未来を信じ、未来に生きる。

今に流されず、正論を認識し、社会貢献していく人生を切り拓くブログ道。

ソニーは偽装請負認め直接雇用を-労組に入って不当解雇だと知った/長崎で派遣青年21人立ち上がるー

2009-03-20 01:18:38 | 国内労働
ソニーは偽装請負認め直接雇用を
労組に入って知った
不当解雇だったんだ
派遣青年21人立ち上がる
長崎

--------------------------------------------------------------------------------

 ソニーセミコンダクタ九州(ソニー長崎・諫早市)で働き、一月末で派遣元のワールドインテック社(W社)を解雇された二十一人の労働者が解雇撤回・補償、直接雇用を求めてたたかいに立ち上がっています。いずれも二十代から三十代前半の青年です。長崎県労連傘下の県一般労組に加入し、ソニー長崎ワールドインテック分会を結成した彼らの思いは―。(組合員の名前は全員仮名)(長崎県・原口一二美)

--------------------------------------------------------------------------------

 「収入がなく、不安でたまらない。明日あさってのことも考えられない。子どもを幼稚園に行かせられなくなったら子どもに申し訳ない」と最初の会社との団体交渉の席で柳田真さん(29)は涙ながらに訴えました。

イブに突然…

 柳田さんには専業主婦の妻、五歳と二歳になる子どもがいます。解雇を告げられたのは昨年十二月二十四日、クリスマスイブです。突然の解雇通告に「なぜ、自分が」とあぜんとしました。ソニーで働き始めて約六年。「解雇されるとは最後まで思っていなかった」と悔しさをにじませます。

 団交後、「最後までがんばろう」と一人ひとりと握手していたのは佐久隆太さん(29)です。二〇〇〇年、「ソニーは安定しているから」と職業安定所を通じ、派遣会社のアクティスに準社員として入社。以来ソニーで機械のオペレーターとして八年二カ月働いてきました。この間、派遣元はアクティスからコラボレート、W社と変わりました。

 ソニーは昨年九月、老朽化などを理由に佐久さんたちが働くラインを閉鎖することをすでに発表していました。佐久さんは、W社の「次の仕事はあるから」との言葉に「全く心配していなかった」と話します。

 ソニーは、ライン閉鎖決定から徐々に人員を削減。残っていたのはソニーがスキル(技術)が高いと認めた労働者たちでした。W社は「クローズ(閉鎖)」を理由に、この労働者たちをライン丸ごと解雇したのです。

相談きっかけ

 これまで、言葉でしか知らなかった「労働組合」。一人の青年が県労連(長崎県労働組合総連合)に相談したのがきっかけでした。W社では青年たちは全員、期間の定めのない常用労働者(正社員)でした。県労連で初めて、この解雇が「整理解雇の四要件」((1)人員削減の必要性(2)解雇回避の努力(3)人選の合理性(4)労働者との説明協議義務)を満たさない不当解雇であることを知ったのです。

 「組合に入って不当解雇だと知り、ショックを受けました。これまで知識がなかった。泣き寝入りしたくありません」と話す柳田さん。もの静かな彼ですが「解雇される理由はない」とはっきり話します。

 全国労働組合総連合、県労連の支援を受け、柳田さんらは団交で、会社が「整理解雇の四要件」を満たしていないことを追及。会社は、希望退職を募らなかったことなど「四要件」を一部満たしていないことを認めつつも、「責任逃れ」に終始しました。

 W社が株主配当をこれまでどおり維持しながら解雇補償金を出そうとしないことに怒る佐久さん。「結婚し、子どもが生まれたばかりの人もいる。会社は何も思わないのでしょうか。人間として考えられない」と語り、「会社は『人は財産』と言ってきた。雇用を守らないのならそれはうそになる」と理不尽な態度を批判します。

労働局に申告

 分会は二月二十六日、長崎労働局に、ソニー長崎に対する直接雇用の勧告を求める申告をおこないました。ソニー長崎の業務請負は法律違反の偽装請負であり、実質的にはソニーから仕事の指示を受ける派遣労働だからです。工場ではソニー社員と一緒に働き、「社員から指示をもらって動いていた」と佐久さんは証言します。

