うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

藁の楯

2014年05月31日 | 日記
視聴環境:地上波放送

 2013年公開の邦画。テレビでやっていたので観てみました。

 映画「セブン」では最後主人公が負けてしまうのが画期的だったわけで、そういう意味ではオチはオーソドックスですね。 

 孫を殺された大富豪の山崎努が犯人の藤原竜也に10億円の首に賞金を掛けたため護送するSPの大沢たかおや松嶋奈々子らがたいへんな目に遭うという話。

 監督は三池崇史ですが、いやもうサラっと作った感満載の作品。松嶋奈々子は頑張っていましたが(とはいっても「SP」の真木よう子っぽいのは否めない)、大沢たかおや藤原竜也はおなじみの演技で新鮮味はゼロだし、ストーリー展開やテーマにもスリルもなく、ただゾンビの群れのように襲い掛かってくる金の亡者をバッタバッタとなぎ倒し…という話に終始していましたね。

 藤原竜也がまったく理解不能な犯罪者として描かれてはいるんですが、なぜ彼がそういう人間なのか(というよりはなぜ彼はこんな人間なのに逮捕されるようなことをせずに済んでいたのか)説得力のある演出がないとか、ジョーカー的なところを狙ったのかもしれませんが。そして主人公を助けるタクシー運転手役の余貴美子も地上波放送のためにカットされていたのかもしれませんが、まったく動機が不明で(しかも突然いなくなったり)よくわからないキャラでしたね。


 ということで、
 想定内のキャラクター、想定内のストーリー展開でそれほど楽しめはしませんでしたね~。同じようなシチュエーションの映画ならブルース・ウィリスの「16ブロック」の方が楽しめるかと思います。


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X-MEN:フューチャー&パスト

2014年05月28日 | 日記
視聴環境:先行上映、字幕

 今週末から公開のX-MENの新作。昨晩は先行上映があったので1800円払って観て来ましたよ!しかも舞台挨拶の中継付き(←正直どうでも良かった)。今回も吹き替えゴーリキーなのか!(ミスティーク役剛力彩芽です)

 今回はセンチネルというミュータント殺戮マシンが暴走し人間をも殺戮し始め滅亡の危機にある近未来から、その計画の発端となった1973年にタイムスリップしてセンチネル計画の成立を阻止するウルヴァリン!という話。なので現代(10年後の未来?)のX-MENほかミュータントたちと73年のミュータントたち(「X-MEN:ファーストジェネレーション」の人たち)が総登場するという豪華内容(あの人やかつて残念退場だったあの人まで!)。

 まずは20世紀フォックスのロゴが出ますが暗転の際にちょっとだけ”X”の文字が光り残るというお遊びが。あとテレビ画面に「スタートレック」のカーク船長が映っている(プロフェッサーX役の人がスタートレックのピカード船長もやってるからというお遊びか?)。あと本作もまたエンドロール後に次へとつながるカットがあるので最後まで席を立ってはいけません…というかいい加減アメコミヒーロー映画はほぼ全部あるんだから気づけよ、とすら思う(今回もすぐに帰ってる人がいた)。


 話はかなりぎっちり詰まっている印象で、前後編に分けても良かったんじゃないかなぁという気もしますね。いままでのシリーズの総決算的なところもありかつての作品(少なくとも「X-MEN1~3」「ファーストジェネレーション」の4作)は観ておかないと「誰?」っていうキャラもけっこういる。
 センチネルというマシンは未来版と過去版の2種出てくるんですが、未来版の方の戦いをもっと見たかったなぁという気はします。X-MENたちもまったく歯が立たないという設定なのでほどほどにしているんですが。


 というわけで、
 観るスタンスとしては「細かいとこを気にせず映像のすごさだけに集中」(復習しない、過去作見てない→映像だけに集中3D吹き替えとか)と「ちゃんと過去作もわかった上で見る」(3Dで観たいけどこだわるなら吹き替えNGか?なら2D字幕)のに分かれるんじゃないでしょうかね~。
 これこそテレビで1ヶ月過去作おさらい放映とかしてほしかったかも。ただ映像は迫力満点だしキャラとかわからなくてもわからないなりに楽しめる作品ではあります。アベンジャーズほどサービス精神はないですが。


