うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

スラムダンス

2014年01月19日 | 日記
視聴環境:VHS、字幕

 87年のサスペンス映画。
 映画秘宝の別冊「カルト映画100」に載っていた作品で、観たいと思っていたんですが、DVD化されていない上にアマゾンなどでは中古VHSもプレミアが付いているので長らく観られずにいました。今回はオークションでレンタル落ちのものを安く購入し観賞。


 話は主人公がたまたまクラブで出会った素性の知れない女の死を巡る陰謀に巻き込まれるという不条理っぽいサスペンス映画。


 正直、さっぱり話がわからない。
 この手の不条理な巻き込まれ型で、ストーリーが分かりにくい映画ってのはカルト映画になりがちではあります(特にレンタルビデオ以前は)。
 まぁ話はよくわかりませんが、本作のキーとなる謎の女ヨランダ役のヴァージニア・マドセンが美しすぎます。今でも女優現役で「ナンバー23」のジム・キャリーの奥さん役とかしてましたね~。
 ということで、精神的に余裕のあるときにまた見直してみたいと思います。


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ジャッジ!

2014年01月19日 | 日記
視聴環境:映画館

 妻夫木聡、北川景子共演のコメディ映画「ジャッジ!」を観てきました。

 最初この映画は「どうせ『謝罪の王様』的なノリの映画だろう」と思っていて観に行く予定はありませんでした。しかも今回の舞台はCM業界なので業界ノリみたいな映画はちょっとなぁと思っていたのですが(実際、エンドロールにはゾッとするほどの企業ロゴが並ぶ)、最近ネットで面白かったと言う感想をちょくちょく目にしたので気が変わって観に行ってみたのでした。


 で、単直に言えば(単刀直入の略。いま考えた)、思いのほか面白かったです!
 公開から一週間、けっこう人も入っていたし見ていてクスっとするシーンもいくつかあったし。

 主人公の妻夫木はCM会社の下っ端で雑用係のような感じ。
 上司の売れっ子プランナートヨエツが審査員を務めるサンタモニカの国際広告祭でしがらみから酷いCMに賞を取らせなくてはならなくなり、身代わりとして妻夫木を送り込むことにする。
 英語すらままならない妻夫木は説得されついていくことになった同僚の北川景子(仕事ができる)とサンタモニカに赴くのですが…


 と言う内容。
 豪華キャスト、フジテレビ、電通、業界ネタと来れば、映画好きには暗雲立ち込める組み合わせですが、監督と脚本がもともとCM業界の人であるところが原因なのか、なかなか実直な出来で楽しい映画でした。
 まずいいのが、キャストがストレートってとこでしょうか。
 妻夫木聡は「スマグラー」のように頼りなげでナヨナヨしていて…というキャラだし、北川景子は「謎ときはディナーのあとで」みたいにツンデレで勝気な女、リリー・フランキーもトヨエツも鈴木京香もこの映画に出てくる俳優はみんな極端に言ってしまえばタイプキャストでもともとのイメージどおりのキャスティングなのが逆にストレスを感じずに良かったと言えます(チョイ役の竹中直人だけいつもより抑え気味の演技なのも逆に良かった笑)。

 あとは舞台がサンタモニカに移り、広告祭の票を巡る水面下での駆け引き、それに素直に評価を下そうとする妻夫木というキャラがどう絡んでくるか、という話になってくるのですが、これも悪役は悪役、いいもんはいいもん、という風に分かりやすくて観ていて深く考えずに済むのがいいです。あとは妻夫木の人柄が協力者を増やしていく、とか仕事はできるがツンデレの北川景子が文句を言いながらも妻夫木を助ける様とかを満喫できます。あと荒川良々もいるし。