 最長三年間の派遣労働の期間制限に違反しており、最も長い組合員は九年六カ月も働いています。

 「ソニーは偽装請負を認め、直接雇用せよ」。組合員が手書きの横断幕をかかげ、ソニーの門前に立ちました。分会長の丸岡雄樹さん(33)は、百人近くの支援者が駆けつけた分会の決起集会で、ソニーの不当性をきびしく告発しました。「ソニーは偽装請負で利益を上げてきた。それなのに犠牲になったのはわたしたちです」

主張
春闘大詰め
不況の打開に賃上げも雇用も

--------------------------------------------------------------------------------

 ことしの春闘は今週、自動車、電機などの大企業が相次いで回答を出す、最初のヤマ場を迎えています。

 貧困と雇用破壊が深刻化する中で、雇用確保とともに賃上げ(ベースアップ)要求を掲げる労働組合が増える一方、まだ余力のある大企業までが雇用破壊に加えて「賃下げ」もといいだすなど、きびしい状況となっています。

 不況打開のためには、大企業にためこんだ利益をはきださせ、賃上げも雇用の確保も認めさせていくことが重要です。

外需頼みから内需主導に

 日本の労働者は長年にわたって賃金が抑制され、増税や社会保障などの負担増で生活が圧迫されてきたうえ、「規制緩和」にともない派遣など非正規の労働者が急速に増えたことから、低賃金で不安定な働き方を余儀なくされています。一九九七年からの十年間を見ても、製造業の大企業の経常利益は八・二兆円増え、株主への配当は四・〇兆円増えているのに、従業員の給与は二・三兆円減っているというありさまです(財務省「法人企業統計」から)。

 しかも、昨年来の金融・経済危機で、労働者には賃金カットや残業減など大幅な収入減が押し付けられ、「非正規切り」などの雇用破壊が正社員にまで及んでいます。労働者の暮らしは急激に悪化しており、賃上げと雇用の確保は、いよいよ切実な要求です。

 日本経済の落ち込みは、アメリカや欧州諸国よりケタ違いに急速です。これは、小泉純一郎内閣以来の「構造改革」路線が国民の生活を悪化させ、内需を弱め外需に依存する、ゆがんだ経済構造をつよめてきたためです。また、雇用の悪化は、これまでの不況期に比べても急速で大幅です。大企業が景気のいいときには低賃金で不安定な「非正規」を増やして大もうけし、景気が悪くなると文字通り使い捨てのように解雇しているためです。暮らしを立て直し、外需頼みから内需主導の経済にしていくためにも、賃上げと雇用の確保は不可欠です。

 大企業はいま、「派遣切り」「非正規切り」などの無法な雇用破壊を押し付ける一方、「ベアに耐えられる企業はほとんどない」(御手洗冨士夫日本経団連会長)などといいだしていますが、大企業にはまだ、賃上げや雇用の確保にこたえる体力は十分あります。製造業の大企業だけでも、利益をためこんだ内部留保は、昨年三月期の決算で百二十兆円もありました。そのごく一部を使えば、労働者の賃上げも雇用の確保もできます。

 一部の大企業はベースアップどころか定期昇給の見直しまで口にしていますが、企業の「総額人件費」を増やすわけでもない定昇まで引き下げようというのは、言語道断な暴挙です。

大企業の社会的責任

 雇用を確保し、安心して暮らせるようにするのは、企業の大切な社会的責任です。まだまだ余力がある大企業がもうけをためこんだままで、労働者の賃金は引き上げず、雇用も減らすというのでは、企業としてその責任を果たしたことにはなりません。

 とりわけ不況のいまこそ、大企業に社会的責任を果たさせることが重要です。労働者と国民が力を合わせ、大企業に賃上げと雇用確保を求める大切な正念場です。

(出所:日本共産党HP 2009年3月17日(火)「しんぶん赤旗」)
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 暴走する資本主義――打開の展... | トップ | 「西松マネー」/「政治と金 ... »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (すまり)
2009-03-20 08:39:49
ソニーって、正社員削減も視野に入れていませんでしたっけ?

今直接雇用を求めても、結果上の対象になってしまうだけでは?
返信する

コメントを投稿

国内労働」カテゴリの最新記事