日韓防衛相が会談 年間交流計画の作成で一致、関係改善印象付け
木原稔防衛相は28日、韓国の申源湜(シンウォンシク)国防相と防衛省で会談し、両国の防衛協力・交流を活性化させることで一致した。韓国国防相の来日は2009年以来15年ぶり。韓国が同意に転じたことで実現した「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録に続き、日韓関係の改善を強く印象付けた。
会談で木原氏は、申氏に対し「訪日を決断いただいたのは、両国を取り巻く安全保障環境がより厳しさを増す中で大きな意義を有する」と謝意を示した上で、「防衛協力、交流の推進に向けた前向きな議論を行いたい」と述べた。これに対し申氏は、日韓は「価値を共有する国」「平和と繁栄のための画期的なパートナー」だと位置付け、「両首脳の持続的な努力に呼応し、国防分野の協力も強化することを期待する」と応じた。
会談では両国の防衛協力・交流を活性化させるため、年間交流計画を作成することで一致した。さらに防衛相の相互訪問の活性化▽幕僚長級の相互訪問の再開▽各軍種間の実務者協議の再開▽捜索・救難共同訓練の再開など部隊間の交流の活性化――について調整を進める。訪韓のタイミングについて木原氏は会談後、記者団に対し「間をおかずに実施することは重要だ」と述べた。
両氏は6月にシンガポールで会談した際、レーダー照射問題が区切りとなることを受けて、日韓米の安全保障協力の推進に加え、日韓でも防衛当局間の信頼強化に努めることで一致していた。【中村紬葵】