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さくらの大学ノート

さくらが日々想うことをつづります。
(旧だいがくしょくいんのたまご・ひよこ)

地域に開かれた大学のセキュリティ

2006年09月04日 | ニュース
こんなニュースがありました。


国公立だけ17大学で盗み92件、52歳男を逮捕 

奈良署は4日、大阪府立大(堺市)研究室で財布を盗んだとして、住所不定、無職本林喜久雄被告(52)(建造物侵入罪で起訴)を窃盗容疑で逮捕した。

 主に国公立大で盗みを重ねたと供述し、同署は京都、大阪、神戸大など4府県、17大学での計92件(総額約280万円)の犯行について確認した。

 調べでは、本林被告は8月17日、大阪府立大生命環境科学部の研究室で、女性教員(29)のかばんから約1万円や運転免許証入りの財布を盗んだ疑い。「私立大に比べ、国公立大の研究室は無人になるケースが多かった。警備員に見つかっても出入り業者を装った」と供述しているという。

 同署は、本林被告が定宿にしていた大阪市西成区の簡易宿泊所から、北海道、名古屋大の学生証など約3000点を押収。余罪があるとみて、追及する。

(2006年9月4日20時52分 読売新聞)



はじめは、備品などを盗んで、使ったり、お金に換えたりしたのかと
思いましたが、そうではなく、バッグやお財布を盗んだようですね。


犯人は私大に比べ、国公立のほうが盗みをはたらきやすかったと
言っていますが、へーそうなんだ…と単純に思いました。

犯罪は許せませんが、この人ある意味「超大学ウォッチャー」
ですよね。
その知識を生かしてセキュリティのコンサルタントになれば良かったのに。
活かし方間違えてます!


と、くだらない感想はおいといて。


地域貢献、大学の地域開放と、変質者や泥棒の侵入を防ぐセキュリティの
問題は、各大学とも事情がそれぞれで難しいんだろうな、と思います。

国公立と私立をこのような視点で比較したことはありませんでしたし、
日常の中で考えたこともなかったけれど、そう言われてみれば確かに、
国公立のほうがゆるいかも知れません。
北大に行ったときは、構内で風景画を描いている人がいたりして、
私はそれをすごくいいなと思ったのですが、それだけ自由に入り込める
ということは、隙を作ってしまうことにもなるのですよね。


私立でも、例えば私の母校の場合は、門がありません。
キャンパス内に市道が走っているので、近所の人通学路やお散歩コースにも
なっています。

「門の無い、開かれたキャンパス」の裏側を読んで、
セキュリティを心配する受験生はまずいませんでしたね。

でも実際には、警備員さんが巡回していましたが、女子トイレの中に男の人が
いた、というようなことはあったようです。
(同じ授業を受けていた子が、教室に逃げ戻ってきました。)

女子大なんかだと、セキュリティを厳しくしてもおかしいと思われない
と思いますが、
地域に開かれた大学のセキュリティ、一度考えておかないといけませんね。

学生のこともですが、自分のことも守らなければなりませんから。



大学の募集停止

2006年08月25日 | ニュース
Yahoo!ニュースよりメモメモ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060824-00000018-mai-soci

<東和大>学生確保難しく、09年度末に廃校 福岡

 工学部単科の東和大(福岡市南区)を運営する学校法人・福田学園は来年度の募集停止を正式に決め、文部科学省に報告していたことが分かった。東和大は在校生が卒業する09年度末をもって事実上廃校となる。理由は「学生募集に向け改善のめどが立たない」などとしており、同省によると、経営上の問題で4年制大学が廃校になるのは極めて異例という。
 文科省などによると、同学園の福田庸之助理事長らが22日夕、同省を訪れ、来年度の工学部の募集停止を伝えるとともに、書面を提出した。福田理事長は理由について「学生が集まらず、改善のめどが立たない。大学経営が悪化すると、併設の短大にまで影響が出かねない」と話した。既に法人理事会や評議員会、教授会に経緯を説明し了解を得たという。
 東和大は1967年創立。今春の新入生は、160人の定員を下回る約140人だった。57年創立で併設の純真女子短大(同)の知名度が高いことから、今春以降、名称を「純真」に変更し、新たに文系学部などを設置する方向で準備を進めていた。しかし、準備不足などから学部新設の認可申請を断念していた。既存の工学部だけでは今後も十分な学生数確保は困難と判断したらしい。
 同省によると、同学園が新学部を設ける場合、大学新設の認可が必要。廃校を巡っては、広島県の立志舘大学が04年1月、同省に「閉学届」を出している。
 理事の一人は「経営に関することであり、コメントするのはなかなか難しい」と話した。【大久保資宏】
(毎日新聞) - 8月24日10時14分更新



