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さくらの大学ノート

さくらが日々想うことをつづります。
(旧だいがくしょくいんのたまご・ひよこ)

都道府県立高校調査について

2007年04月03日 | ニュース
授業料:減免者、1割に 困窮鮮明、地域差最大12倍--都道府県立高校調査
 全国の都道府県立高校で、授業料の免除や減額を受ける生徒が05年度で23万人を超え、10人に1人近くに上ったことが、都道府県教委と文部科学省の調べで分かった。減免者の割合は、最も高い大阪府と最も低い静岡県では12倍もの差があり、財政難から制度を見直す自治体も出ている。家庭の困窮と地域格差の実態が浮き彫りになった。

(以下略。前文はエントリ最後に掲載)

毎日新聞 2007年4月3日 東京夕刊



どうしても気になったので、一言だけ。

静岡県が最も低いとあります。

「静岡の人はみんな裕福なんだなぁ」なんて思いました?

私も一瞬思ってしまいました(^^;)

しかし、静岡県出身の私、「いや、まてよ。」と。


静岡県は、公立校重視という地域性があります。
私立校はあくまでも2番手。公立校のスベリ止めとして受験されます。
公立校に行くために塾に通ったりするのです。
言い換えれば、塾に通う余裕のある家庭の子女が、公立校に進学するということです。

もちろん、私立校にも進学校や、スポーツ、文化の特色を持ったところや、いわゆるお嬢様学校など、「公立校の2番手」ではないところもありますけどね。


私の高校も、静岡県東部で最下位を争う超底辺校でした。
中学生のころ不登校だったので、当時は公立校には受け入れてもらえず、最初から選択肢として挙げられませんでした。
(ちゃんと通えるかわからない不登校の子を受けれいれなくても、ほかにいい子がたくさん受験するんですから、当然といえば当然ですよね。ただ、今では「不登校枠」のようなものが設けられている、という話も聞きます。)

そこで親不孝にも、お金のかかる私立校に行くことになったのですが、
私の友達や後輩には、片親(差別的だったらゴメンナサイ、なんていうんでしょう?)の子がたくさんいたんですよね…。

両親共働きでも結構苦しい我が家の状況を考えると、「大変じゃないのかなぁ?」と思っていました。恐らく学校独自の奨学金や減免制度もあったんだろうと思います。

片親=どの家庭も生活が苦しい、というわけではありませんが、私の母も片親で、苦労していた話を聞いているので、やはり収入の面で苦しいのは事実だと思います。


今回の調査は、都道府県立の高校のもの。
静岡県では、本当に苦しい部分の生徒は私立校にいる、ということも頭の片隅に入れて、記事を読んでいただけばと思います。


記事前文はこちら↓


授業料:減免者、1割に 困窮鮮明、地域差最大12倍--都道府県立高校調査

 全国の都道府県立高校で、授業料の免除や減額を受ける生徒が05年度で23万人を超え、10人に1人近くに上ったことが、都道府県教委と文部科学省の調べで分かった。減免者の割合は、最も高い大阪府と最も低い静岡県では12倍もの差があり、財政難から制度を見直す自治体も出ている。家庭の困窮と地域格差の実態が浮き彫りになった。

 都道府県立高校の授業料や減免の基準は、保護者の年収などに応じ都道府県が要綱などで定める。減免者は、96年度に10万9662人で、全生徒数中の割合は3・4%(全日制3・3%、定時制5・9%)だったが、98年度以後は毎年1万人前後増え続け、05年度は23万1493人で9・4%。全日制21万1560人(9・3%)、定時制1万7620人(19・6%)だった。

 都道府県別で生徒に占める割合が高いのは大阪(26・4%)▽鳥取(16・4%)▽北海道(14・6%)▽福岡(13・4%)など。低いのは静岡(2・1%)▽福井(2・8%)▽岐阜、愛媛(3・3%)などだった。

 背景について、各府県教委は「生活保護率が05年6月時点の試算で全国一。失業率も高い」(大阪)「道内経済が厳しい」(北海道)--と経済的苦境を指摘する声が多い。「権利として積極的に申請する保護者が増えた」(福岡)との指摘もある。

