うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

ボクたちの交換日記

2013年02月28日 | 日記
 GyaOのオンライン視聴に当たったので早速観てみましたよ!


 鈴木おさむの原作「芸人交換日記」をウンナンの内村光良が監督・脚本した作品。
 売れない芸人コンビ「房総スイマーズ」伊藤淳史と小出恵介が絆を深めるために交換日記を始める。そのことによって普段は面と向かって言えないようなことが書けるようになってくるのですが…


 というような内容。
 いきなりチラシなどで「交換日記をしなければ、解散しなかったかもしれない」とか書いちゃうのはネタバレでは?と思う。

 ストーリーは「漫才ギャング」のコインの裏表のような感じで、才能ある相方を見つけた主人公があれよあれよという間に売れていくという「漫才ギャング」とは逆にいつまでたっても芽が出ないコンビを描いています。
 しかしこれって監督がウッチャンじゃない方が良かったんじゃないかなぁと思うんですよね~。
 というのも監督が”売れない芸人”とか”芸人ならではの苦悩”みたいなものに温かい目を持ちすぎるような気がする。
 なので(実際に苦労した経験をもつであろう)芸人が見ると「あるある」であって泣ける話なのかもしれないんですが、まったく芸人ではない人が見るとどうも感情移入しきれない「ありがちな泣ける話」止まりのように感じでしまいます。

 と、
 タダで見せてもらってるのに叩くのは気がひけますが、このコンビを観ているとこの部分はあの芸人がモデルかな?とかこの展開はあの人かな?とかいろいろ想像できて楽しいです。
 ラストの展開はまぁ予想がつきがちではありますが、観に行こうかと思っていた映画だったので満足の内容でよかったです


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ゼロ・ダーク・サーティ

2013年02月28日 | 日記
 今年の本命と目されながら残念ながらアカデミー賞は逃してしまった「ゼロ・ダーク・サーティ」観てきました!
 しかし、アカデミー賞はいろいろあるしね…
 なにしろ本作はCIAが拷問しているような描写もあるし。対する「アルゴ」はCIAの活躍を描いているし、それにハリウッドが貢献しているっていう映画でもあるので”アカデミー賞受け”がいい(アカデミー賞は、映画業界の会員による投票制なので映画業界を持ち上げるような映画は賞を取りやすいと言われている)。
 しかも作品賞のプレゼンターがオバマ夫人という、あからさまというかいかにも政府推奨映画ですよ的なのもあったりで。


 で、結局オスカーを取れなかった「ゼロ~」ですが、実際観てみるとこれはアカデミー賞向きでは確かにないなぁという映画でありました。
 映画というよりは実際の出来事を脚色した”再現ドラマ”という感じ。
 なので淡々としているし娯楽性も薄い。
 けど面白いのはウサマ・ビン・ラディンの隠れ家を急襲するためのヘリがエリア51(宇宙人を幽閉していると評判の非公式基地)で開発されているステルスヘリだったり、ウサマの隠れ家を特定したのにもかかわらず一向に政府からGOサインが出ないのに業を煮やして主人公が上司のオフィスのガラスにマジックで数字(待たされて今日○○日目!!)書いて嫌がらせとか。ところどころ映画的に面白いシーンもあります。


 ということで、
 もはやなりふり構ってられないCIAが執念でウサマを追い詰めるというテロ戦争を描いた作品。さすが「ダイハード」のように首謀者のとこに単身乗り込んで…みたいなノリでは当然なく、現実は知能を最大限に使って隠れ家を特定、そして実行は特殊部隊で当然主人公はその場に参加なんかしない(銃殺された遺体がウサマか基地で確認してたけど)。
 面白かったですが、娯楽作じゃないので観た後「面白かったね~」というような映画ではありません。いまアメリカが何と戦っているのか?ということを考えさせられる映画でした。



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スカパー:ゆうばり映画祭サテライト放映その④

2013年02月28日 | 日記
 第4弾。


 「アンダーウェア・アフェア」30分
 岨手由貴子監督。
 別居中の主人公とその少女時代の2つのエピソードが交錯する作品。
 綾野剛っていう俳優が出演しているんですが、この人怖いのよね。主人公と二人っきりで会話しているってだけで「主人公、殺されるんじゃないか」ってハラハラしました。
 全体にはこの「いろんな説明されなさ」がいかにも女性が監督した作品だなぁという感じがしました。鈍感な男なんでイマイチよくわからず。けど雰囲気はよかったです。


