をここまで変えた力はなんでしょう。それは、世界の平和の世論と運動です。とりわけ被爆国・日本の反核平和の運動が、とうとうアメリカを動かし始めたというのが、いまの世界だということを、私は訴えたいと思います。(拍手)

 先日、被爆者団体の方々とお会いしたさいに、ある被爆者の方がこうおっしゃっておられました。「私たち被爆者は、つらい病気とたたかいながら、戦後64年、核兵器のない世界を訴え続けてきました。それがとうとう世界に届いた」

 みなさん。人民のたたかいこそ平和のルールをつくる力であります。被爆国・日本から、「核兵器のない世界を」の声を広げに広げようではありませんか。(拍手)

平和の願いを、党をつくって87年、反戦平和をつらぬいた日本共産党に
 私たち日本共産党は、アメリカとの関係は本当の友情を望んでいます。本当の友情というのは上下関係ではつくれません。対等・平等でこそ本当の友情がつくれます。ですから、アメリカ言いなりの大本にある日米安保条約はもうやめて、それに代えて日米友好条約を結ぼうというのが日本共産党の提案でございます。(拍手)

 8月にたたかわれる総選挙で、「核兵器のない世界」を、「戦争のない世界」を、憲法9条を守ろうという平和の願いを、党をつくって87年、一筋に反戦平和を貫いてきた日本共産党にお寄せください。よろしくお願いいたします。(大きな拍手)

「国民が主人公」の新しい日本に踏み出す選挙に

 みなさん。「ルールある経済社会」、憲法9条をいかした平和外交――「二つの旗印」ということをお話ししました。これが私たちのめざす新しい日本の進路ですが、その大本にある考えは「国民が主人公」ということです。

 日本国憲法には、「国民主権」と書いてあります。しかし実態は、内政は「財界中心」、外交は「日米軍事同盟中心」となっています。主権者である国民がそっちのけです。このゆがみを大本からただして、憲法に書いてある通りの「国民が主人公」の日本をつくりたい。これが、日本共産党の日本改革の大方針であります。(拍手)

 みなさん。この選挙を、こうした新しい日本に踏み出す総選挙にしていこうではありませんか。(大きな拍手)

「建設的野党」として、現実政治を前に動かす
 みなさん。自公政権を終わらせたあとの政権はどうなるでしょう。民主党中心の政権ができる可能性がたいへんに大きいでしょう。

党首討論会――「財界主導」の政治と決別するといえない民主党

 それでは民主党には、「財界中心」「日米軍事同盟中心」という政治のゆがみの大本をただす立場があるでしょうか。

 昨日、党首討論会で私は鳩山代表に聞きました。

 「鳩山さんは、『官僚主導』の政治から脱却すると言っています。もちろん悪い『官僚主導』の政治とは決別しなければなりません。同時に聞きたいことがあります。それは、『財界主導』の政治と決別する意思があるのかどうかということです。労働法制の規制緩和も、社会保障費の削減も、消費税増税も、すべての震源地は財界です。財界の号令で始まっています。ここから抜け出さないと、国民のくらしは守れません」

 こう聞きましたが、鳩山さんからは、定かな答えはありませんでした。「財界主導」からの決別が言えないところに、民主党の大きな問題があるということを、私は昨日の討論を通じても感じました。

派遣法改正、後期医療制度撤廃、高校授業料無償化――一致点で協力し実現はかる

 みなさん。こういう状況ですから、私たちは、民主党中心の政権ができた場合には「建設的野党」として、国民の要求を政策にしてどんどん積極的に提案し、「良いことには協力する、悪いことにはきっぱり反対」という立場で、現実政治を前に動かすために頑張りぬくことを、お約束するものです。(拍手)

 協力するという点では、私たちはかねてから、労働者派遣法の改正、後期高齢者医療制度の撤廃、障害者自立支援法の「応益負担」の廃止、生活保護の母子加算の復活、高校授業料の無償化などを主張してまいりましたが、民主党のマニフェストをみますと、これらの点で方向の一致がみられます。こういう問題については、ぜひ新しい国会で協力して実現をはかりたい。そのためにも、これらの問題について先駆けて一貫して頑張ってきた日本共産党を伸ばしていただきたい。よろしくお願いいたします。(拍手)