8月25日現在、東和大学のホームページにはコメントは
一切掲載されていません。


(文部科学省によると)
経営上の問題で4年制大学が廃校になるのは極めて異例

とありますが、今後「異例」では無くなる日が近づいてきて
いるのでしょうか…。



うっかりすっかり

2006年05月25日 | ニュース
Yahoo!ニュースの記事より。


センター試験「うっかり受験生」を23年間救済
 毎春の大学入試センター試験では、解答用紙のマークシートに受験番号をマークし忘れたり、誤記したりするミスが絶えないが、センターは1984年度入試以降、これら“うっかり受験者”を全員割り出し、「0点」にせずに通常通り採点していたことがわかった。

 今春のセンター試験でも約7000件のミスがあったが全員救済された。ミスをしたことや救済については受験生本人に知らせていない。共通一次試験が始まった1979年度入試から5年間は一律0点にしていたが、「あまりに気の毒」と方針を変えた。学力とは無関係のミスを救う「配慮」なのか、それとも「過保護」なのか。文部科学省も「難しいところ」と話す。
(読売新聞) - 5月25日3時7分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060525-00000001-yom-soci


素朴な疑問① なぜ、今、このタイミングで?

素朴な疑問② 誰が公表したの?

素朴な疑問③ うちの大学ではどうしているんだろう?



5月25日13時30分現在、大学入試センターのHPには、特にコメントは
掲載されていません。


ちなみに、平成18年度の大学入試センター試験受験案内には、受験番号の記載について、
下記のように書かれています。


P37 (E)試験 1受験に当たっての主な注意事項

(2)試験時間中の注意事項

 ② 解答科目,受験番号等のマーク記入
 ア 解答科目がマークされていない場合又は複数の科目にマークされている場合は、
  0点
となりますので十分注意してください。

 イ 受験番号が正しくマークされていない場合は、採点できないことがあります。


(該当部分のみ抜粋。太字も受験案内に沿って表示)


*解答科目がマークされていない、複数科目にマーク → 0点になると断言

*受験番号が正しくマークされていない場合→採点できないことがある


微妙に違っています…。

この含み…大学入試センターも、嘘はついていませんね。

実際には、採点できないことはなかったということですが。


1979年度入試から5年間は一律0点にしていたということなので、
なぜ1984年度入試からこのようになったのかを深く知るためには、
当時の、共通一次が社会や大学・高校・受験生にとってどういう存在で
あったか、ということを確認する必要があるかなぁと思います。

当時のことを覚えていたり、語れたりする人もたくさんいるのでしょうが、
私当時3歳だったので(^^;)さすがにね…。

記事を読むと、「温情で」という感じを受けますが、1984年度入試から、
うっかりさんをさくっと洗い出せるシステム(機械)が導入された、なんて
理由だったりして?それは冗談ですけど☆

当時のことについては、1980年前後のIDE(現代の高等教育)を読んでみようかと
思います。




それからもうひとつ。

この記事は、今後の受験生や入試にどの程度影響するのでしょう?