 学校間の差も大きく、大阪府では最も減免者の割合の多い学校は60・9%で、少ないのは5・4%。「進学校ほど少ない傾向」(大阪、鳥取、北海道、福岡)は、ほぼ共通している。

 財政難で減免基準の見直しを始めた自治体もある。大阪府は、両親と子供2人の標準世帯で「年収436万円以下」だった全額免除の基準を06年度から「年収288万円以下」に変更した。減免者は2割減ったという。埼玉県は、所得が生活保護世帯の1・3倍未満は全額、1・5倍未満は半額免除としていたが、07年度から半額免除を廃止し、両親と子供2人の標準世帯で年収330万円以下が全額免除となる。【野倉恵、高山純二】

 ◇授業料減免者の生徒数に対する割合(%)

北海道 14.6

青森  12.8

岩手   5.7

宮城   9.5

秋田   7.3

山形   5.2

福島   7.0

茨城   6.6

栃木   3.9

群馬   4.5

埼玉  10.1

千葉   6.8

東京  13.2

神奈川  5.7

新潟   7.8

富山   5.0

石川   6.5

福井   2.8

山梨   5.5

長野   7.1

岐阜   3.3

静岡   2.1

愛知   8.0

三重   6.9

滋賀   4.1

京都  12.3

大阪  26.4

兵庫  13.3

奈良  10.8

和歌山  8.4

鳥取  16.4

島根   8.5

岡山   7.1

広島  11.1

山口   9.6

徳島   8.9

香川   8.7

愛媛   3.3

高知   8.4

福岡  13.4

佐賀   5.1

長崎   9.2

熊本   8.6

大分   7.4

宮崎   8.5

鹿児島 10.3

沖縄   7.3

全国   9.4

毎日新聞 2007年4月3日 東京夕刊


喫煙の全面禁止と誓約書

2006年11月22日 | ニュース
読売新聞ニュースよりメモ。


禁煙徹底、全入学者に「誓約書」…中部学院大・短大 

岐阜県関市にある中部学院大学と同短期大学部は、来年度の入学者全員に構内や周辺での「禁煙誓約書」を提出させることを決めた。

 学校の敷地内や駐車場に加え、付近の幼稚園や養護学校などに配慮し、周辺100メートルの範囲も禁煙対象地区に指定し、禁煙を徹底させる。文部科学省の研究班によると、名古屋市の名古屋女子大が2004年春から学生に誓約書を取っているが、男女共学の大学では聞いたことがないという。

 中部学院大は現在、人間福祉学部が設置され、福祉や幼児教育に力を入れている。学生の主な就職先の福祉施設や幼稚園などは、喫煙者の採用を見送るケースがあり、今年4月から構内を完全禁煙にした。たばこの自動販売機もなくし、教職員も全員禁煙とした。

 禁煙誓約書はA4判で、来春の入試後、受験番号、学部、学科、名前、印鑑、生年月日を記入し、入学予定者は入学手続きの書類とともに郵送する。

 罰則があるわけではないが、「誓約書を書かせることで、徐々に喫煙者を減らしていく」としている。

(2006年11月22日3時6分 読売新聞)



今日は体調が悪いので、コメントはまた後日…。


慶應と共立薬科の合併

2006年11月21日 | ニュース
今日の読売ニュースよりメモ。


慶応大と共立薬科大が合併へ…08年目指し協議

 慶応義塾(東京・港区)と共立薬科大(同)は20日、合併を前提に協議を行うことで合意したと発表した。慶応は2008年4月に大学に薬学部、大学院に薬学研究科を新設する方針。予定通りに合併が行われれば、4年制私大の学校法人では1951年の日本大、東京獣医畜産大、52年の日本医大、日本獣医畜産大の合併以来、3例目となる。大学の志願者数と入学者数が一致する「大学全入時代」が来年度に迫り、大学の生き残り競争が激しくなる中で、今回の合併は注目を集めそうだ。

 合併は共立薬科大側が持ちかけ、昨年10月、慶応大に非公式に打診した。水面下で協議を進めた後、今月6日に正式に合併を申し入れ、慶応大が20日の評議員会で受け入れを決定した。07年3月、両大が合併協定書を締結する予定。