 「冬のアルパカ」29分
 アルパカ牧場を営んでいる主人公。冬は人も来ず、借金だけがかさんでいくが…という話。
 なんともパンチの効いた主人公か!
 仁後亜由美。おそろしい子!
 アカぬけてない渡辺直美みたいな感じでしょうか。可愛いアルパカと可愛くない主人公。なかなか面白い作品でした。


 「GOGOまりこ」20分
 また前野朋哉監督作品!
 けど好きだわ~(´∀`)相変わらずの中二っぷり(高二の設定ですが)。
 田舎に嫌気が差している女子高生の夏休みを描いたドラマ。
 スイカ一人一個に笑った。

スカパー:ゆうばり映画祭サテライト放映その③

2013年02月27日 | 日記
 上映時間の短いものから観ていっているので少しずつ長くなっていく。まったく内容を知らずに長いものを観るのはけっこう勇気がいるね。
 ということで第3弾。


 「サシャ・ザ・ベアー」12分
 アンリ・デゾネという方が監督。
 森の中の丸太小屋に少女が住んでいる。そこにクマが。少女はクマを招き入れ楽しく遊ぶが、そこに猟師が・・・

 クマは着ぐるみ(笑)なんのためらいもなくクマを遊ぶ少女とか、その後の展開とかよくわからないところの多い作品でした。寓話的というか初期の童話のようなというか。残虐性、魔術的、寓話的、性的とさまざまな要素が短い話の中に込められています。ただもうちょっとわかりやすくてもよかったかなぁと思います。


 「燃える仏像人間」80分
 宇治茶監督作品。
 イチから十まで気持ちの悪いアニメ。紙人形を動かす紙芝居のような仕組みのアニメーション。寺の娘が仏像を盗む組織とその裏にある陰謀に巻き込まれるというような内容ですが、とにかくキモい。
 漫☆画太郎的というか、伊藤潤二的というか。そういうのが好きな人にはオススメ。あと諸星大二郎的でもあります。


 「雑音」20分
 上原三由樹監督。
 高校生の少女が付き合っている彼との子を妊娠してしまい。中絶の決断をする。それによって彼女は深く傷つくが。という内容。
 興味深いのはこのカップルがあの「筋肉痛少女」と同じ俳優さんだということ。もちろん監督も同じ。一方でギャグっぽい青春ドラマを、もう一方でこういう生々しい出来事を(同じ俳優を使って)描くってのは面白いですね。
 こういうのを見ると所詮男ってのはなんにもできないもんなんだなぁって思いますね。無力感。


 「口腔盗聴器」27分
 また上原三由樹監督か!∑( ̄[] ̄;)!
 今度はまったく作風が違い、歯科医が歯の詰め物に小型盗聴器を仕掛けるという現代版人間椅子のような作品。
 ただ盗聴器を仕掛けられる女子高生が恐怖を感じるというような内容じゃないのが巧いですね。

スカパー:ゆうばり映画祭サテライト放映その②

2013年02月25日 | 日記
 次は「バナナVSピーチまつり」。
 女性の作家だけでやっていたオムニバス上映会”ピーチまつり”にアンチとして登場した”バナナまつり”が奇跡のジョイン!


 「煩悩力」25分
 また小林でび!
 イケメンホストが立ち寄った客の家には全国指名手配の女が…という話。主演の奥野瑛太、かっこいいな。もっと人気が出てもいいのになって思います。やっぱり変な設定の話で好きだわ~でび。

 対するは

 「色即是空」25分
 こちらは天野千尋監督。
 つまらない日常にもんもんとする母と息子にそれぞれ変化が訪れようとするが…という話でその母と息子役は「煩悩力」と同じキャスト。同じ俳優を使っていてもこれだけ違う作品が作れるんだなぁと興味深い内容ですね。