個人的には、受験生本人にはあんまり影響はないとは思いますが。
うっかりさんはうっかりさんだし、しっかりさんはしっかりさんでしょう。


ただ、「受験番号が正しくマークされていない場合は採点できないことがあります。」
というのは、『受験番号はしっかりマークしてね。じゃないと採点しないよ。』
というひとつの脅し文句ではあったと思います。
実際、解答用紙に不備があって採点作業が面倒になるのは入試の実施側
(大学入試センターに限らず、どこでも)ですし、お願いの意味もあるのかもしれません。

それが通用しなくなるのかなぁとは思います。
どうせミスがあっても採点してくれるでしょ、と気持ちになって油断したり。

あと、個々の大学で、受験番号記載ミスによって採点をせず、不合格にさせた場合、
「大学入試センターでさえOKにしているんだから、ちゃんと採点してくれ!」
なんてクレームが(親から)入ったりするかなぁ、ということも考えに浮かびました。

この受験生減少の折、個々の大学の場合の方が、受験番号記載ミスで不合格には
しないのではないかと思いますが…。




親子割引

2005年11月25日 | ニュース
みちのく湯けむりツアーの途中ですが、新聞記事をひとつ。
(↑前回のコメントより)

資格試験、親子で目指せ LEC 2割引き制度導入
 親子で資格を目指せば割安に――資格スクール大手の東京リーガルマインド(LEC、東京・千代田、反町勝夫社長)は受講生の親や子が新たに受講する場合、その受講料を二割引きにする親子割引制度を導入する。親子割引は携帯電話などで広がっているが、資格受験では珍しい。
 LECの各資格講座や、傘下の大学、大学院の講座が対象。五万円以上の講座を過去に受けたか受講中の人が、自分の親や子を新規受講生として紹介すると、その新規者の受講料(入学金などを除く)が二割引きになる。割引対象期間は十二月から来年三月まで。
 司法試験や公認会計士の講座で勉強している若者の親が定年後に備えてファイナンシャルプランナーの勉強をするといった利用を見込む。

(日本経済新聞 2005年11月22日(火曜日)朝刊 12面)



親子割引ですよー!どうですか、これ。大学でも。

兄弟割引みたいな感じで、学費を減免したりする制度はたぶんあると思うんですが、
親子って今までなかったと思うんですよね。

で、私のおすすめは、科目等履修制度の親子割。

今の学生(高卒+αで進学したいわゆる一般的な学生)の親世代が18歳だったころの
大学・短大進学率は全体で40%に満たないくらい(男女間の差はまだまだ大きい)
ですので、単純に言えば、6割の人は、大学という社会を経験したことがない、という
ことになりますよね。

文部科学省HP 大学・短期大学への進学率の推移(PDF)

しかもトロウがいうところのエリートからマスに移行したくらいのところで、
大学は誰もが行けるところではなかったと思います。

(実際、うちの両親も高卒です。父は夜間部に通っていたけれど、仕事が忙しくて
寝る時間がとれずにあえなく断念、母は行きたかったけれど、お金がないのと、
女子なのでってことで、あきらめ(させられ)たと言ってました。)

そこでまずは科目等履修生として、学んでもらって、
「ユニバーサルアクセス時代の大学ってこんなもんか」ということを体感してもらい、
大学で学ぶことに対する「今更」「私なんか」という感覚をとってもらう。