 共立薬科大では、今年度から薬学部が4年制から6年制に変わったことで、学生離れが進み、今年度入試の志願者数が前年度比で14%も減少していた。また、6年制への変更に伴い、病院実習の期間が大幅に増えたため、「病院を持たない薬科大学としては限界がある」と判断。医学部、病院、研究施設を備える慶応大との合併を希望した。

 一方、慶応大には、医学部や理工学部、看護医療学部などがあるものの、薬学部はなかった。このため、合併による新学部設立を新たな目玉とすることで、質の高い学生を確保できると判断したとみられる。

 慶応義塾の安西祐一郎塾長は「合併は、慶応大学にとって質的充実、発展につながる」と話した。私大の合併では、このほかに、関西学院大(兵庫県西宮市)と聖和大(同)が、2009年4月の合併を予定している。

 慶応義塾 1858年創立。大学の学生数は2万8012人。大学に医学部、経済学部など9学部、大学院には11研究科がある。

 共立薬科大 1930年設立。学生数は821人。薬剤師を目指す薬学科と薬学研究を行う薬科学科の2学科がある。

(2006年11月20日23時26分 読売新聞)



教育理念の異なる私立大学同士の合併は難しいと言われますが、
これは完全な吸収合併。慶應にとって、薬学部を補強することで
総合大学としてさらに強みを増すことになりますね。

共立薬科の卒業生も、母校がなくなるのは悲しいことですが、
「あの慶應なら…」という思いはあるはず。


  ↑と思いましたが、やはり自分の母校が吸収されて、それが
   慶應でもやはり悲しいですね…。

薬学部は不人気だと言われていますが、この合併ニュースで
どこまで盛り返していけるのでしょうか?


今後、総合大学が、自大学にはない学部を持つ単科大学を吸収する
という合併の形が、他にも出てくるのかもしれませんね。


追記:11月22日 読売新聞社説



11月22日付・読売社説(1)
 [慶応と共立薬大]「『合併』は再編時代の幕開けか」
 私立大学にまで再編の波が及んだ。少子化が進む中、大学を取り巻く環境の変化がもたらす時代の流れなのだろう。

 慶応義塾と共立薬科大が合併協議に入ることで合意した。慶応は2008年4月に薬学部と大学院薬学研究科を新設する。

 持ちかけたのは共立薬大の側だった。今年度から始まった「薬学部6年制」が影響した。修了年数が延びたことで学生離れが起き、共立薬大の場合、今春の入試で前年より14%も志願者が減った。

 学生の長期にわたる病院実習も必修化された。これを受け入れてくれる病院を確保する必要がある。日本有数の付属病院を持つ慶応との合併は、2年前から検討されてきたという。

 一方の慶応。すでにある医学、看護医療学部に、新たに薬学部を加えることによって、医師、薬剤師、看護師が協働して治療にあたる最新の「チーム医療」の現場教育が可能になる。学部新設で総合大学としてのブランド力も増す、という判断もあったのだろう。

 相互に「機能補完」を求める思惑が一致した合併だったと言える。

 4年制私大の学校法人の合併は、半世紀以上もなかった。国立大では04年の法人化を前に、経営基盤や教育・研究体制の強化のため再編・統合が進んだ。山梨大と山梨医科大、東京商船大と東京水産大など、各地で再編が実施され、100あった大学数は87になった。

 私大が合併をためらってきたのは、歴史や校風、入試の偏差値、立地など、条件の似通った「お相手探し」が容易でないためだ。合併で校名が消えることを嫌う経営者も多い。

 しかし、少子化の進展は待ってくれない。大学・短大全体の入学者数は93年の81万人をピークに、今春は69万人にまで減少している。にもかかわらず、私大の数は増える一方で、10年前の1・3倍の568校に上っている。

