うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

ファイヤーウォール

2014年01月30日 | 日記
視聴環境:地上波放送、吹替

 なんで急に「ファイヤーウォール」?と思ったんですが、たぶん現在公開中の「エンダーのゲーム」関連ってことなんでしょうか?ハリソン・フォードつながりなら「スターウォーズ」か「インディ・ジョーンズ」やって欲しかった…。

 2006年公開のサスペンスアクション。
 しかし、しょーもなくて終始半笑い。

 ストーリーは、敵が銀行のセキュリティ責任者であるハリソン・フォードの家族を人質に取り、口座に顧客の金を振り込ませようとするが…という話なんですが、敵も味方も行き当たりばったりに行動した結果収拾が付かなくなるという話でしたね。

 そもそもがハリソンフォードがコンピュータセキュリティの専門家には見えないってのがあるんですが、犯人グループがまたひどくて、主犯の頭脳派コックス以外はなんだかチンピラみたいな手下を即席で雇ったっぽくて結束力がなかったり、ハリソン・フォードへの見せしめのために家族を痛めつけるかと思ったら手下の一人を自ら殺しちゃったり(家族をこんな風に殺されたくなかったら…ってえーっ!)、今度こそ見せしめか!?と思ったら、

 ピーナツアレルギーの子どもにピーナツ入りのビスケットを騙して食べさせて発作を起こさせるという

 回りくどいやり方でハリソンを追いつめる!(笑)
 その後も家族が人質にとられているのにずーーーーっとハリソンが抵抗し続けるために(それでも作中1回奥さんを殴るくらいしかしないのがある意味紳士的)最終的に手下の一人は人質を逃がそうとする始末。
 あと後半飼い犬の首輪についているGPS信号で居場所がわかるというシーンがあるんですが、なんで人質をアジトに連れて行くのに人質の飼い犬連れてくの?とか思うところはいろいろあります。

 一応犯人コックスは計算づくということにはなっているんですが、残念なことにまさかハリソン・フォードがこれほどまでに傍若無人だとは思わなかったのが誤算でしょう。ハリソンも”妻の浮気相手を殺して金を盗んで消えた”ことにされそうになっているんですが家族以外全員死んじゃったので、どうやって身の潔白を証明するのか、という気もします(「無理やり言わされていた」という奥さんの証言以外、すべての証拠はハリソン犯人のために用意されているし)。

 ということで、
 見れば見るほどムチャクチャな展開に失笑するばかりです。
 いやハリソン・フォードっていう人は割と仕事を選ばない人で、映画も全然見ないらしいのでしかたないかって気もしますが。
 2006年製なのに90年代みたいなざっくりしたアクション映画でそれはそれで楽しめる…ような気もします。


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ドリフト

2014年01月27日 | 日記
視聴環境:DVD、字幕


 2000年公開のアクション映画。

 漫画家・黒田硫黄の映画批評本の記事を読んで観たくなってレンタルしてきたんですが…観初めて10分…


 これ、一回観たな。


 …しかも、やっぱり数年前、同じ本の同じ記事を読んで観たんだった、たしか。
 恐るべし黒田硫黄。二度も同じ映画を観たくさせてしまうとは。

 ということで、こういうのを香港ノワールっていうんだろうか?ツイ・ハーク作品は全然観ていないんですが、本作は楽しめました。


 主人公はバーで働く優男タイラー(前髪うっとうしい)で、飲んで女の客と一夜をと共にしたらそれが実は警官で、しかも9ヵ月後再会したら妊娠していた…(泣)で、罪悪感にさいなまれたタイラーは子どものためにも金を稼ごうと無認可の護衛組織で働き出す。
 一方、工場で地味に働くファンは奥さんが妊娠中だけど、奥さんの父親(金持ち)には全然認められていない。しかも実は彼は元傭兵で、組織から義父の暗殺を強要されているのだった…
 そんな二人がひょんなことから出会い…

 前半、タイラーが活躍するのかと思ったら、実は脇役だと思ってたファンの方がすごい人で後半活躍するというトリッキーな展開!
 うーん、面白い(2度目だけど)
 かっこよすぎるだろ、ファンよ。
 まさに都市戦闘のプロ。ニンジャって呼んでも差し支えない身のこなし。
 

 ということで、
 アクション映画としてはかなり楽しめる作品。特に男はファンのテクニシャンぶりに濡れますよ!女性は「アジョシ」の方がオススメなんですが、本作もオススメです!