 しかし、腑に落ちないところもないではなく、
 たとえば予選では数人ごとのグループに分かれて合否を審査するんですが、自分たちのCMを自分たちで審査するので、当然自分のCMが流れたら「子どもが病気で…賞が取れれば…」とか同情票を狙う駆け引きが起こります(自分のCMを応援することは失格になるのでNG)。こういうのって普通は自分のCMは他のグループが審査するもんなんじゃないかなぁと思うんですがどうなんでしょう。
 次に伏線がいくつか放ったらかしになっているというところ。妻夫木が賞を取らせなくてはならないという設定の”酷いCM(ちくわのCM)”を作ったのは田舎の成金社長とその息子(息子がCMの監督)なんですが、それがでんでんとハマケン。二人は大口のスポンサーであることをエサにトヨエツに賞を取らせるよう言ってくる…という設定で、早々と授賞式に行く準備を始める…ということになっているんですが、そのシーン以降出てこない。個人的に二人が面白すぎて見たいと思ったこともありますが、結果でんでんとハマケンがどうしているのかの後フォローがないのが残念。前半を引っ張るきつねうどんのCMもそのまんま(予選落ちしてたのか…)。あ、田舎の元カノ(伊藤歩)もそのまんまだしね。
 一番気になる点は、
 人を幸せにするようなCMプランナーになりたいという妻夫木ですが、結局作中1本も自分で作ったCMが出てこない。妻夫木がなにかを企画するシーンがないってことでしょうかね~。作戦のすべてはリリー・フランキーに教わったものだったり、北川景子が立案したものだったりだし。妻夫木がバカ正直に人の言うことに従った結果、周りが協力してあげてうまくいった、という内容なのが残念。余韻を残さず終わるのも潔いんですが、これはエピローグとしてちょっとは自分のやりたいCMを作れるようになった、とか元カノが妻夫木の作ったCMを見て笑うカットとかそういうのを入れるべきだったんじゃないかなぁと思います。一応ラストはシャレが効いてはいるんですけどね。


 ということで、
 深く考えずとも楽しめる作品。主人公は善人だし、分かりやすい勧善懲悪、ハッピーエンドなのでデートムービーとして評価が高い作品。
 改めて考えると伏線放置の件はあるんですが、まぁいいかという気もします。思いのほか楽しめたので割とオススメです。

エンダーのゲーム

2014年01月19日 | 日記
視聴環境:映画館、吹替

 ネビュラ賞ヒューゴー賞を受賞した同名SF小説の傑作を映画化!
 映像を満喫したかったので吹替で観てきました。特に違和感はなかったかな。


 これって、ナニーポッター!?


 過去2度の異星人からの攻撃を辛くも撃退した人類は、3度目の攻撃に備え戦略に天才的な資質を持った子どもに英才教育を行っています。
 エンダーはその中でも秀でた才能を見出され、また実際スクールの中でも頭角をあらわしていくのでした。彼は異例の速さで昇進を遂げ、やがて全軍を率いる指揮官としての最後の模擬シミュレーションに臨むのですが…。


 思ったよりも盛り上がらなかった、というのが正直な感想。

 ネットで原作のあらすじを読んだ感じでは、この作品とは戦略の天才的才能がある主人公が、スクール内でいかに成り上がっていくかといういわば「課長島耕作」的部分がメインで、タイトルの「エンダーのゲーム」とはつまりスクール内で才能のある人材を見出し、味方に付け、敵を排除し自らの地位を上げる、というゲームにほかなりません。
 そこがこの作品の面白いところなはずなんですが、映画は逆に「エンダーはこの異星間戦争にどう決着をつけるのか?」ということに比重が置かれています(映画としては当然ですが)。
 114分というのはいかにもこういう作品には不向きなので、それだったらテレビドラマとしてじっくり1シーズン掛けてエンダーの”島耕作”っぷりを描いた方が良かったかなぁという気がします。

 けっきょく2時間でとんとん拍子に昇進していくエンダーの非凡な才能がイマイチ演出的に説得力がないんですよね。
 ここからネタバレするのでこれから観る人は読まないで欲しいんですが、

 ラスト、敵に致命的な攻撃を加えるために多大な犠牲を強いる作戦を決行するエンダー、しかし実はそれはシミュレーションではなく”実戦だった”。というシークエンス。
 しかし結局最終試験なので、「試験だからやったが実戦ではやらない」みたいな言い訳は通用しないだろう、と見ていて思う。それだったらスクールでの友人たちの命を犠牲にしていた、という設定にでもした方がより悲壮感があったと思います(仲間たちは全員エンダーのそばにいて無事、艦隊には人が乗っていたらしいのですがそれを映したカットがないのであんまり酷い戦略を強いたという実感がない)。


 ということで、
 おそらく映画的な戦略としては「ハンガーゲーム」のようにいくつかに分割して公開するかテレビドラマ化する方が面白さが引き立ったなぁという感じ。2時間の映画にするにはエンダーの才能の演出もラストの衝撃も薄かった印象です。
 個人的には最後の一個前のシミュレーション戦闘が良かったのであの感じをもっと見たかったという気がします(最後の戦闘はけっこうあっさりだったので)。


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