うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

ディズニーの短編「Peperman」

2013年01月31日 | 日記
 ディズニーがYoutube上に公開したモノクロの短編。7分ほどの作品です。

 ニューヨークの駅でたまたま出会った女性メグに一目ぼれしたジョージに起こるちょっとした奇跡えを描いたファンタジー。セリフなしモノクロ。しかし美しくて楽しい、ちょっとうれしい気分になるような作品でした。「シュガーラッシュ」についてくる短編らしい?のです。

 ヒロインのメグもディズニープリンセスっぽい雰囲気も持った可愛い女性だし、主人公のジョージはサラリーマンの青年ですが、なんとなく日本人っぽい感じもあり日本のアニメぽいですが、たった7分でこれだけのことができるんですから物語を作るのが巧い人ってのはいるんだなぁと感心します。

 無料なのでぜひオススメ。
 ↓
 http://www.youtube.com/watch?v=aTLySbGoMX0&feature=player_embedded

感染列島

2013年01月30日 | 日記
 壇れい、妻夫木聡主演の2009年の映画。

 映画秘宝などでもすでにつっこまれまくっている映画ですが、改めてテレビ放映を観てみました。インフルエンザが流行ってるからという理由での放映ならある意味どうかと思いますが…


 妻夫木ほか数人の働きだけで事態が解決するってのはあまりにもリアリティがなさすぎですが、ラストの死者1200万人て。国民の10%が死ぬような事態となれば単に病気がどうのというか、日本国家自体が危うくなるはずだし、当然そうなればアメリカが日本の政治に介入してきたりと、それはそれで映画的には興味深い展開があるはずなんですが、そのへんの描写はなし。一時大都市がゴーストタウンになったりもしたのに、ワクチンから病気が収束に向かっているというラストでは普通の生活に戻っているってのもどうかなぁと思います。

 作中このウィルスが”ブレイム”「神の責め苦」と呼ばれているというニュースシーンが出てくるんですが、要は「天罰」って呼んでるってこと?そんな明らかに不謹慎な呼称使うなよ!って思いました。

 とまぁ納得のいかない部分は多々あっていちいち取り上げていてもキリがありません(目の前の少女の容態が急変してるのに恋人の壇れいとテレビ電話で話したりとか)が、もうちょっとリアリティのある話が良ければ、2011年のアメリカ映画「コンテイジョン」の方がオススメ。こちらも未知のウィルスが世界で爆発的に流行してCDCらプロがどのように事態を解決していくのか、そして街はどういう状況になっていくのかを描いた作品。似たシークエンスもけっこうあります。

遊星からの物体X:ファーストコンタクト

2013年01月30日 | 日記
 ジョン・カーペンターの「遊星からの物体X」(1982)の前日談。2011年に公開されたのになかなか日本での公開の目途が立たずやっと昨年8月に公開。


 元の「遊星からの物体X」を観てないので、ラストのシーンが被っているのにもあんまり感慨はなかったんですが、要は南極に氷付けにされていたエイリアン?にその場にいた人間が全滅させられそうになるって話。
 エイリアンは取り込んだ人間に擬態することができるので”人間みたいなグチョヌルのキモいやつ”が出てくるのが見どころ。


 82年版ではCGがなかったので手作りでシコシコ作っていたエイリアンも今はCG使ってどんな姿でも表現可能です。主人公は「ダイハード」で娘役やってた人ですね。気苦労が絶えない役が多いですが、芯がしっかりしてそうな顔立ちなのでそういう役が多いんでしょう。
 ラスト、犬(おそらくエイリアンに寄生されているっぽい)をヘリで追うという82年版につながるシーンで終わるんですが、その走る犬が可愛かったので癒されました。撃つなよ!

ハンガーゲーム

2013年01月30日 | 日記
 どうしても興味が持てなかった「ハンガーゲーム」。
 DVDになったのでレンタルしてみました…

 …「興味が持てない」と言いつつレンタルだったら観るというのはいかにも映画好きなんだな、と自分でも思います。普通の人は”すごく観たい映画”を劇場に、”かなり観たい”映画をDVDで、興味ないのは観ないですわな。俺は よほど興味のないものでない限りは観ますが。


 ということで世界的に「バトルロワイヤル」に似てるって言われている本作。原作はヤングアダルト小説。
 しかし未来世界で貧民を使った殺人ゲームが上流階級の間で人気、みたいな設定はそれほど新鮮なわけじゃあありません。シュワちゃんの「バトルランナー」や「デスレース」、マックスヘッドルームでもそういうエピソードがあったような気がします。古代ローマで猛獣と人間が戦わされたり、「スターウォーズ」でジャバが余興で主人公と怪物戦わせようとしたりと、実は割と思いつきやすい舞台設定ってことですな。