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ゆきゆきて神軍

2014年01月27日 | 日記
視聴環境:DVD

 87年公開の日本のドキュメンタリー映画。

 天皇にパチンコ発射したりして前科3犯の奥崎謙三が、終戦直後に起こった銃殺事件の真相を探るべくかつての上官のもとに取材していくうち、その裏にある”究極のタブー”に触れることになるのですが・・・。


 ある意味、この作品が今現在も普通にレンタルできるってこと自体が奇跡です。10代の頃このビデオを観て衝撃を受けました。久しぶりに見直したのですがやっぱり重い内容。
 話はただ奥崎謙三が上官たちの下を訪れて話を聞くというだけなんですが、内容がすごくヘビーなのとキャラが濃いのとでまったく飽きません(122分)。
 終戦が発表されあとは帰国するだけとなった日、ある兵士が銃殺されるという事件があった。戦争は終わったのになぜ銃殺されなければならならかったのか?そしてあの裏にある誰もが口をつぐむある”タブー”とはなんなのか。


 けっして表だったメディアでは語られない、言わば”戦争の真実”というものが語られるのですが、重すぎてうーん…となります。
 この映画の時点でもすでに終戦から30年以上経って、孫もいて平和に余生を過ごしていたおじいさんたちをそっとしておかない、というところに奥崎の狂気を感じるんですが、やっぱり穏やかにしていても戦争に行った人ってのはどこか違うんだなぁと感じます。


 ということで、
 かつて日本も戦争していたこと、そこがどんな異常な状況であったのか人間をどう変えるのかを実感できる作品。単に言葉だけで「戦争反対」と唱えるだけでないものが映画にあります。オススメ。


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リセット

2014年01月26日 | 日記
視聴環境:地上波放送、字幕

 テレビでやっていたのでなんとなく視ました。

 ウクライナからアメリカにやっていた母子、ミラ・ジョボヴィッチと息子のボビー。愛する息子との生活のためにミラは万引き・窃盗などを繰り返し生活。そんなある日ミラは逮捕され、ボビーはその間、縁のあった金持ち夫婦(ビル・ブルマン)に引き取られるのですが…。


 監督は「X-MEN」でジーン・グレイを演じたファムケ・ヤンセン!初監督作品ですが、劇場未公開作でなぜかwikiのミラ・ジョボヴィッチの出演作欄に乗っていないと言う不遇の作品。

 SFアクションとかが多いミラには珍しくまっとうな映画で演技派も目指そうという感じなんでしょうか。
 生きるためにはなんでもありで、違法なこともやむをえないという主人公のミラが”ボビーに誇れる母親になる”という目標のために人生をやり直す(リセットする)までのお話。どうしても弱い人間を体当たりで演じてましたね~。
 ちなみに原題は「Bringing up Bobby」。
 ブリングアップは「しつける」とか「教育する」という意味があるらしいので、母親であるミラ自身が正しい人間に変わることによって息子をしつける、良いお手本となる。という意味合いなんでしょうか。


 はっきりいえば、特に目を引くようなところもなく、劇場未公開もいたしかたないという感じの作品だったのですが、こういう作品こそテレビの深夜放送とかでもない限り見る機会がないので見られてよかったです。


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2014年01月23日 | 日記
視聴環境:DVD、字幕

…なにがなんだかさっぱりわからない…惨敗(^_^;)


追記:

さて、本作は「エクソシスト」の原作者の監督作」(原作・脚本も)。
 この人がメガホンを取ったのはこのほかには「エクソシスト3」だけなんですが、実は「エクソシスト3」大好きなんですよ~!
 やっぱりこの2作は独特な不思議感がありますね。
 昔から何かの映画の本でたまたま見かけた写真に衝撃を受けて観たいと思ってたんですが、やっと観ることができました。