慣れてきたところで、本格的に学びたくなったら、入学を考えてもらうと。

子どもが在学中に科目等履修生で学ぶ場合は、1単位あたりの受講料を半額
卒業後5年以内に科目等履修生で学ぶ場合は、1単位あたりの受講料2割引

子どもが在学中に正規入学したら、子どもが卒業するまで授業料半額
卒業後5年以内に正規入学したら、1年目の授業料半額


こんな感じでどうでしょうか。


科目等履修生制度、私はすごくいいと思う制度なんですが、
あんまり知られていないんですよね…。

こうして科目等履修制度を利用して、年齢の高い方が大学で学ぶようになれば、
大学関係者の意識の中でも学生=18歳~22歳+αの公式が少しずつ崩れていくはず。


今やおじいちゃん、おばあちゃんも元気な時代なので、
親子割からもう1歩踏み出して、第2親等まで広げましょうか。

兄弟は、「兄弟割」があるから…。

祖父母に対しては、「孫割」
叔父・叔母に対しては、「姪っ子甥っ子割引」

ネーミングのセンスがない怜ひどいなこれ怜


だって「第2親等割引」って堅いでしょ怜


科目等履修生の制度が世の中に広まるし、幅の広い年齢層が大学に入ってくるし、
いいことづくしじゃないですかー。

…科目等履修生制度の担当部署(教務課か入試課かな)と経理課が、
いろんな入金といろんな受講生がいて面倒くさいっていいそうだけど。


子どもの進学先選びに一生懸命になりすぎるあまり、何もかもをお膳立てして、
子どものやる気や勢いをそいでいる親には大反対ですが、
自らが学ぶ意欲を持って大学に来てくれる親は大歓迎です。






教育って奥が深い。

2005年11月21日 | ニュース
2回連続拾い物でごめんなさい。


学校と私:競争による心の傷は消えない=日本教職員組合中央執行委員長・森越康雄さん 団塊の世代です。戦後のベビーブームの最初の時で、受験競争というより受験地獄と言われた時代でした。八戸一中(青森県)では、私たちの代から急に増えて、55から60人近いクラスが14~15あり、1学年700人以上いました。3年生になると、夏休みも冬休みもないような状態で学校で補習授業をやり、授業によって受験組と就職組に分かれました。八戸高では2年で理系、文系に分かれ、3年では成績別の学級。進学校だけに下位のクラスに入れられるとプライドが傷つき、やりきれない。卒業後に町で会っても顔をそむける人もいました。

 競争させる人、あるいはユーモアが通じない堅い先生を見てきたもんだから、学校の先生にだけはなりたくないという思いが強かったですね。高校3年の時、給料がよくて、いい生活ができると思って、工学部が第1志望でした。そんな時、出合ったのがロダンの画集。もともと絵を描くのは好きでした。しかし「美術なんかでメシがくえるわけはねえ」と父親に反対され、教育学部の美術に進む折衷案で話がつきました。

 ただ、岩手大(盛岡市)に行ってからも人前でものは言えないし、しゃべるのが商売の学校の先生なんか無理だと思っていました。転機になったのは教育実習。盛岡市の中学校でついたクラスが良かった。ベテランの女性教員が担任で、子どもたちと信頼関係がありました。「ああ、教室ってのはこういう雰囲気があるんだな。こういう仕事をやりたい」と思ったんです。

 成績別にクラスを分けるのが良いような言われ方をしていますが、下のクラスの子どもにとっては、その傷やしこりはずっと消えません。競争は残酷です。励みになる子もいますが、傷つく子の方がかなり多いと思います。競争させて、勝ち組と負け組をはっきりさせて、勝ち組にもどんどん競争させる社会は、ある意味で袋小路に入ってしまいます。私は大人に聞きたい。今の時代の子どもに戻りたいですか。私はつらいな。自分も、その子ども時代に帰りたくなるような環境をつくることが大人の責任だと思います。<聞き手・長尾真輔>

MSN毎日インタラクティブ 教育


あぁ、そっか、「私が戻りたくなるような大学を作っていく」そんなシンプルな思いって大事だなって、純粋に思ったので、引用させていただきました。

シンプルだけど、奥が深いですね。


若い職員さんたちと話をしていると、よく、

「(大学で働いていて)自分が一番楽しく働く。
 自分が一番楽しくなかったら、学生にとって楽しい大学なんて作れるわけないんだ。」

って言われます。


もちろん、この「自分が楽しい」という意味は、自己中心的な楽しさではないですよね。

学生と一緒にその場にいることを楽しめるということなのかな、って思います。


うれしい!たのしい!大好き!はドリカムの歌ですが、そういう気持ちって伝わっていくものなんでしょう。


「自分が戻りたいと思う環境はどっちだ?」
「自分が楽しいと思える大学って何だ?」

何かに迷ったとき、判断の基準になる軸をいくつか持っていると、人はきっと強くなれますね。