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渇き

2014年05月27日 | 日記
視聴環境:CS、字幕

 6月末公開の役所広司主演の邦画とはまったく関係ない2009年の韓国映画。主演はソン・ガンホ。

 神父のソン・ガンホは信仰を失い、伝染病のワクチンの人体実験を受けるがそのせいでバンパイアになってしまう。その上人妻に恋をしてしまい…

 コメディタッチとは言うもののかなりハードなところもありで、とにかく主人公ソン・ガンホの行動が裏目裏目に出てるんですよね~。それで話がどんどんのっぴきならない方向へと進んでいく。特に後半は完全にコントロールできなくなっていて、観ているこちらもどうこの事態を終わらせる気なんだろうとハラハラします。前半はうまく行っていたのにねぇ。

 ということで、
 バンパイア映画としては割と異色な方かもしれませんね。人妻役のキム・オクビンはなかなか難しい役だと思うしかなり見ごたえはありました。


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スターウォーズ:エピソード2 クローンの攻撃

2014年05月25日 | 日記
視聴環境:CS、字幕

 新3部作の2作目。
 2作目となると話はアナキン(後のダースベイダー)とアミダラ姫のゲロ甘いロマンスと果てしなく続く政治的駆け引きに巻き込まれるジェダイ評議会という、たいした面白くもない展開になっていきますね。

 ここではかつての3部作(エピソード4~6)で断片的に語られていたかの「クローン大戦」がいよいよ描かれる!という本当ならばファン大盛り上がりのエピソードになるはずだったんですが、いろいろとこなしておかないといけない段取り(なにしろエピソード3でちゃんとエピソード4につながるように終わらせないといけないので)のせいで話は一層せわしなくなった印象でした。

 アナキンとアミダラの二人がどうしてもお互い惹かれているように見えない…というか二人とも「愛してる」とか言ってる割にはなんか目が虚ろ。そうだろな~セットもなにもないグリーンの部屋で(後でCGで背景とか作るので)ちゃんとした段階も経ずにいきなりラブシーン演じろと言われてもそりゃあ棒にもなるわな。

 そしてあれだけ神秘的で魅力的だったジェダイという組織は、結局のところ元凶であるパルパティーンの陰謀にも気づかず、みすみすアナキンとアミダラを引き合わせ、アナキンとパルパティーンをより接近させてしまう。
 唯一3部作で一番ご苦労様キャラのオビワン(ユアン・マクレガー)だけが本作でも頑張ってるのがいいところ。


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スターウォーズ:エピソード1 ファントム・メナス

2014年05月24日 | 日記
視聴環境:CS、字幕

 99年に公開された新3部作の1本目。
 あらためて観るといろいろと気になるところはやっぱりありますよね~。

 CGによる緻密な背景を存分に見せたい!という気持ちがあるからなのか、場面転換するごとに遠景になるためどうもせわしない(そしてワンパターンな)印象を受ける。もちろん遠景→中景→キャラクターとカメラが寄っていく手法はオーソドックスなんですがあまりにも多い。

 ドロイド兵が弱すぎ。
 ジェダイたちが相手にならないほど強いというのは仕方ないにしても、ただ銃持ってるだけのでくの坊(はっきりいってやられ役)にしか見えない。そりゃあ中身人間のストームトルーパーに替えられるわ。

 アミダラ姫が侍女に変装してるのって変じゃね?
 もしものときのために1の途中までアミダラ姫は侍女が変装した影武者です。それはいいんですが、本当のアミダラ姫は侍女に変装して側にいる。しかしこれだと爆破とかの際一緒に死んじゃうし、場合によっては姫だけを人質に侍女皆殺しとかだってあるはず。影武者を用意するなら本当の姫は安全なところにいるべきなんでは?(コルサントとか)一緒に行動したら意味ないだろうとは思った。それにアミダラ姫(影武者)が侍女のパドメ(アミダラ姫の変装)にドロドロになったR2-D2を磨くよう命じるシーンがあるけど、あれってなんだろ?侍女に嫌われてるのか?アミダラ姫。

 それ以外にもスターウォーズのファンとしては、不人気キャラ、ジャージャーが本作以降出番がどんどん少なくなっていったりするのもあれだし、割とお気に入りキャラのダース・モールが本作だけの登場でがっかりしたりと残念なところもありますね。


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ブラス!

