さくらの大学ノート

さくらが日々想うことをつづります。
(旧だいがくしょくいんのたまご・ひよこ)

親子割引

2005年11月25日 | ニュース
みちのく湯けむりツアーの途中ですが、新聞記事をひとつ。
(↑前回のコメントより)

資格試験、親子で目指せ LEC 2割引き制度導入
 親子で資格を目指せば割安に――資格スクール大手の東京リーガルマインド(LEC、東京・千代田、反町勝夫社長)は受講生の親や子が新たに受講する場合、その受講料を二割引きにする親子割引制度を導入する。親子割引は携帯電話などで広がっているが、資格受験では珍しい。
 LECの各資格講座や、傘下の大学、大学院の講座が対象。五万円以上の講座を過去に受けたか受講中の人が、自分の親や子を新規受講生として紹介すると、その新規者の受講料(入学金などを除く)が二割引きになる。割引対象期間は十二月から来年三月まで。
 司法試験や公認会計士の講座で勉強している若者の親が定年後に備えてファイナンシャルプランナーの勉強をするといった利用を見込む。

(日本経済新聞 2005年11月22日(火曜日)朝刊 12面)



親子割引ですよー!どうですか、これ。大学でも。

兄弟割引みたいな感じで、学費を減免したりする制度はたぶんあると思うんですが、
親子って今までなかったと思うんですよね。

で、私のおすすめは、科目等履修制度の親子割。

今の学生(高卒+αで進学したいわゆる一般的な学生)の親世代が18歳だったころの
大学・短大進学率は全体で40%に満たないくらい(男女間の差はまだまだ大きい)
ですので、単純に言えば、6割の人は、大学という社会を経験したことがない、という
ことになりますよね。

文部科学省HP 大学・短期大学への進学率の推移(PDF)

しかもトロウがいうところのエリートからマスに移行したくらいのところで、
大学は誰もが行けるところではなかったと思います。

(実際、うちの両親も高卒です。父は夜間部に通っていたけれど、仕事が忙しくて
寝る時間がとれずにあえなく断念、母は行きたかったけれど、お金がないのと、
女子なのでってことで、あきらめ(させられ)たと言ってました。)

そこでまずは科目等履修生として、学んでもらって、
「ユニバーサルアクセス時代の大学ってこんなもんか」ということを体感してもらい、
大学で学ぶことに対する「今更」「私なんか」という感覚をとってもらう。

慣れてきたところで、本格的に学びたくなったら、入学を考えてもらうと。

子どもが在学中に科目等履修生で学ぶ場合は、1単位あたりの受講料を半額
卒業後5年以内に科目等履修生で学ぶ場合は、1単位あたりの受講料2割引

子どもが在学中に正規入学したら、子どもが卒業するまで授業料半額
卒業後5年以内に正規入学したら、1年目の授業料半額


こんな感じでどうでしょうか。


科目等履修生制度、私はすごくいいと思う制度なんですが、
あんまり知られていないんですよね…。

こうして科目等履修制度を利用して、年齢の高い方が大学で学ぶようになれば、
大学関係者の意識の中でも学生=18歳~22歳+αの公式が少しずつ崩れていくはず。


今やおじいちゃん、おばあちゃんも元気な時代なので、
親子割からもう1歩踏み出して、第2親等まで広げましょうか。

兄弟は、「兄弟割」があるから…。

祖父母に対しては、「孫割」
叔父・叔母に対しては、「姪っ子甥っ子割引」

ネーミングのセンスがない怜ひどいなこれ怜


だって「第2親等割引」って堅いでしょ怜


科目等履修生の制度が世の中に広まるし、幅の広い年齢層が大学に入ってくるし、
いいことづくしじゃないですかー。

…科目等履修生制度の担当部署(教務課か入試課かな)と経理課が、
いろんな入金といろんな受講生がいて面倒くさいっていいそうだけど。


子どもの進学先選びに一生懸命になりすぎるあまり、何もかもをお膳立てして、
子どものやる気や勢いをそいでいる親には大反対ですが、
自らが学ぶ意欲を持って大学に来てくれる親は大歓迎です。