 アップした画像を見る限りは変なSF映画みたいですが、実際はぶっ飛んだカットはこの二つくらいしかなく、ストーリーは軍が保有する療養施設である古城で起こる心理的サスペンスです。

 ストーリーはなんとなくわかるんですが、けっこう抑揚がなく進むので、しかも感情移入すべき主人公の精神状態も不安定だったりして観ていてハラハラします。

 ということで、
 個人的には「エクソシスト3」の方が面白かったかな。変さではどっちもどっちという感じではあるんですが。


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悪魔のいけにえ

2014年01月20日 | 日記
視聴環境:DVD、字幕

 いわずとしれたスプラッターホラーの金字塔。トビー・フーバー監督の1974年の作品。

 おそらくちゃんと観るのははじめて。
 さすがに40年も前の作品だし、その後スプラッターホラーブームによってこのジャンルは進化し続けたので、その始祖とも言える本作は今観るとシンプルに見えます。

 この手の作品のセオリーはすべてこの作品が決定付けていると言っていいですが、ところどころコミカルだったりしてこのところのグロ系映画に比べればまだ観られる方だと思います。もちろん当時はこのような過激な内容(ただ主人公がなんの因果もなく頭のイカれた一家に惨殺される)は衝撃だったとは思いますが。


 ということで、
 余計なシーンがなくてシンプル。テンポもあるし色彩も実はけっこうキレイだったりでさすがは名作という感じでした。満足。


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ミミック

2014年01月20日 | 日記
視聴環境:ブルーレイ、字幕

 好き好き好っき~!!
 ということで、この手のモンスター映画の中でも好きな作品。久しぶりに見直しました。


 ゴキブリを媒介にした疫病のため、NYでは多くの子どもが死亡。対策のために遺伝子操作で作り出した昆虫をゴキブリの天敵として放つことでゴキブリは死滅し無事感染は収まった。
 数年後、NYの地下ではロングコートの殺人鬼の噂が流れている。
 しかし実はその昆虫(繁殖できないように作られていた)が突然変異で繁殖、人間大の大きさ、そして”人間の姿に擬態する”モンスターに進化を遂げていたのだった…


 監督は去年「パシフィック・リム」を公開したデル・トロの映画。クリチャー造形に関しては前々から定評があります。

 まず主演の昆虫学者役がミラ・ソルヴィーノというのが説得力薄くていいですね。ホラー映画と言えば美女が酷い目に遭うというのが定番ですしね(と言いつつも実はミラはハーバード大卒)。
 あとこの作品は97年の映画ですが、この当時はオープニング映像が凝っているのも特徴で、本作も「セブン」を手がけたカイル・クーパー作。虫の標本と子どもの写真を加工したカッコイイオープニングです。

 虫つながりで「スターシップトゥルーパーズ」も実は同年公開の作品なんですが、本作では大盤振る舞いせずに人間に擬態した虫の全身が姿を現すのが54分頃とけっこう遅め。そのへんもデル・トロが派手さ重視ではなくてじっくり物語を演出しているところです。ソダーバーグが脚本に入っているせいもあるかもしれませんが、ストーリーはサスペンス映画寄りで見ごたえあります。


 ということで、
 モンスター映画、中篇ながらもかなり見ごたえがあって楽しめる作品。もちろん虫嫌いな人は絶対観られない感じですが、けっこうオススメです。


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スラムダンス

2014年01月19日 | 日記
視聴環境:VHS、字幕

 87年のサスペンス映画。
 映画秘宝の別冊「カルト映画100」に載っていた作品で、観たいと思っていたんですが、DVD化されていない上にアマゾンなどでは中古VHSもプレミアが付いているので長らく観られずにいました。今回はオークションでレンタル落ちのものを安く購入し観賞。


 話は主人公がたまたまクラブで出会った素性の知れない女の死を巡る陰謀に巻き込まれるという不条理っぽいサスペンス映画。


 正直、さっぱり話がわからない。
 この手の不条理な巻き込まれ型で、ストーリーが分かりにくい映画ってのはカルト映画になりがちではあります(特にレンタルビデオ以前は)。
 まぁ話はよくわかりませんが、本作のキーとなる謎の女ヨランダ役のヴァージニア・マドセンが美しすぎます。今でも女優現役で「ナンバー23」のジム・キャリーの奥さん役とかしてましたね~。
 ということで、精神的に余裕のあるときにまた見直してみたいと思います。


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ジャッジ!