2014年05月22日 | 日記
視聴環境:CS、字幕

 以前テレビ放映の時に15分時間がズレて始まったとかで録画の最後15分ほど入っておらず、ラストどうなったかわからなかったということがあったんですが、やっと今回最後までちゃんと見ることができました。

 96年イギリスの映画。
 閉鎖問題でゆれる炭坑の村を舞台に坑夫のブラスバンドを描いた作品。実話が基になっていてバンドメンバーの一部やサントラ版の演奏などもモデルとなったバンドがしている。炭坑閉鎖が舞台となっているのでは「フラガール」とかもそうですね。フラガールの場合は主人公は女性なので家族が坑夫となりますが、閉鎖反対のストであるとか、スト破りとか町を離れる人とか本作と共通点になる部分も多いです。

 タイトル「ブラス!」と感嘆符がついてなんだかわかりにくいですが、原題の「Brassed off」(怒っているとかうんざりしているって意味)とブラスバンドのブラスを掛けているので、その意味がわかってないとラストの展開と「!」が付いている意味が繋がらないですよね。夢を追うのも大切だけども夢だけでは食っていけないのだというようなことを実に切実に描いていると思います。

 ブラスバンドの話なので、曲がたくさん出てきて楽しいんですが、序盤に出てきた曲、なんか知ってるなと思ったら押井守の「イノセンス」のエンディング曲「follow me」の原曲、アランフェス協奏曲第2楽章でした。元曲があったんですね~。そしてヤマ場はウィリアムテル序曲と有名曲で圧巻。映像的にも素晴らしかったですね。そしてなんといってもエンドクレジットの際の2階建てバスの上で流れる夜景の中でバンドが演奏する威風堂々も、これからの人生に対するエールのようで、切なく胸に残るシーンでした。

 ということで、
 見逃していたのは予想以上にいいシーンでした。観てよかったです。

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アメイジング・スパイダーマン2 IMAX3D

2014年05月22日 | 日記
視聴環境:映画館、字幕、IMAX3D

 鑑賞2度目。
 今度はIMAX3Dで観てきました。とにかく高い!2300円也。
 IMAX3Dは特別料金設定になっていて、朝イチやレイトの割引、ポイント使用による無料鑑賞などが一切できないことになっている。もちろん劇場で観られる映画としては最高のスペックなのは認めるけども、一度っきり2時間ほどのサービスのために2000円強(プラス交通費)を払うのはやっぱりよほど映画館で観るのが好きな人じゃないと敷居が高いよなぁと思います。自分もよほどのことがないとIMAXは利用しません(大抵は朝イチかレイトの安い料金のとこで観るので)。

 今回は2度目の鑑賞なのでストーリーは頭に入っているということで、より映像に集中して見られたんですが、やっぱりグウェンは可愛いのう~!ハリウッド女優はあんまり自分の好みと違います。特にサム・ライミ版スパイダーマンのヒロインだったキルステン・ダンストとか割と老け顔だと思うし。けど本シリーズのヒロイン、エマ・ストーンは日本人好みのかわい子ちゃんという感じですね。目がくりっとしてて笑顔もキュートだし。さらに主人公のアンドリュー・ガーフィールドとエマ・ストーンは実際に付き合っているふたりなので、作中の二人の”心が通じている感”が滲み出てていいですね。グウェンを足止めして一人で敵のもとに向かうスパイダーマンに思わず「ピーター!」って叫んで「ハッ!(いけない!)」って口を押さえるシーンとか可愛すぎます。