日米FTAに断固として反対する――農業再生の大黒柱は日本共産党

 同時に、民主党のマニフェストの中には、私たちが絶対に容認できない大問題も含まれております。

 たとえば、「日米の自由貿易協定(FTA)の交渉を促進」と明記されています。これはたいへんな問題です。日米FTAが結ばれたら、日本の農業とくにコメが壊滅的な打撃を受けます。コメの何と82%がつぶされてしまいます。日本国民の主食であるコメまでも、アメリカに差し出そうという日米FTAには、私たちは断固として反対であります。(拍手)

 私は、昨日の党首討論で、コメと農業抜きの日米FTA交渉はありえないということを、米国当局者の発言も引いてただし、鳩山さんに、「交渉に入るべきではない」とただしましたが、鳩山さんの答えは「私はまったくそう思ってはいません」と、あくまで日米FTAに固執する態度でした。

 こういう民主党が政権について、日米FTAの動きがもちあがったときに、その「防波堤」になれる政党は誰でしょう。自民党と公明党はこの問題で民主党をさかんに攻撃していますが、牛肉・オレンジの輸入自由化をすすめ、ミニマムアクセス米をどんどん輸入してきた自公に、「防波堤」の仕事を期待できるでしょうか。

 そう考えますと、民主党中心の政権ができて、こうした間違った政治がやられようとしたときに、「防波堤」となれるのは、日本共産党しかないではありませんか(拍手)。日本共産党こそ、日本農業再生の大黒柱として、頑張りぬける党であります。(「そうだ」の声、大きな拍手)

衆院比例定数削減――国民多数の声が国会に届かなくなる暴挙は許さない

 もう一つ、民主党のマニフェストで、どうしてもいっておかなければならない問題があります。「衆議院の比例定数を80減らす」と書いてあります。「無駄遣いをなくす」という項目のなかに入っています。比例代表が無駄だというのです。

 しかし、いまの選挙制度で、国民の民意を国会に反映する、いちばん民主的な部分が比例代表です。半分にしてしまったら、自民・民主で議席の95%を独占してしまうことになります。そうなったらどうなるでしょう。たとえば「消費税増税反対」は国民多数の声です。しかし、自民・民主の両党は増税派でしょう。そうなりますと、「消費税増税反対」の多数の声が国会に届かなくなるじゃありませんか。「憲法9条守れ」の声も国民多数の声です。しかし自民・民主の両党は、憲法9条改定派です。そうなりますと、「憲法9条守れ」という多数の声も、国会に届かなくなるじゃありませんか。国民多数の声を国会からしめだす民主主義の逆行は、絶対に許すわけにはまいりません。(「そうだ」の声、拍手)

 「政治が身を削る」というのならば、320億円もの政党助成金こそ撤廃せよ。このことを強く求めたいと思います。(大きな拍手)

日本共産党の出番の時代――新しいページに、新しい進路を描き込もう

 そして私たちは、「国民が主人公」の民主的政権――民主連合政府をつくるための国民的な合意と共同を強めるために、力を尽くしてまいります。

 みなさん、いま日本の政治は大転換の時代を迎えています。いま行き詰まっているのは、自民党政治そのものです。「財界中心」「日米軍事同盟中心」という自民党政治そのものが行き詰まっています。その担い手は自公ですから、自公政権が激しい批判の対象となっていますが、行き詰まっているのは自民党政治そのものなのです。ですから、この自民党政治の大本を変える立場がない、「財界中心」「日米軍事同盟中心」から抜け出す立場がない民主党中心の政権ができても、この行き詰まりは大本からは解決できません。政治の大本を変える日本共産党を伸ばしてこそ、日本の未来が開けるということを、私は訴えたいと思うのであります。(大きな拍手)

 みなさん。大きな視野でみれば、日本共産党の出番の時代が始まっているのです。その最初の歴史的政治戦が今度の総選挙です。

 古いボロボロになった自公政権というページを、みんなでめくろうじゃありませんか。めくったら、真っ白いページが現れてきます。そこに新しい日本の進路を描き込むのは、有権者のみなさんです。日本共産党は、今日お話ししたように、「ルールある経済社会」、9条を生かした平和外交という将来像を描き込みたい。「国民が主人公」の新しい日本を、国民のみなさんとご一緒に描き込もうと訴えております。

 みなさん。そうした新しい安心と希望の日本、平和の日本への第一歩となる、すばらしい躍進を、どうか勝ち取らせていただきたい。そのことを重ねてお願いし、私も委員長として先頭に立って知恵と力の限りを尽くして頑張りぬく決意を表明しまして、訴えとさせていただきます。ありがとうございました。(「頑張れー」の声、大きな声援と拍手)
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