2014年01月19日 | 日記
視聴環境:映画館

 妻夫木聡、北川景子共演のコメディ映画「ジャッジ!」を観てきました。

 最初この映画は「どうせ『謝罪の王様』的なノリの映画だろう」と思っていて観に行く予定はありませんでした。しかも今回の舞台はCM業界なので業界ノリみたいな映画はちょっとなぁと思っていたのですが(実際、エンドロールにはゾッとするほどの企業ロゴが並ぶ)、最近ネットで面白かったと言う感想をちょくちょく目にしたので気が変わって観に行ってみたのでした。


 で、単直に言えば(単刀直入の略。いま考えた)、思いのほか面白かったです!
 公開から一週間、けっこう人も入っていたし見ていてクスっとするシーンもいくつかあったし。

 主人公の妻夫木はCM会社の下っ端で雑用係のような感じ。
 上司の売れっ子プランナートヨエツが審査員を務めるサンタモニカの国際広告祭でしがらみから酷いCMに賞を取らせなくてはならなくなり、身代わりとして妻夫木を送り込むことにする。
 英語すらままならない妻夫木は説得されついていくことになった同僚の北川景子(仕事ができる)とサンタモニカに赴くのですが…


 と言う内容。
 豪華キャスト、フジテレビ、電通、業界ネタと来れば、映画好きには暗雲立ち込める組み合わせですが、監督と脚本がもともとCM業界の人であるところが原因なのか、なかなか実直な出来で楽しい映画でした。
 まずいいのが、キャストがストレートってとこでしょうか。
 妻夫木聡は「スマグラー」のように頼りなげでナヨナヨしていて…というキャラだし、北川景子は「謎ときはディナーのあとで」みたいにツンデレで勝気な女、リリー・フランキーもトヨエツも鈴木京香もこの映画に出てくる俳優はみんな極端に言ってしまえばタイプキャストでもともとのイメージどおりのキャスティングなのが逆にストレスを感じずに良かったと言えます(チョイ役の竹中直人だけいつもより抑え気味の演技なのも逆に良かった笑)。

 あとは舞台がサンタモニカに移り、広告祭の票を巡る水面下での駆け引き、それに素直に評価を下そうとする妻夫木というキャラがどう絡んでくるか、という話になってくるのですが、これも悪役は悪役、いいもんはいいもん、という風に分かりやすくて観ていて深く考えずに済むのがいいです。あとは妻夫木の人柄が協力者を増やしていく、とか仕事はできるがツンデレの北川景子が文句を言いながらも妻夫木を助ける様とかを満喫できます。あと荒川良々もいるし。


 しかし、腑に落ちないところもないではなく、
 たとえば予選では数人ごとのグループに分かれて合否を審査するんですが、自分たちのCMを自分たちで審査するので、当然自分のCMが流れたら「子どもが病気で…賞が取れれば…」とか同情票を狙う駆け引きが起こります(自分のCMを応援することは失格になるのでNG)。こういうのって普通は自分のCMは他のグループが審査するもんなんじゃないかなぁと思うんですがどうなんでしょう。
 次に伏線がいくつか放ったらかしになっているというところ。妻夫木が賞を取らせなくてはならないという設定の”酷いCM(ちくわのCM)”を作ったのは田舎の成金社長とその息子(息子がCMの監督)なんですが、それがでんでんとハマケン。二人は大口のスポンサーであることをエサにトヨエツに賞を取らせるよう言ってくる…という設定で、早々と授賞式に行く準備を始める…ということになっているんですが、そのシーン以降出てこない。個人的に二人が面白すぎて見たいと思ったこともありますが、結果でんでんとハマケンがどうしているのかの後フォローがないのが残念。前半を引っ張るきつねうどんのCMもそのまんま(予選落ちしてたのか…)。あ、田舎の元カノ(伊藤歩)もそのまんまだしね。
 一番気になる点は、
 人を幸せにするようなCMプランナーになりたいという妻夫木ですが、結局作中1本も自分で作ったCMが出てこない。妻夫木がなにかを企画するシーンがないってことでしょうかね~。作戦のすべてはリリー・フランキーに教わったものだったり、北川景子が立案したものだったりだし。妻夫木がバカ正直に人の言うことに従った結果、周りが協力してあげてうまくいった、という内容なのが残念。余韻を残さず終わるのも潔いんですが、これはエピローグとしてちょっとは自分のやりたいCMを作れるようになった、とか元カノが妻夫木の作ったCMを見て笑うカットとかそういうのを入れるべきだったんじゃないかなぁと思います。一応ラストはシャレが効いてはいるんですけどね。


