園庭で遊ぶ子どもたち。幼児教育・保育の無償化では、すべての3〜5歳児を対象に、保育園や幼稚園の利用料負担が軽減される
(朝日新聞)
保育園の利用料負担が軽減されるはずなのに、逆に負担が増えてしまった――。10月から始まった幼児教育・保育の無償化で、一部の保護者がそんな「逆転現象」を訴えています。調べてみると原因は、急ごしらえの国の制度と、自治体がこれまで自主的に進めてきた制度とのミスマッチでした。
「無償になるどころか、我が家は年間12万円の負担増です」
大阪府堺市で中学1年生から2歳までの4人の子どもを育てる女性(35)は、不満を隠さない。認可保育園に通う5歳と2歳の下の2人の子どもの利用料は今年度いっぱいまで無料だが、来年4月からは給食のおかず代として、1人あたり月約5千円ずつを支払うことになった。
なぜか。堺市ではこれまで、子どもの人数が多い世帯への負担軽減策として、上のきょうだいの年齢や保護者の年収に関係なく、認可保育園などに通う第3子以降の子どもと、第2子以降の4、5歳児の利用料を無料にしていた。この際、おかず代も利用料の中に含み、保護者の負担はなかった。
ところが、今回の国の無償化策を始める議論の中で、無料にするのは利用料のみとし、おかず代は別に保護者が園に直接支払うと整理し直された。おかず代は「家で子育てをする場合も生じる費用だ」などの理由からだ。
もちろん、国も無策ではない。これまでもあった生活保護世帯や、保育園を利用する住民税非課税(年収260万円未満)のひとり親世帯、一部の多子世帯に対し、おかず代の免除制度を持っていたが、無償化後は、対象を年収360万円未満の世帯まで拡大した。しかし、それ以上の収入のある多子世帯向けの免除制度には、上のきょうだいの年齢に制限があり、女性は対象から外れてしまった。
■免除対象拡大も実態調査せず
堺市では負担増になる世帯のおかず代を来年3月まで免除することにしたが、新年度からは「国の制度に倣う」という。幼稚園はもともとおかず代を実費徴収しており、担当者は「保育園の利用者にだけ免除を続けるのは公平性の観点からも難しい」と話す。市内には認可保育園などを利用する3〜5歳児が約1万人いるが、このうち2千人ほどが負担増に転じる見通しだ。
女性は「子どもが多いと負担が増えてしまう。少子化が深刻な問題になっているのに、納得がいかない」と嘆く。
こうした逆転現象は、独自に手厚い利用料減免制度を持っていた他の自治体でも起きている。千葉県市川市では、18歳未満の子どもが3人以上いる世帯向けに、3人目以降の子どもの保育園の利用料を月2万5千円減額してきた。無償化にともなっておかず代が実費徴収に切り替わることで、市内の認可保育園などに通う3〜5歳児約5千人のうち約280人が負担増になる。
甲府市でも、来年度から負担増になる世帯が生じる。市の担当者は「新たに認可外保育園が無償化されるなど、全体で見れば支援の範囲は拡大される」と理解を求める。
内閣府は、今回の無償化にあわせた免除対象の拡大で、すべての逆転現象が解消されるか、調査や検討は行わなかったという。
このおかず代云々ではない制度そのものがおかしかった間引き銭を税金扱いしている田布施のクズ一味が諸悪の根源