うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

ニューオリンズ・トライアル

2012年03月30日 | 日記
 今回観たのはジョン・キューザック、ジーン・ハックマン、ダスティン・ホフマン共演の法廷サスペンス映画「ニューオリンズ・トライアル」2003年の映画。


 以前から名前は知ってたし評判が高いのは知ってましたが今回初めて観ました。予想に違わずいい出来の映画でした。


 白昼の乱射事件によって多数の犠牲者が出て、被害者の未亡人は銃の会社を相手取って訴訟を起こすことにします。しかし銃会社は豊富な資金や権力を利用してこの手の訴訟では負けたことはない。今回もハイテクから心理戦まで駆使する陪審コンサルタント・フィッツ(ジーン・ハックマン)を雇う(陪審制度では自分の有利になる陪審員の選別やコントロールが要となるため)。
 そこに素性の不明な男・ニック(ジョン・キューザック)が陪審員の一人として参加することになります。裁判が始まるとニックは共犯者のマーリー(レイチェル・ワイズ)と共にフィッツとこの裁判の弁護士ローア(ダスティン・ホフマン)に「多額の報酬と引き換えに陪審員の評決を売る」と持ちかけます。フィッツもローアも最初は相手にしないのですが・・・


 あらすじが長くなりましたが、要は銃会社を相手取った訴訟で正義の弁護士ダスティン・ホフマンと銃会社に雇われた裏稼業のフィッツの一騎打ちになるなか、ウラでは陪審員の一人ジョン・キューザックが金を引き換えに評決の取りまとめを持ちかけるというサスペンス。

 原作は訴訟相手はタバコ会社らしいんですが、「インサイダー」ですでにタバコ会社相手の訴訟というネタは使われているので映画では銃会社になったらしいです。
 ともかくジョン・キューザックとレイチェル・ワイズの二人はけっこうギリギリのところで頑張っているので観ていてハラハラするんですが、それより裁判をウラで操作するジーン・ハックマンのキャラが面白すぎます!さすがに現実味がないとこもありますが、どんな陪審員が選任されるかが重要な訴訟ではこれくらいのことは大企業ならやってそうっていう妙な説得力もあります。
 そして話はフィッツを中心に進んでいき、最後もフィッツがどうなっていくのかってのが重要な要素になるのでやっぱり本作はフィッツありきというところでしょう。
 すでにレンタルでは旧作だし、観ても損はない出来なので特に法廷モノが好きな人にはオススメしたいですね~。

トロール・ハンター

2012年03月29日 | 日記
ノルウェー製作の2010年の映画、擬似ドキュメンタリー。

 トロールってのはノルウェーなどで親しまれている伝説の妖精で、日本で言えば”鬼”みたいな感じの架空の生き物。有名なところでは「ムーミン」もトロールです(正式名称「ムーミントロール」)。ムーミンはカバだと思ってる人も多いと思いますがトロールという地の精です(大きいのは口じゃなくて鼻です!)。

 で、本作でハンターが追うトロールはそんな可愛らしい妖精では全然なく、巨大な獣。大学の取材班がたまたまトロールを極秘裏に追うハンターと接触して同行することになるという映画なんですが、劇場映画としてはけっこうキツいかなぁと思いました。

 まず作品としてはストーリーが退屈。
 タイトルの「トロールハンター」というのがすでにネタバレ的でもあるし、それを承知で映画を観に来ているというのを製作者はわかってか、冒頭の”ツカミ”のようなシーンが一切ありません。普通こういう映画では観客を作品に没入させるためのシーンが必要と思うんですが、「どうせトロールを追う映画だってわかってきてるんだろ?」とばかりに話は淡々と進んでいきます。

 途中出てくるトロール自身はとてもよく出来ているんですが、なんでそれが世間から隠されているのか?とかラストに出てくる超巨大トロールとかどうやっても隠し通すのは無理だろうとかいろいろと疑問は湧きます。擬似ドキュメントなのですべてが明らかにならないのもまたリアリティの内ということもありますが、それにしても…

 2ちゃんねるのスレッドによればおすぎが酷評していたとのことですが、まぁそこまで言うことないだろうという気もします(「絶対観てはいけない映画」「観てる時間の無駄」等書いているらしい)。
 ハリウッドリメイクも決定しているんだとかでもうなにがなんだか…という感じです。