 ということで、
 深く考えずとも楽しめる作品。主人公は善人だし、分かりやすい勧善懲悪、ハッピーエンドなのでデートムービーとして評価が高い作品。
 改めて考えると伏線放置の件はあるんですが、まぁいいかという気もします。思いのほか楽しめたので割とオススメです。

エンダーのゲーム

2014年01月19日 | 日記
視聴環境:映画館、吹替

 ネビュラ賞ヒューゴー賞を受賞した同名SF小説の傑作を映画化!
 映像を満喫したかったので吹替で観てきました。特に違和感はなかったかな。


 これって、ナニーポッター!?


 過去2度の異星人からの攻撃を辛くも撃退した人類は、3度目の攻撃に備え戦略に天才的な資質を持った子どもに英才教育を行っています。
 エンダーはその中でも秀でた才能を見出され、また実際スクールの中でも頭角をあらわしていくのでした。彼は異例の速さで昇進を遂げ、やがて全軍を率いる指揮官としての最後の模擬シミュレーションに臨むのですが…。


 思ったよりも盛り上がらなかった、というのが正直な感想。

 ネットで原作のあらすじを読んだ感じでは、この作品とは戦略の天才的才能がある主人公が、スクール内でいかに成り上がっていくかといういわば「課長島耕作」的部分がメインで、タイトルの「エンダーのゲーム」とはつまりスクール内で才能のある人材を見出し、味方に付け、敵を排除し自らの地位を上げる、というゲームにほかなりません。
 そこがこの作品の面白いところなはずなんですが、映画は逆に「エンダーはこの異星間戦争にどう決着をつけるのか?」ということに比重が置かれています(映画としては当然ですが)。
 114分というのはいかにもこういう作品には不向きなので、それだったらテレビドラマとしてじっくり1シーズン掛けてエンダーの”島耕作”っぷりを描いた方が良かったかなぁという気がします。

 けっきょく2時間でとんとん拍子に昇進していくエンダーの非凡な才能がイマイチ演出的に説得力がないんですよね。
 ここからネタバレするのでこれから観る人は読まないで欲しいんですが、

 ラスト、敵に致命的な攻撃を加えるために多大な犠牲を強いる作戦を決行するエンダー、しかし実はそれはシミュレーションではなく”実戦だった”。というシークエンス。
 しかし結局最終試験なので、「試験だからやったが実戦ではやらない」みたいな言い訳は通用しないだろう、と見ていて思う。それだったらスクールでの友人たちの命を犠牲にしていた、という設定にでもした方がより悲壮感があったと思います(仲間たちは全員エンダーのそばにいて無事、艦隊には人が乗っていたらしいのですがそれを映したカットがないのであんまり酷い戦略を強いたという実感がない)。


 ということで、
 おそらく映画的な戦略としては「ハンガーゲーム」のようにいくつかに分割して公開するかテレビドラマ化する方が面白さが引き立ったなぁという感じ。2時間の映画にするにはエンダーの才能の演出もラストの衝撃も薄かった印象です。
 個人的には最後の一個前のシミュレーション戦闘が良かったのであの感じをもっと見たかったという気がします(最後の戦闘はけっこうあっさりだったので)。


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