 で、こういうのは裏に風刺みたいのがあって、本作も地方の子供が殺し合いをさせられるって設定なので、今の先進国が”人件費の安い国”の子供たちという安い労働力を食い物にしているというような風刺があるのかもしれません。…しないのかもしれません。
 主人公たちが上流階級のいる首都で憎しみを持つのではなく、単純に”都会のキレイさ”とかに驚いたり喜んだりするのも興味深いところですね。


 話は「バトルロワイヤル」みたいな殺伐とした話でもなく、そこは子供同士が殺しあってるのに年齢制限がついていないのも納得のアクション映画なんですが、続編ありきの作品らしいのでどうなるのやら…

 興味がなかったわりには長いのに退屈はしなかった映画でした。
 主人公の女の子が弓持ってるので「ナルニア」を思い出しましたが、主演の女優さんは「X-men:ファーストクラス」で若きミスティーク演じてた人なんですね~知らなんだ。

ストロベリーナイト/アフター・ザ・インビジブルレイン

2013年01月29日 | 日記
 劇場公開に合わせて放映された映画の後日談「アフター・ザ・インビジブルレイン」観ました。

 「アフター~」は劇場版後、姫川班は解体されそれぞれバラバラに配置換えされたということになっていて、5つの短編でメインキャラ5人がその後どうしているかを描いています。しかし劇場版とは全然関係ない話だし、話も割りとあっさりしたもんなので、劇場版を観る前にこれを観ておかないと!とか「ストロベリーナイト」の入門編として!みたいなノリではありません。シリーズファンのためのちょっとしたサービス作品みたいな感じ。
 しかし個人的には警察のダーティな部分を象徴しているキャラクター・ガンテツがフィーチャーされたエピソード「推定有罪」はけっこう面白かったです。
 映画を観た後にもうちょっと彼女たちを観たいなという気持ちを満足させるには最適。ちなみに原作では去年の11月に発売されたばかりの新作「ブルーマーダー」が未映像化なのでこれを映像化してくれることに期待!

ストロベリーナイト/インビジブルレイン

2013年01月29日 | 日記
 人気テレビドラマシリーズの映画化作品観てきたぞね!

 話は思ったよりも入り組んではいなく、暴力団組員3人が同じような手口で殺され、連続殺人事件ということで暴力団同士の抗争の線で捜査を開始するのですが、そこに上層部から「もし捜査線上に柳井健斗の名が浮上しても触れるな」との圧力が掛かる。当然、姫川は反発し独自に捜査を開始するのですが…


 という感じで、最近の邦画刑事ものではお決まりの「警察機構の腐敗隠蔽」もの。そこに姫川班や日下(遠藤憲一)、ガンテツ(武田鉄也)や事件にかかわっているらしいヤクザの大沢たかおはどう絡んでくるのか?ってな話。


 タイトルを「ストロベリーナイト」で統一しているのは最近のシリーズものでは珍しいですね。ガリレオの「容疑者Xの献身」みたいに「インビジブルレイン」とオリジナルの名前をつけるというのもありだと思ったんですが(あくまで「ストロベリーナイト」は第1作のスペシャルドラマのタイトルで以後は関係ない)。


 本シリーズの面白さはやっぱり人間の描き方。
 多い登場人物を”性格づけ”だけでキャラを描き分けるんじゃなくて、ちゃんと”それぞれ違った考え方や思想を持った人物”として描き分けるというのがすごいと思います。単純に捜査1課でも姫川、日下、ガンテツは全然別のスタイルで動いているし、それを単純に「敵=悪いやつ、味方=いいやつ」みたいな描き分けをしない。腕は買っているけど相容れないとか。そういうキャラを丁寧に描くって点で失敗したのが「踊る大捜査線」のシリーズかもしれません。あれはあれで楽しいんですが、年月が経つにつれどんどんタイプキャスト化していっちゃったのが残念。


 ということで、
 内容は充実していて危なげもないし、終わり方(警視正の和田(三浦友和)の決断もまたよし)も含めてよかったです。あとなんか西島秀俊かわいそう…(笑)フィクションにはよく出てきますが、ああいうタイプは割りに合わないんもんなんだよなぁ

書道ガールズ

2013年01月25日 | 日記
 廃れていく街の復興というテーマを持っている2010年の映画ですが、奇しくも翌年2011年に東北地震があったので、書道甲子園で主人公たちが書くのが「再生」という文字だったりと今見てもしっくり来る内容ですね。もちろんこれが震災後だったら震災の土地が舞台になっていた可能性はありますが。

 今日テレビで放映されていたので観ましたが、実は爆弾魔を追うサスペンスというスペシャルドラマ「リバース」がアルジェリアのテロ事件の影響で放映延期になったために差し替え。観たかったなぁ…

 映画は成海璃子の”カタそう”な感じがよく出ててよかったですね。地味なので娯楽作という感じではないので落ち着いて観られます。ウェルメイドといった感じでしょうか。

ヴァージニア

2013年01月24日 | 日記
 コッポラ監督がメガホンを取ったゴシックホラー。
 本当は劇場に観に行きたかったんですが、地元ではやっていず、レンタルを待ち望んでいたのに今度はツタヤの独占レンタル!!ということでわざわざディスカスに登録してレンタルしました(近所にツタヤがないので)。