全国大学HP巡り~東北編②~

2005年11月23日 | 大学について思う
今日もせっせと全国行脚。

この時期ともなると、「オープンキャンパスなんて過去の出来事」とばかり、
サイトのどこにも情報が出ていない大学もいくつか見られます。

今日、一番苦労したのは、山形大学

トップページの「受験生の皆様へ」にはもう掲載されていません。

この時期に、オープンキャンパスの情報をほしがっているのなんて、
私くらいなもんだと思うので、別に載ってないのはいいんです。

ないんだろうと思って、でも国立大学は万が一、ということがあるので、
各学部のページへ飛んだら…

あった…怜同じ日にやってるくせに、みごとにバラバラ。

人文学部入学希望の方
 
  ・オープンキャンパスのポスター(PDF)
  ・学部説明会の詳細


地域教育文化学部受験生の皆様へ

  オープンキャンパスの情報なし。


理学部受験生の皆様へ 

   ・理学部体験入学・学部説明会のお知らせ


医学部(受験生の皆様へ)山形大学入学案内

   ・平成17年度オープンキャンパスについて
   (各学部オープンキャンパスの実施内容)(PDF)



工学部入学を志願する皆様

   ・工学部オープンキャンパス概要
   (これが上記医学部の「山形大学入学案内」のページに載っていました。)
   ・体験入学のご案内(山形大学工学部広報委員会からのお知らせ)

   ・体験入学アンケートから(事後情報)


農学部入試について

   ・キャンパス説明会


各学部のサイトの作りからしてバラバラですけども。

人文学部のところにあったポスターをみてもらうとわかるように、一応全体で
やってる雰囲気も醸し出されているのですが、学部によって、オープンキャンパスの
呼び名もバラバラ…。学部説明会、体験入学、キャンパス説明会…。

しかも、医学部のページから飛んだ「山形大学入学案内」というページは、
全学的にカバーされているように見えて(実際工学部の情報拾いましたし)、
他のサイトから飛ぶことはなく…。

どーなってんのよ!いやー、組織図見てみたい。


先日の勉強会で、お世話になってるTさん(最近アメリカから帰ってきたあの方)が、
『国立大学は「まず学部ありき」で来たから、全学挙げてのオープンキャンパスは
必要としていなかったんだよ。大学を選んでもらうのではなく、「学部」をみて
もらえば良かったから。』ということ言っていたけど、本当に、「学部」で動いて
いるんだなぁって、しみじみ感じちゃいました。




全国大学HP巡り~東北編①~

2005年11月22日 | 大学について思う
私の修士論文のテーマがオープンキャンパスだということは、
何度も書いていますが、そのオープンキャンパスをどのように広報しているか、
ということを調べるため、全国の大学のHPをめぐってみることにしました。

オープンキャンパスは広報活動の一環ですが、
そのオープンキャンパスの広報活動状況を調べる、というわけです。
(なんのこっちゃ。)


本当はオープンキャンパスシーズンの8月ごろやればいいのかもしれませんが、

建前:この時期なら、「来てくれてありがとう」という事後報告を
   出しているかどうかがわかる
   
本音:夏にやりそびれた(フィールドワークしてたからってことにして。)

というわけで、今やってます。


Yahoo!のカテゴリー『大学』→『地域別』で、都道府県別にアクセスできます。
これを利用して、都道府県ごとにまとめていくことにしました。

調査項目は、

・名称(オープンキャンパス、大学見学会、入試説明会 などなど)
・開催日
・申込みが必要/不要
・事前情報(やりますよ、という告知。ないところはないけど…)
・事後情報(報告、レポート。「終わりました」の一言だけ、は除く。)
・URL
・その他特記事項

これらをExcelでまとめています。(Accessは使えないから)


今日は、東北地方の1日目。


いやーいろんな大学のHPがありますね。
業者に依頼してガチガチに作っているところ。
手作り感があふれているところ。
トップからフラッシュバリバリで重いっちゅーねん!ってところ。
見ているだけでも面白いです。


調査結果は、またおいおい話していくとして。

ステキなHPを見つけたので、ご紹介。

以前マイスターさん(最近影響受けまくり、使いまくりでごめんなさい)が、
『おバカコンテンツで、インパクトあるメッセージを送る大学!』
というエントリを書いていましたが、これはどっちかっていうと癒し系です。


富士大学のWORDS CAFE

このESSENCE of "WORDS" は良かったですよ。


※ここでひとつ断っておきますが、あくまでも個人的な「良かった」であって、
このコンテンツで受験生をどこまで惹き付けられるかどうかは、正直わかりません。
(私が調べているのはオープンキャンパスで、サイトの有効性ではないので。)