 そして本作は音楽がすごく印象的でいいですね。
 あんまり音楽とか良くわからないで観てる自分ですが、本作はスーパーヒーロー然としたテーマソングもいいし、本作のメインヴィランである電気人間エレクトロに関する曲、さえない男の哀しみと滑稽さを表現したような物悲しいメロディーとその後に展開する大爆音の「My enemy」どちらもいい。

 ストーリーは1回目に観た時の印象と変わらずいい出来だと思ういます。NYの高層ビルの間を飛翔するスパイダーマン。高所恐怖症の人なら卒倒するような臨場感のあるシーンだし、ストーリーのメインになっているグウェンとの恋愛シーンもいい。というかグウェンがスクリーンに映っているだけでただもういい!という感じです。もちろんガーフィールドも好感が持てていいカップル。エレクトロのシーンは電気を放出するという設定だけでも見ていて爽快感があるし、音も劇場で観れば大音響で胸に響く。そしてあのラスト。文句なしの出来だと思います。

 さて、そうなると「ダークナイト」と同じようにこれだけ盛り上がると第3作目はどうすればいいのかちょっと不安でもありますね。「2作目の方がよかったな」とはならないといいんですがね~。

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大いなる陰謀

2014年05月18日 | 日記
視聴環境:地上波放映、吹替

 2007年公開。ロバート・レッドフォード監督、出演作。オバマが当選したアメリカ大統領選の前年であったこともありきわめて政治的な内容。テレビで放映していたので観ました。一度観たとは思うんですが全然内容を覚えていませんでしたね~。

 これをあえていま放映するってのは、実際に日本で安倍政権が集団的自衛権について議論されている最中かなり意味があると思います。

 主要登場人物は6人で、主格はもちろん監督も努めるロバート・レッドフォード。大学教授役。政治の現状に嫌気が差している学生アンドリュー・ガーフィールド(「アメイジング・スパイダーマン2」の主役を演じている人)との面談。2つ目は時期大統領を狙うタカ派の上院議員トム・クルーズとその政治的プロパガンダに利用されようとしているジャーナリスト・メリル・ストリープ。そして大学教授の元教え子で兵士となり現在トム・クルーズの推奨する新作戦に参加している兵士2人。

 表向きの話としては、上院議員が実施しようとする軍事作戦、テロ撲滅のためのさらなる作戦とそれに懸念を示すジャーナリストの対立が主軸で、これが「過去への後悔」を表していて、同時に展開される大学教授と学生の面談は「未来への展望」を表しているように見えます。
 言いたいことはざっくり言うと「過去の過ちを素直に認めて悔いるのも確かに大事。けど未来から見ればまさに現在もまた”あの時冷静に判断していれば”という分岐点に他ならない。だからこそただ現状に不満を漏らすだけでなく、いまこそ冷静に判断しなければならない」
 ラスト、それぞれのキャラクターの”決断”が描かれる。メリル・ストリープはイラン戦争の際、政府の情報を鵜呑みにして戦争を起こす片棒を担いでしまったことを後悔しているが、結局また同じてつを踏んでしまう。学生のトッドはそんなニュース速報を見てなにか心に思うことがあるという描写で物語は終わる。

 作品のラストが完全にレッドフォードの問いかけで終わっているので、はっきりしたオチがない。けど現状の日本でも、未来から見て「なんであの時、こんなどう考えてもおかしいことに当時の日本人は反対しなかったのか?」といわれないように冷静に判断することが大切と思わされる内容でした。


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リーサル・ウェポンシリーズ

2014年05月18日 | 日記
視聴環境:CS、字幕

 いわずとしれたメル・ギブソン、ダニー・グローヴァー共演の80年代~90年代を代表するアクション映画シリーズ。1の公開が87年、4は98年。


 大好きなシリーズですがあらためて見直すと良くも悪くも前時代的なアクション映画だなぁと思いますね~。
 ポリティカリーコレクト(政治的に正しい)が叫ばれるようになって久しいですがそういう意味でもこのシリーズはまだ牧歌的というか寛容だった時代の作品だと思います。主人公リッグス(メル・ギブソン)は奥さんを失った現実から逃れることができずに自殺願望を抱いて自暴自棄になっている麻薬課刑事という設定で始まります。殺人課に移って家族持ちのベテラン刑事マータフ(ダニー・グローヴァー)と家族ぐるみで付き合ううちにリッグスも精神的な安定を得る。というのが縦糸になっている。が、リッグスの精神的安定とは裏腹に続編を経る毎にリッグスたちのメチャクチャさは度を越えていく。