 今春の入試で、私大の4割が定員割れした、という日本私立学校振興・共済事業団の調査結果は衝撃的だった。前年度から一気に1割増えた。

 地方には、経営破綻(はたん)する私大も出始めている。学生から学びの場を奪うことだけは何としても避けねばならない。

 志願者を呼べそうな学部・学科の新設などでしのいできた都市部の著名私大も他人(ひと)事ではいられまい。関西学院大と聖和大(ともに兵庫県西宮市)も、09年4月の合併をめざし協議中だ。

 「大学全入時代」が間近に迫る。慶応と共立薬大の決断が、他の私大の多くの経営陣の背中を押す可能性がある。

(2006年11月22日1時33分 読売新聞)




「関西科学大学」設置申請取下げ

2006年11月18日 | ニュース
以前、2007年度の設置を申請している大学のリンク集を作りましたが、
そのうちの1つ、「関西科学大学」が設置申請を取り下げました。

京都新聞電子版よりメモ


学研に来春開学予定「関西科学大」 奈良 設置申請取り下げ
 学校法人奈良学園(奈良県大和高田市)が来年4月に関西文化学術研究都市の奈良市中登美ケ丘で開学を準備していた関西科学大(仮称)の設置申請を取り下げていたことが17日、分かった。大学設置準備室は「諸般の事情」としており、入試の中止について京都府内の高校にも連絡を進めている。

 同大学はスポーツ科学部と看護学部の二学部を設置する計画で、法人が運営する奈良文化女子短期大の定員を一部振り分ける予定だった。文部科学省に今年4月に設置申請を済ませていたが、今月15日に取り下げ、12月1日から予定していた公募推薦入試の受け付けやオープンキャンパスの中止などを関係各所に連絡している。

 学校法人奈良学園は短大のほか、奈良産業大、奈良学園中学高校などを運営、関西科学大の今後の計画については「検討中」(準備室)としている。



確かに、8月下旬の時点で、ホームページは開設されていませんでしたね…。

(11月20日 追記…関西科学大学のHP:お詫び


ホームページがなかったと言えば、ソフトバンク子会社の「サイバー大学」も気になっています。
生涯教育を重視した通信教育過程の大学とはいえ、2学部各950名の定員を集められるのでしょうか?

こちらはホームページが開設されたようですね。

サイバー大学ホームページ



北陸大学の指定校推薦

2006年09月17日 | ニュース
Yahoo!ニュースより。


<北陸大>すべての全日制高校を指定校に 入試での推薦
 金沢市の北陸大(河島進学長)は、07年度入試の指定校推薦で国内すべての全日制高校を指定校にする。高等専門学校を含む5238校が対象。指定校推薦は高校側との信頼関係の上に成り立つ制度で、高校から推薦されればほぼ合格する。文部科学省は「他に聞いたことがない」とし、高校側にも戸惑う声があるが、北陸大は「学生に意欲があり、教育の中身がしっかりしていれば能力はついてくる」として、志願者増を期待している。
 北陸大は75年創立の私学。4学部あり、全学生約2800人。07年度の入学定員は計506人で、うち薬学部と未来創造学部で全国の高校を指定校にして計200人を募集する。出願期間は10月10日~20日。筆記試験はなく、生徒には面接し、定員以上の応募があった場合は選抜を行う。
 06年度は両学部で指定校募集枠が計50人。指定校は薬学部67校、未来創造学部185校だった。
 河島学長は「機会を均等に多くの人に与えたい。入試制度に一石を投じたい」と話し、将来は一般入試廃止も検討しているという。一方、ある東京都立高の男性教諭は「『高校生なら誰でもいい』としか聞こえない。生徒に配る指定校一覧表には載せなかった」と語る。
 07年には、大学・短大の総定員数と志願者数が同じになる大学全入時代が到来する。大手予備校「代々木ゼミナール」入試情報センターの坂口幸世(ゆきとし)本部長は「一部の大学は、入試が選考ではなく、単なる募集になっている」と指摘する。【八田浩輔、高山純二】
(毎日新聞) - 9月17日3時8分更新



ということで、北陸大学のHPにも飛んでみました。


北陸大学の指定校推薦の詳細

平成19年度指定校推薦選抜
概要
募集人員
薬学部 120人
未来創造学部未来社会創造学科 40人
未来創造学部未来文化創造学科 40人

(*日程などは中略)