でも私は好きです。これ。癒されました。

もともと「言葉」にすごく意味を持つタイプなんです。
自分自身は、あまりうまく使えていないし、いいことも言えないけれど。
私の本棚には、いろんなWORDS BOOKがたくさん並んでいます。


で、富士大学のこのコンテンツですが、富士大学生がそれぞれ、大切にしている
言葉と、そのエピソードが紹介されています。

感動しますよ。
親から言われた言葉、兄弟から言われた言葉、先生から言われた言葉…
と、そのエピソード。

富士大学生が撮影したキャンパスの風景と共に、紹介されています。

もっと読みたくて、うっかり資料請求しちゃいました。
(やっぱり資料請求につながるし、効果あるのかな。)


何より、いいな、って思ったのは、この言葉が、富士大学生のものだってこと。

世の中いろんな人が、いろんないいこと言ってますが、
自分のことを思ってくれている人が言う言葉ほど、胸を打つものはないですよね。


で、その大切な言葉を、大学のサイトから、世界に発信できるということ。

学生にとっては、ちょっとうれしいことだと思いませんか?


私の周りには、インターンシップの関係もあって、大学案内に載っている後輩が
たくさんいるのですが、やっぱり、大学の一員として、自分の大学を紹介できる
のは嬉しいみたいですし、いろんな経験をしてきたから、がんばっているから、
「大学案内」に載りたい!と思っている学生もいる、という話も聞いたことがあります。


キャンパスツアーガイドに学生を起用するのも、学生の成長を促し、自大学の理解を
深め、帰属意識を高める、という効果(体感に基づく持論)がありますが、

この富士大学のコンテンツも、それと同じ効果があるんじゃないかなって、思っています。


教育って奥が深い。

2005年11月21日 | ニュース
2回連続拾い物でごめんなさい。


学校と私:競争による心の傷は消えない=日本教職員組合中央執行委員長・森越康雄さん 団塊の世代です。戦後のベビーブームの最初の時で、受験競争というより受験地獄と言われた時代でした。八戸一中(青森県)では、私たちの代から急に増えて、55から60人近いクラスが14~15あり、1学年700人以上いました。3年生になると、夏休みも冬休みもないような状態で学校で補習授業をやり、授業によって受験組と就職組に分かれました。八戸高では2年で理系、文系に分かれ、3年では成績別の学級。進学校だけに下位のクラスに入れられるとプライドが傷つき、やりきれない。卒業後に町で会っても顔をそむける人もいました。

 競争させる人、あるいはユーモアが通じない堅い先生を見てきたもんだから、学校の先生にだけはなりたくないという思いが強かったですね。高校3年の時、給料がよくて、いい生活ができると思って、工学部が第1志望でした。そんな時、出合ったのがロダンの画集。もともと絵を描くのは好きでした。しかし「美術なんかでメシがくえるわけはねえ」と父親に反対され、教育学部の美術に進む折衷案で話がつきました。

 ただ、岩手大(盛岡市)に行ってからも人前でものは言えないし、しゃべるのが商売の学校の先生なんか無理だと思っていました。転機になったのは教育実習。盛岡市の中学校でついたクラスが良かった。ベテランの女性教員が担任で、子どもたちと信頼関係がありました。「ああ、教室ってのはこういう雰囲気があるんだな。こういう仕事をやりたい」と思ったんです。

 成績別にクラスを分けるのが良いような言われ方をしていますが、下のクラスの子どもにとっては、その傷やしこりはずっと消えません。競争は残酷です。励みになる子もいますが、傷つく子の方がかなり多いと思います。競争させて、勝ち組と負け組をはっきりさせて、勝ち組にもどんどん競争させる社会は、ある意味で袋小路に入ってしまいます。私は大人に聞きたい。今の時代の子どもに戻りたいですか。私はつらいな。自分も、その子ども時代に帰りたくなるような環境をつくることが大人の責任だと思います。<聞き手・長尾真輔>

MSN毎日インタラクティブ 教育


あぁ、そっか、「私が戻りたくなるような大学を作っていく」そんなシンプルな思いって大事だなって、純粋に思ったので、引用させていただきました。

シンプルだけど、奥が深いですね。


若い職員さんたちと話をしていると、よく、

「(大学で働いていて)自分が一番楽しく働く。
 自分が一番楽しくなかったら、学生にとって楽しい大学なんて作れるわけないんだ。」

って言われます。


もちろん、この「自分が楽しい」という意味は、自己中心的な楽しさではないですよね。

学生と一緒にその場にいることを楽しめるということなのかな、って思います。


うれしい!たのしい!大好き!はドリカムの歌ですが、そういう気持ちって伝わっていくものなんでしょう。


「自分が戻りたいと思う環境はどっちだ?」
「自分が楽しいと思える大学って何だ?」

何かに迷ったとき、判断の基準になる軸をいくつか持っていると、人はきっと強くなれますね。





今、幸せですか?