 1でビルから飛び降りようとしている男と一緒に飛び降りた(下にマットが敷いてあった)くらいだったけど、2では崖の上に建つ敵の豪邸を倒壊させ、3では本筋とは何の関係もなく「赤青トラップ」の失敗でビルを丸ごと1棟木っ端微塵にした。おそらくこの”ビル倒壊シーン”は911以降の現在では撮影もできないし、放映もできないでしょう。
 6年ぶりの新作となる「4」の公開時に劇場でこの映画を観たとき、主人公たちふたりのあまりの傍若無人な捜査ぶりにちょっと引いた記憶がありますが、1から3を振り返るとそれまでもけっこう酷かったのがわかります。2ですでに敵が利用している治外法権を完全に無視してやりたいようにやってます。それだけじゃなく2が初登場となる小悪党のレオ・ゲッツ(ジョー・ペシ)の扱いもけっこう酷め。レオがふてぶてしくそれほど気にしないという性格のため薄まってはいるんですが今公開される新作だったら問題になっていてもおかしくないくらいの扱いです。
 そういうことは以前の作品からあったのですが、6年というブランクを経たために「4」ではそれが妙に鼻に付いたってことなんでしょう。特に怪しい中華料理店に話を聞きにいくシークエンスで、営業中にもかかわらず大声でわめきたて店をメチャクチャにするシーンは悪徳警官そのもので正直見ていて不快ですらありました。

 いまではなんの説明も根拠もなくこの手の派手なだけのアクションや展開は描けない。ただ手段を選ばない刑事ってのは受けないし。なのでもしかすると今の10代の若い世代が本作を観ると嫌悪感を持つ可能性すらあります。
 ということで、
 自分が若い頃楽しく観ていたアクション映画も、時間を経てあらためて観ると見え方も違ってくるという興味深い作品でもあります。逆にいまの殺伐としたアクション映画に比べるとハートウォーミングな部分も多くあるのでそれはいいところ。


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エイリアン2(完全版)

2014年05月17日 | 日記
視聴環境:CS、字幕

 ギーガー追悼ということでCSで放送していた86年公開の「エイリアン2」観ました。

 「ターミネーター」で注目された新鋭ジェームズ・キャメロン(当時)が抜擢された続編。SFにゴシックホラー的要素を持ち込むというスタイルだった前作と同じでは負ける!と踏んだキャメロンはガラリと作風を変えハインラインの「宇宙の戦士」的世界観で「今度は戦争だ!」(劇場公開時のキャッチコピー)とばかりに、未来の海兵隊VSエイリアンの群れというなんでもありの死闘を演じる。

 「宇宙の戦士」はのちにバーホーベンによって「スターシップ・トゥルーパーズ」と映画化されることになりますが、「スターシップ~」を観てから本作を観るとまさにキャメロンは「宇宙の戦士」を下敷きにしているってのがわかります。予算の関係で本家映画化で出せなかったパワードスーツもすでにパワーローダー(人型の乗り込み型ロボット)として登場させている。その後も「アバター」で似たような未来の機械化部隊を登場させているのでよっぽど好きなんですな。

 完全版ではいくつかのシーンが追加され、体がまっぷたつにされたビショップの脇から役者の胴体がちょっと見えるといったエラーも修正されています。

 ということで、
 おそらくシリーズ中ではもっともリピート視聴しているであろう本作ですが、あいかわらず楽しく観られました。エイリアンシリーズは作品ごとに監督や世界観が異なるのが魅力のひとつですが、本作はもっとも娯楽作然としていて素直に楽しめます。
 そしてやっぱりまた、ビショップ役のランス・ヘンリクセンの”ほっぺの線”が気になってしまう私。本人に直接聞きたいくらいです。


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