 そして前述した「1万円マン」と対決したのが

 「フィガロの告白」
 こちらも天野千尋。
 中学生男子4人がその場のノリで好きな女の子に告白しようとする短編。
 この感じわかるわ~。しかしこのノリでやっちゃう感じが悪い方向に向かうといじめとか殺人とかに向かうんだろうなぁと思いちょっと怖い。
 オチもちゃんとしてて楽しめました。

スカパー:ゆうばり映画祭サテライト上映その①

2013年02月25日 | 日記
 正確には「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2013」

 2月21日から25日、本日まで北海道夕張市で開催されている映画祭ですが、協賛しているスカパーでは短編の数々をBSスカパーでも同時に放映する企画がありました。
 ゆうばり映画祭は行きたいんですが、今年は行けなかったのでスカパーで我慢(このチャンネルは無料放送)。
 それにこの手の短編ってDVD化しないものも多いので、こういう機会に観ておかないと一生目に触れないこともありますからね。

 ということで、
 とりあえず膨大に録り貯めた作品からその①は4作品。


 「1万円マン」50分
 小林でび監督の作品。小林でびのファンなので一番先に鑑賞しました。
 泥酔した男が目覚めると体に自販機のお金の挿入口みたいなものができていた…という「バカ版『鉄男』」みたいなノリの作品。
 相変わらず妙なノリの作品で好きです。


 「筋肉痛少女」18分
 監督は前野朋哉…!!ああ!!また「脚の生えたおたまじゃくし」の監督か!この人の作品好きなんだな、俺。
 酷い筋肉痛になった女子高生の登校、というそれだけのシチュエーションなんですが楽しく観られました。すごいな。才能を感じます。そしてその前にゾンビものの映画を観ていたので、筋肉痛の少女がゾンビっぽく見えたのも楽しい。


 「ハッピーバースデー・ミスターゾンビ」7分
 ダヴィッド・ルクレルク監督。
 「ゾンビの世界の誕生日会」というシチュエーションのコメディ短編。
 短い作品なのによく作りこんであって楽しめました。最後もちょっと切なくて(笑)良かった。


 「ネコヤドのハルとアキ」15分
 近藤勇一監督。
 この人ってプロの監督なんだろうか?って思います。
 詳しくないので実はすごい手法なのかもしれませんが、なんだかカメラのピントがふらふらしていたり、女優の演技がオーバーだったりと”素人くさい”感じ。意識的にやっているのか単に下手なのか。
 印象は「岩井俊二に影響された学生の自主映画」という感じでしょうかね。



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前野朋哉監督の映画↓「桐島、部活辞めたってよ」で神木くんの友人役でも出ていましたね。
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ALWAYS 三丁目の夕日 ’64

2013年02月20日 | 日記
 2012年の映画。
 テレビで放映していたので観ましたよ。

 今回は東京オリンピック開催の年の東京が舞台。

 今回は淳之介のエピソードと六子(堀北真希)のエピソードが主軸になっていましたね。
 この二人のエピソードが完結してしまうとシリーズも一応の終わりってことなんでしょうか。東京もオリンピックが終わってからは公害問題が起こったりボチボチ良くない面も出てくる頃だろうし。


 この手の人情話はそれほど興味がないので映画館にまでは観に行きませんが、テレビでやってたらつい観てしまいますね~。なんだかんだで全部観てるし。

 このままバブル期とかまで行っちゃったらそれはそれで楽しいんですが、続編はどうなるのかちょっと興味があります。



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ジャッジ・ドレッド(2013)

2013年02月20日 | 日記
 95年のスタローン主演の「ジャッジ・ドレッド」のリブート作品。
 リブートっていうか「パニッシャー」と同じで、以前ハリウッドスター主演で作られた娯楽作をより原作に忠実に作り直そうという企画の一つ。原作では絶対ヘルメットを取らない設定のドレッドがスタさん主演だったので途中から顔面見せまくりだったしね。


 今回は有名な俳優もあんまり出てないし、話もコンパクトなので派手なバイオレンスアクションとして楽しめましたよ。
 スタローン版では世界観も含めて壮大なストーリーになっていましたが、今回はジャッジ・ドレッドと新人のカサンドラがちょっと大きめな事件に遭遇するって話で小ぶりなのがよかったです。