2005年11月18日 | ニュース
こんな調査があったんですね。面白かったので、メモメモ。


最も幸せな日本人像は 30代、都会暮らし、専業主婦
高齢者ほど「不幸」 阪大教授ら概念数値化
 男性よりも女性、高齢層よりも若年層のほうが幸せを感じているが、所得の高さと幸せは必ずしも比例しない-。大阪大学社会経済学研究所が全国の六千人を対象に行ったアンケートで、日本人の考えるこんな「幸福感」が浮かび上がった。「幸せ」というあいまいな概念を経済学的、社会学的な観点から数値化した極めて珍しい研究結果。調査データをもとに「日本で最も幸せな人物像」も浮かび上がらせており、同研究所では「一部のデータは国民の幸福を追求する政策にも生かせるのでは」としている。さて、あなたは今、幸せですか?
 調査は、同研究所の筒井義郎教授(経済学)らが昨年二月から、無作為に選んだ全国の二十-六十五歳までの六千人を対象に実施。訪問してアンケートを配布、回収する方法で約四千二百人(70・4%)から回答があった。
 アンケートでは、幸福感について、「非常に幸福」を十点、「非常に不幸」を〇点として、「あなたは何点になると思うか」という「幸福度」をたずねた。この結果、五点が最も多く25%。続いて七点が20%、八点が18%、十点も5・5%おり、全体としては幸福と考えている人が多いことが分かった。一方で、四点以下は13%にとどまった。
 この結果を約三十項目にわたって分析したところ、性別では、女性の「幸福度」の平均値が六・五一点に対し、男性は六・二七点で、女性の方がより幸せと考えている人が多かった。
 年齢別では三十代(平均値六・六点)が最も高く、次に二十代(六・四)が続いたが、四十代以降は加齢とともに不幸になり、六十代では六・二点に落ち込んだ。この結果は、海外の大学が行った調査と比べると逆の現象。アメリカやイギリス、ドイツでは三十歳代が最低で加齢とともに幸福度が増しており、若者に甘く高齢者に厳しい日本社会の傾向を表したともいえる。
 職業別では学生(六・九)▽管理職(六・八)▽専門技術職(六・七)▽事務職(六・五)-などの順。主婦も高かったが、専業主婦(六・七)とパート主婦(六・一)で差が開いた。
 学歴では、高学歴になるほど数値が上がっていたが、大学文系卒(六・九)に比べ、大学理系卒(六・八)はやや低く、短大卒とほぼ同じ。サンプル数は少なかったが、小中学校卒(五・七)と大学院修了(七・一)では一・四点の差が出た。一方で、所得(世帯全体)をめぐっては年収千五百万円までは所得が上がるにつれて幸福度も上昇したが、千七百万円以上になると逆に低下するという皮肉な結果も出た。
 居住地域では、政令都市などの大規模都市になるほど上がり、特に近畿と関東が高かった。これは、都市部のほうが高所得者が多いことに加え、利便性なども背景にあるとみられる。ノルウェーでは都市部と田舎での幸福度は変わらないという報告もあるという。
 また、非喫煙者と喫煙者では非喫煙者、ギャンブルをする人としない人では、しない人のほうが幸福度が高かったが、飲酒習慣で比べると大差はなかった。宗教心のある人とない人では、ある人のほうが、他人の生活水準が気になる人と気にならない人では、気にならない人のほうが高いという結果も出た。
 筒井教授は「何をもって『幸せ』と考えるかは人それぞれ。ただ、そうした主観的な幸福感を調べ、経済学に取り入れることで、机上の経済理論が現実社会により近づけるのではないか」と話している。
(産経新聞) - 11月18日3時29分更新




回答者全体の87%が幸せ寄りの回答をしているようですね。

改めて「幸せですか?」と問われたら…。


うーん、生きにくさを感じることは多々あっても、不幸だとは思わないから、

6点くらいかな。