バタフライ・エフェクト

2012年03月27日 | 日記
 エビフライ・エフェクト……

 …なんとなく思いつきました。

 そんなことはどうでもいいんですが、最初観た時はあんまりピンとこなかったんですが、評価もいいし、観直してみるとけっこうしっかりした作りで楽しめました。そんな映画「バタフライ・エフェクト」2004年の映画。


 過去を操作して現実を自分に都合の良いものに変えるというアイデア自体はおそらくSF小説などではけっこうあるんじゃないかって思います。
 映画でも「バック・トゥ・ザ・フューチャー」がありますね。ドクが口をすっぱくして「過去(あるいは未来)を変えるな!」って言ってるわけですが、実は「1」の始まりは小説家になれずにうだつのあがらない父親がビフの下っ端のような生活を強いられているところからスタートし、ラストは小説が当たってビフと父親の立場が入れ替わって終わっています。ようはマーティの過去の介入で”マーティ家族にとって都合のいい未来(=現実)”に変えられているわけです(「2」の未来編では逆にビフがタイムマシンを悪用して自分の都合のいい未来に変えるわけですが、そこはご都合主義的に”良くないこと”とされているのが興味深いところ)。

 本作ではドクもタイムマシンもなく、日記を媒介にして直接過去を改ざんするというアイデアが面白かったですね。そしてどうやってもうまくいかないというのはなんとなく「ドラえもん」みたいな展開です。

 別エンディングが幾種類もあるのも有名な本作ですが、個人的にはハッピーエンド編が一番好き。

 あらすじを見る限りでは「3」も面白そうな気がするのでぜひ借りてきてみようと思います!

カウントダウンZERO

2012年03月26日 | 日記
 原発問題を扱ったドキュメントが多い中、珍しく本作は核兵器に関するドキュメンタリー映画。昨年4月の公開予定だったのが奇しくも震災の影響で公開延期になったらしいです。

 ということでDVDレンタルを待って観てみたのですが、待っていた割には”ながら観”してしまったので、あと観たのが先週なのであんまり印象なし…。

 まず基本的な疑問として最も声高に核廃絶を謳っているアメリカがもっとも核兵器を所持しているという矛盾。「核をなくせ!ってお前が一番もってるじゃん!お前がまずなくせよ」といつも思っていたのですが、実はアメリカもロシアも現在所持数は半分になっているのだとか。両国ともちゃんと半分にまで減らしているんですね~それってすごいと思います。

 と覚えているのはそれくらいで、タイトルも核戦争へのカウントダウンではなく、”核の数をゼロへと減らす”カウントダウンであるというのがよかったです。
 面白い題材だし、もういっぺんちゃんと観なければ、と思いました。

長ぐつをはいたネコ3D

2012年03月23日 | 日記
 実は「シュレック」は1しか面白いと思ってなかったんでスピンオフであるこの「長ぐつをはいたネコ」もまた観るか見送るか一瞬悩んだんですがやはりアニメと3Dは相性がいい!ということで観に行ってきました!
 ちなみに客は俺を入れて2組…
 平日の昼間だしね…あとモーニング割引なかったんで1800円だったし。田舎のシネコンなんてこんなもんですわ。


 で、始まっていきなりネコの顔のアップ!もうそれだけですでに可愛い~<emoji id="012">長ネコ(メンドいので略します)のお得意の”可愛い顔”じゃないんですが、可愛い!

 話は「シュレック」とはまったく関係ない話で本家のキャラはまったく出てきません。
 ワケあって故郷を追われている流れ者の長ネコが幼い頃から探し求めている”ジャックの豆の木(の巨人の城にある金の卵を産むガチョウ)”の手がかりを掴むのですが、そこに故郷を追われるきっかけとなった幼馴染のハンプティ・ダンプティと美人ネコのキティが現れ共に”魔法の豆”を手に入れることになるのですが…


 今回はシュレックではなく長ネコが主人公ということで全体にラテンノリ。主人公もアントニオ・バンデラスだしね(日本では竹中直人が声をあててるけど)。
 予想通り3Dの出来はよかったです。「スターウォーズ」がまったく3Dで観る意味がなかったのとは反対ですね。完全に独立した話になっているので  全体には「シュレック」がそれほど好きじゃない人にも別の映画としてかなり楽しめるんじゃないかって気がしました。全体に上品な雰囲気だし。特に猫好きにはたまらん作品なんじゃないだろうかって気がしました。