 あとヒロイン役のオリヴィア・サールビーが可愛くてよかったですね。研修中の新人ジャッジという設定も合ってたし。ネットで素の画像を見てみるとちょっとサカナ系というかドリカムの吉田美和っぽい感じなんですが、映画ではそうは感じなかった。
 あと作中出てくる服用すると時間感覚が極端にスローに見えてくるというドラッグ”スローモー”の表現もキレイでよかったです。

 これくらいの規模の作品なら続編が作っても楽しいんじゃないかなって思いました。そしてオリヴィア・サールビーの今後の活躍に期待。


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ネイビーシールズ

2013年02月20日 | 日記
 米海軍の特殊部隊ネイビーシールズの活躍を、モノホンの軍人さん、実際の戦術や装備で描く映画(ストーリーはフィクション)。


 多少硬いかなというのはあるものの、事前に聞かされていないとプロの俳優じゃなくて本物の軍人さんだって気づかないくらい様になってましたね~。さすがにストーリーは作戦がメインで人間ドラマみたいのはほぼなかったですが。


 あと”リアルな戦争映像”を演出するのに戦争映画やFPSゲームのフォーマットを逆利用するという本作のスタイルもまた興味深いです。
 あ、よく考えたらこれは厳密に言えば”戦争映画”じゃなくて”対テロ戦映画”ですね。

 ともあれ、
 ミリタリーファンには実践で使われる兵器や戦術が見られて楽しいでしょうし、知らない俺みたいな人間でも強力な武器が火を噴く様というのは理屈抜きに爽快感があります。そりゃあ味方も目ン玉飛び出しての大ハッスルですわ。
 ネイビーシールズPR映画との揶揄もありますが、個人的には観て「スターシップトゥルーパーズ」を思い出しました。


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アナザー Another

2013年02月19日 | 日記
 綾辻行人原作のホラー映画。

 主人公が転校してきた3年3組には秘密がある。
 ”現象”と呼ばれるそれ。クラスに”死者”が紛れ込みクラスメイトとその家族などに死をもたらすため、一人が生贄となり”いない者”として一年間を過ごす(つまり一人いないことにされることにより、紛れ込んだ”余分な”死者の人数とつじつまを合わせるということらしい)。
 しかし主人公は”いない者”である橋本愛と接触してしまったために”現象”が起こり始め、打開策として主人公もまた第2の”いない者”にされてしまう。
 こうして主人公と橋本愛は”現象”の解決に向き合うことになるのですが…


 レイティングはPG12
 けどターゲット層って中高生なんじゃないかなぁって思います。
 作品はやけに几帳面に設定された”現象”に振り回される主人公とそのクラスの物語で、設定を人里離れた小さな村の奇妙な風習ってのにしても面白いかなぁって思いました。
 現象に関するルールが「タブラの狼」みたいなカードゲームっぽくもあり、「デスノート」のハウトゥや「リング」のルールのようでもあり現代的な感じ。 
 原作はけっこう面白いんだろうなぁって思うんですが、映画はホラーとして売り出している割には怖いシーンはないし、死に方が多少グロいってだけ。
 そもそも”いない者”である橋本愛は1年間無視される存在ですが、主人公が接触し始めたときはまるで主人公にしか見えない幽霊のような演出なのがちょっといまひとつな演出。ここは悪質ないじめのように存在が無視されているからこそ主人公は周りの静止を振り切ってでも接触するというのが必然性だとおもうんだけどなぁ。

 橋本愛は相変わらず眼帯に両目の色が違うなど綾波レイ的キャラで安定の存在感でしたね。なんだかこんな役ばっかりですが。主人公も”いない者”になったことによって安心して話せるようになってからは、明るいところも出てきて観ていてこっちも安心できました。このギャップはいいところでしたね。
 しかし、ハンス・ベルメールっぽい球体間接の人形抱えて眼帯の暗い女の子が病院うろついてたらそりゃあ幽霊だと思うわ

 ということで、
 ホラー映画ではなく、怪奇現象を小道具にしたミステリー映画という感じ。しかも演出がちょっといまひとつなので、ぜひ初見は映画じゃなく小説でいきたいところですね。俺も図書館から小説を借りてきて読みたいと思います。”現象”の設定自体はすごく好み!


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