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福田内閣が設置した社会保障国民会議が中間報告-元凶は抑制路線と消費税頼み-

2008-06-21 02:14:42 | 国内政治
主張
社会保障国民会議
元凶は抑制路線と消費税頼み

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 福田内閣が設置した社会保障国民会議が中間報告を発表しました。

 社会保障のあらゆる分野で、切実に支援を必要としている人が制度から排除される福祉の破壊がますます深刻になっています。

 ところが中間報告は、「社会保障制度の構造改革が進み、経済財政との整合性、社会保障制度の持続可能性は高まった」と、社会保障の「抑制路線」をほめたたえています。

「構造改革」そのものに
 小泉「改革」は「はじめに抑制ありき」で給付を減らし負担を増やす文字通り制度改悪の連続でした。

 年金では、保険料を毎年値上げして給付水準を引き下げる仕組みを導入したうえ、無責任な運営で発生させた「消えた年金」の解決は遅々として進んでいません。

 介護では「保険あって介護なし」の矛盾が広がり、医療は中間報告でさえ「医療崩壊」と表現するほど深刻です。とりわけ「後期高齢者医療制度」は、七十五歳という年齢で高齢者を別枠の制度に囲い込み、負担増と差別医療を強いる世界に例のない非人間的な仕組みです。

 政府も社会保障の惨状をある程度認めざるを得なくなっています。その責任が問われているにもかかわらず、中間報告は社会保障の問題は「構造改革」が「十分対応できなかった問題」「改革の過程で新たに生じた問題」と片付けました。改革が十分ではなかった、改革は良かったが問題が派生したというのは責任回避の言い逃れにほかなりません。

 国民のいのちと暮らしを守る社会保障を掘り崩してきたのは、小泉内閣以来の「構造改革」そのものです。加えて労働者派遣法の規制緩和が非正規雇用をまん延させ、「大企業・大資産家に減税、庶民・高齢者に増税」の逆立ちした税制が暮らしの困難に拍車をかけました。

 中間報告は今後の「基本方向」として、これまでの路線を引き継ぐと同時に、「『社会保障の機能強化』に重点を置いた改革を進めていくことが必要」だとのべています。

 “改革が足りなかった”“改革から派生した”と言い逃れる姿勢から出てくるのは、いっそうの「構造改革」とパッチワークのような部分的、一時的「修正」にすぎません。

 国民会議の座長を務めているのは小泉内閣で経済財政諮問会議のメンバーだった吉川洋・東大教授です。吉川座長は国民会議の医療・介護・福祉分科会で、公的保険の「範囲をどのようにするのか議論しなければいけない」と発言しています。同分科会の報告は、保険給付の範囲と公私の役割分担の検討、「軽い」治療を保険外にする「保険免責制」の議論を深めるとのべています。

 公的保険を制限し民間保険に委ねることは、貧富の格差が治療の格差に直結する、荒廃しきったアメリカ型の医療制度への道です。

行き過ぎた減税の是正
 こんな社会保障の改悪を盛り込みながら、国民に負担増を求められてはたまりません。

 福田康夫首相は消費税増税について「決断しないといけない」時期だと発言しました。どんなに貧困でも、毎日の生活費に課税する消費税は、弱者を社会的に支える社会保障の目的に反する福祉破壊税です。

 必要な財源は道路特定財源や軍事費のムダにメスを入れ、十年間で七兆円という大企業・大資産家への行き過ぎた減税を是正して生み出すべきです。必要なのは社会保障「抑制」路線を根本から転換し、逆立ちした税制を改めることです。

国民負担増を示唆
社会保障国民会議中間報告
「抑制」の大本変えず

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 政府の社会保障国民会議(座長・吉川洋東大大学院教授)は十九日、今後の社会保障制度のあり方についての中間報告をまとめ、福田康夫首相に提出しました。

 報告では、少子高齢化のなかで「社会保障制度は財政上の困難に直面する」ことなどを指摘。「速やかに負担についての国民合意を形成し、国・地方を通じた必要な財源確保を図るべきである」と提起しました。消費税など財源への直接的な言及はしていませんが、「給付の裏側には必ず負担がある」として、国民の「制度を支える責任」を強調。国民負担増をにじませました。

 会議に出席した福田首相は、「社会保障制度は国民の理解と納得のもと、みんなで支えあうことで初めて成り立つ」と述べ、野党を巻き込んだ議論をおこなう意図を示しました。

 報告では、「これまでの社会保障改革は、経済財政政策との整合性に重点」を置いた改革であったが、今後は「社会保障の機能強化」に重点を置く、と表明。「社会保障費抑制路線」に国民の批判が集まっていることを意識して、一定の「手直し」をする方向も示唆しました。しかし、社会保障費抑制の大本にある「年間二千二百億円の圧縮路線」からの転換を求める表現は一切ありませんでした。

 同会議は今年一月に設置されて、会議のもとに分科会をつくり(1)雇用・年金(2)医療・介護・福祉(3)少子化・仕事と生活の調和などの分野で、制度のあり方などについて議論してきました。五月には、基礎年金を「全額消費税方式」にした場合、消費税が最大18%になるとの試算を発表しました。秋にまとめる最終報告の議論のなかでは、医療・介護・福祉サービスの将来費用の推計をおこなうことにしています。

(出所:日本共産党HP 2008年6月20日(金)「しんぶん赤旗」)
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