サイバーネット

2012年03月23日 | 日記
 ネットオタクの若者たちを主人公にしたサスペンスドラマ。

 ブレイク直前のアンジェリーナ・ジョリー主演。若いね~しかしふてぶて可愛い感じはこの頃から健在。
 ハッカーたちの活躍を描いているんですがこの作品は奇しくも一般人向けのPCを革新的に変えたであろう「Windows95」と同じ95年の作品。


 少年時代にクラッキング(ウィルスだったかな?)により多大な被害を出している主人公の高校生デイドは転校先の学校で若きハッカーたちと出会うのですが、仲間が企業のヤバい情報をコピーしてしまったために消されそうになってしまいます。そこで主人公たちは敵を倒すために協力するのですが…


 というような内容。
 まだまだネットが未開拓で楽しかった時代を描いています。あとハッカーはなんでもできる(と思い込まれていた)時代の作品。なんといってもハッキングでタンカーを転覆させてますからね<emoji id="278">そこまで行くとテロだ。

 ネットやコンピュータ画面を移してはいますがあんまりCGIは使われていないように見えます。が、ヤマ場で仲間たちが一斉に自分のラップトップを起動するとそれぞれのキャラの起動画面になっているってのが燃えますよね!(自分も昔やってた!起動すると普通はwindowsのロゴが出るんですが、あそこは変えられる)
 大人には害にしか見えない子供たちだけの世界が展開する(ので出てくる大人も基本子供っぽい人ばかり)という話で、今見ると主人公とアンジーは「マトリックス」(99年。そんなに昔の映画だったのか!)のネオとトリニティにダブって見えるのも面白い。

 個人的には同じジャンルの映画で言えば大人の集団を主人公にした「スニーカーズ」の方が好き。オチもシャレが利いてたし。もちろんこの映画も好きですが。ショートカットのエロ可愛いアンジーが見たければオススメ。

星を追う子ども

2012年03月23日 | 日記
 適当に「星を追う子ども 感想」と打って検索するとたいてい出てくる感想が

 あまりにもジブリすぎ。


 というものですが、まさしくそれで全部を言い得ているという気がします。
 監督の新海誠さんは自主制作アニメ「ほしのこえ」をPCでシコシコ作って話題になった人ですが、絵の巧さとかストーリーの良さが評価されたというより、なんといっても「風景の美しさ」で評価されていたような気がします。本当に色が美しかったし、それだけで観る価値があると思いますが、本作で商業作品にするということになり、そのへんのこだわりがカットされてしまったようで残念。風景は本当にジブリの背景画のようになってしまいました。

 話はジブリ作品の寄せ集めのような感じで、キャラクターの絵柄もまたしかり。
 しかし当の宮崎駿があんな感じになってしまっているので、全盛期の宮崎作品のようなものを作ろうとするその着眼点はいいかもしれません。うまくいけば息子の吾郎を蹴落として駿の後継者になれるかも。まぁ圧倒的にアニメ職人としての器が違うのはたしかなんでしょうが。

 レンタル開始してから長いこと借りようか悩んでいて、いま100円なので思い切って借りてよかった。100円なのでそれほどガッカリもしないし。劇場に行っていたら複雑な気持ちだったかも、とは思います。

ムカデ人間

2012年03月20日 | 日記
 俺は個人的に人に無理矢理なにかをさせられるというシチュエーションが苦手で、世のAVには「レイプもの」みたいなジャンルもありますが、到底興奮はできないどころか見続けることすらできません。

 で、今回取り上げるのは脅威の悪趣味映画「ムカデ人間」。2010の映画。

 人間の口と肛門を縫い合わせて”ムカデ人間”を造りたいという暗い欲望をもった外科医(シャム双生児の分離手術の権威という設定)が迷い込んできた3人の人間を実験台にそれを実行してしまう…という内容。