 前評判どおり、世界観や雰囲気はそこそこいいのになんでか話が面白くないし世界観に引き込まれない…

 ホラー作家のヴァル・キルマーがとある町を訪れるが、そこには猟奇的な連続殺人事件が起こっている。保安官は共著で事件を書籍化しようと持ちかけてくる。そしてキルマーは夢の中で謎の少女Vやポーに導かれ、事件の真相や過去のトラウマと向き合うことになる…

 というような内容で、面白そうなんだけど不思議と入り込めない。
 原題の「Twixt」は”どっちつかず”とか”中間の”というような意味。主人公が現実と夢のはざまを彷徨う話なのでそれにちなんだタイトルでもよかったような気もします。あと日本版のポスターが魅力的過ぎてハードルが上がったかなという気もしますね。別の映像作家が作っていたらもっとカルトな作品になっていたかもしれず、残念。

DEATH NOTE 前後編

2013年01月24日 | 日記
 ひかりTVでやっていたので前後編観なおしました。

 相変わらず気になるのはキラの字の汚さね。
 天才的頭脳の持ち主で、スポーツ万能、イケメンと非の打ち所のない男という設定の夜神月ですが、知性的なキャラとは裏腹に字が汚いのが非常に残念。これは絶対にキレイで潔癖な印象の字であるべきでしょう。あと最初にデスノートに名前を書くシーンでいきなり名前を斜めに書いちゃうのもどうかと思うし。

 あとデスノートに殺される被害者の名前は、おそらく実際に存在する人の名前と万が一にでも被らないように、一般にはなさそうな名前になっているんですが、夜神月(ライト)って名前はどうなの?月って書いてライトって今で言うキラキラネームってやつか。キラだけに(プププ)頑固そうな鹿賀丈史がつけたとは思えないネーミング。

 いま見直すと年齢制限を避けるためにかなり苦労していて、瀬戸朝香なんて銃で頭を撃ち抜いているのに血の一滴も流れないとか、いろいろツッコミどころもありますね。「ダークナイト」などの映画を経たあとだとちょっとヌルく感じるのも仕方ないか。

愛と不思議と恐怖の物語

2013年01月22日 | 日記
 関西テレビで放映されたオムニバスドラマのDVD化作品。2005年の発売。


 「Looper」に関するネット記事の中でこのDVDの中に収録されている黒沢清の「タイムスリップ」がすごいというようなのがあって、さっそくレンタルしてみました。

 本作はざっくり言えば7人の作家による共作。「世にも奇妙な物語」みたいな感じの短編オムニバス。

 鶴田法男による臨死体験もの「臨死体験」、冴えない係長(課長に昇進したが)がマトリックスばりの格闘シーンを魅せる「KACHOSAN」、アパートの一階に住む青年の庭に二階からの住人のものと思われる女性ものの下着が落ちてくるという「『暮らし』と『住まい』」、鴻上尚史が監督する「宇宙に一番近い場所」、「リング」の中田秀夫が監督する「進路指導室」、あっと驚く?どんでん返しがあるサスペンスドラマ「浴槽の死美人」、黒沢清の「タイムスリップ」の7話。全部合わせても80分なので1話10分くらい。


 これがほとんど話題にならなかったのが不思議なくらいいい出来!

 特に気に入ったのは、まず鴻上尚史の「宇宙に一番近い場所」。夜の屋上にいる男(伊藤淳史)と女(菊池百合子)の会話からなる作品ですが、さすがは鴻上尚史、話がうまいなぁって思いました。すばらしい作品ですね。あと菊池百合子、なんか見たことある人だなぁと思ったら菊池凛子でした。百合子は本名らしいので「バベル」でブレイクする前にこういうのもやっていたみたいです。いまとちょっと雰囲気が違います。
 「進路指導室」もよかった。中田秀夫監督ですが、ホラーではなく普通のヒューマンドラマ。急に進学を辞めて就職すると言い出した女の子とその父親の言い争いという話ですが、これがまたいい話。ホラーとは違うのをやってみたかったんでしょうが、こっちもかなりいけると思います。これまたすばらしい作品。
 そして黒沢清の「タイムスリップ」。大杉漣は物理学?の教授らしく、タイムスリップについての授業を始めるんですが、大杉自身がこの時間をタイムスリップし、何度も繰り返すハメになる…という作品。編集だけでタイムスリップを表現していてお金が掛かっていないにもかかわらず大変面白い話でした。


 とこのように、
 本作はかなりの掘り出しものでしたね~。観てよかったし、ぜひレンタル店で観かけたら観てみてほしいDVDです。
 怖い話は1話もないのでそういうのが苦手な人も安心して観られます。おすすめです。