 ということでまぁ観ません。絶対に。
 世の中には面白いが目を背けたくなるような映画とか、トラウマになるような映画体験とかそういう類のものもあるわけです。以前記事にした「メランコリア」のトリアー監督の「ドッグヴィル」や「ダンサー・イン・ザ・ダーク」も相当後味は悪かったし、できれば途中で退出したかった…
 しかし本作は俺的には「面白くもないし観たくもない映画」という珍しいジャンルに属しています。ブラックジョークでもなくただ悪趣味という内容で予告編を観ただけで十分でした。これは「恐怖」や「悲惨さ」というより「憎悪」や「嫌悪感」という感情。

 監督・脚本・製作・編集をトム・シックスという人がやっているのでつまりはこの人の映画ってわけですが、こういう話を思いついて映画にしようとしたってこと自体でこの監督のことをけっこう嫌いになっているくらいです。ひどいキャラを生み出したりひどい映画を作ったからといってその監督を普通は嫌いになったりはしないんですが、この人だけはちょっと例外。


 まさに「蛇蝎のごとくに」嫌っているこの映画。一生観ないでしょう。興味のある方はぜひ見てみてください。すでにDVD化済みです。

はやぶさ/HAYABUSA

2012年03月19日 | 日記
 同じネタ元で3社が映画を作るってのもなんだか節操がないというか”泣ける映画”のネタに飢えているというか、複雑な気分にはなりますが、リンクしている友だちの感想を観ていて興味が湧いたので観てみました!
 本作は第1弾となった竹内結子主演のFOX版(次に渡辺謙の「はやぶさ 遥かなる帰還」(東映版)、現在公開中の藤原竜也「おかえり、はやぶさ」(松竹版)と続く)2011年の公開作。


 話はどれも同じ”はやぶさ”の企画からミッションを終えて地球に帰還するまでを描いているドラマで、本作の特徴は主演の竹内結子演じる水沢恵が架空のキャラであるところです。
 他の作品は観ていないので比較はできませんが、やはりこの水沢というキャラクターを導入したのはこの作品のいいところだと思いました。あと水沢が子どもにもわかってもらいやすいようにと作る絵本?の形を借りて”はやぶさの声”を竹内結子が当てているのも趣向としては良かったです。
 「アポロ13」のような方向の作品になりますが、はやぶさ自体は無人の探査用ロボット、しかもデータが送られてくるだけなので結局はトラブルに対応する技術者たちの姿を描くだけという起伏のない話になりがち。そこを実在の人物を丹念に描いたり、はやぶさの声をナレーションで入れたりという工夫で乗り切っているのが吉と出ています。

 「どうせ地球再突入のシーンで泣かせる映画だろ」と高をくくっていたせいか思っていたより楽しめました。水沢のオタク丸出しなキャラもよかったし。
 そうなると他の2作もなんとなく気になるところ。しかし2つはこれよりは点が落ちるような気がするんですよね~

スターウォーズ3D:エピソード1 ファントム・メナス

2012年03月19日 | 日記
 もはやポスターにアナキン坊やの姿なし!今回は3Dということでアトラクション要素重視の作品という扱いなので仕方ないのか、そんな「スターウォーズ3D」観てきました。ネットの記事によればアナキン役のジェイク・ロイドは学校で「ブゥゥーン(ライトセイバーの音マネ)」とか耳元でされたりとかイジメにあってたらしい。というか現在22歳ってことの方が驚き!!(当時8歳)


 さて、満を持して登場したスターウォーズの3D作品。
 やっぱりスターウォーズのロゴが遠ざかりあらすじが彼方に向かってロールしていく冒頭は3Dで観るとやはり圧巻!この演出こそ3Dに最も適したものだったんだなぁって感じました。しかし!残念ながら本編はそれほど立体感なし。感動するほど3Dの効果はなかったですね~まぁ俺はこういう映画は劇場のスクリーンで観るべき(小さい画面ではなく)という主義なので、久しぶりに映画館でスターウォーズを観られたのはよかったですが。

 これから新3部作、うまくいけば全6作が3D化する可能性があるわけですが、どちらかと言えば旧3部作の方が立体だとどうなるのか見てみたい気がしますね~。

 あ、ちなみに過去の劇場公開時にさんざん話題になった字幕問題。
 戸田奈津子による字幕がヒドイ!という問題はDVD化の際の修正の通りになっているので違和感はなかったです(最初のバージョンでは”義勇軍”を”ボランティア軍”、”この星の原住民”は”ローカルな星人”などと訳されていてファンの失笑を買った)