全国すべての高校が指定校
2007年度から、北陸大学は全国5200校の高等学校すべてを指定校とさせていただきます。そして、学びへの明確な意志を持つ全国の皆さんを受け止め、“北陸大学秘伝のタレ”とも呼ぶべき独自の教育方法で責任と愛情を持って教育します。



だそうです。


 私は個人的には、指定校推薦は反対派です。
 以前、母校で受験生対応の仕事をアルバイトでさせてもらっていたことは、このブログにも書きましたが(現在は辞めて違うアルバイトをしています)、見学に来る受験生の中で、最も意欲が少なく見えるのが、この指定校推薦選抜受験者だったからです。
 「ぶっちゃけ大学に入れればどこでもいい。でもとりあえずどんなところか見ておこうかな。」そんな雰囲気が漂っていました。親御さんと見学に来ることが多かったのですが、だいたい親御さんがメインで質問をして、子どもはそれを聞いている、そんな対話でした。
 私の母校は、首都圏の中堅クラスの文系総合大学で(というか、私の通っている大学院に目星をつけている人はそれでわかるでしょうが)、AO選抜、公募制推薦選抜などは不合格者もでていますから、特にうちの大学だけが意欲の見えない受験生があつまるというパターンなわけではないと思います。
 「指定校推薦=高校の推薦さえ取れれば受かる」という構図の中で、どれだけ受験生の意欲を高められるかは疑問なのです。
 ニュースの中で、『北陸大は「学生に意欲があり、教育の中身がしっかりしていれば能力はついてくる」として、志願者増を期待している。』という話が載っています。同じ私立でも上位校(早慶・関関同立など、今でも憧れを持たれる大学)なら話は違うかもしれませんが、中堅以下校で、指定校推薦で意欲を持つ学生を集めるのは、容易ではないと思います。

 そもそも指定校推薦という制度はどのような意味を持って設けられた選抜方法なのでしょう?私は今まであまり考えたことがありませんでした。盲点でしたね。
 大学が、トロウの言うエリート大学だったころは、指定校推薦枠というのはとても有効なものだったと思います。高校側も、大学進学者を1人でも多く出して実績に結び付けたいでしょうから、責任を持って推薦するでしょう。ヘタな生徒を推薦してしまえば、次年度の指定校枠が危ぶまれますからね。
 しかし現在はもう大学が入学者を選ぶ時代ではなく、入学者が大学を選ぶ時代になりました。高等教育機関への進学率は70%を超え、就職のためには『大卒』の方がいいかな、などと考えられるこのような時代においては、指定校推薦は高校にとって「やりたいことも見つからないしとりあえず大学へ」という生徒を大学へ放り込む(言い方が悪くてすみません)恰好の制度にしかなりえない、という気がするのです。
 このようなことが起こりうることに対して、高校側を責めるつもりはありません。指定校推薦の制度がある以上、そのように使われても仕方がない、文句は言えない、と思うのです。だから、指定校推薦には反対なのです。

 それでも、目的が絞り込まれていて明確であれば、指定校推薦制度はあってもいいのかな、と思います。例えば、公立大学の場合。都道府県立大学、もしくは市立大学ということになりますが、その都道府県・市民の教育に貢献するという意味で、その都道府県・市に設置されている高校に指定校推薦枠を設けるのは、理にかなっていると思います。
 それから、高校の専門学科とそれに対応する大学、学部・学科の場合。工業高校に工業大学(学部)の指定校枠、とか、音楽科に音楽大学(学部)の指定校枠、というカタチです。もちろんこれらは実際に行われていると思いますが。
 それ以外の指定校枠については、数も少ないでしょうし、廃止してその分の募集定員を公募制推薦やAO選抜、一般選抜に回してもいいのではないかと思います。

 北陸大学に話を戻します。今回の最大の疑問点は、「なぜ指定校枠が全国区なのか」ということだと思います。目的がさっぱりわかりません。だからニュースのように「『高校生なら誰でもいい』としか聞こえない。」と言われてしまうんです。
 私の上記の理論でいえば、私が指定校枠を全国に設けて理解できるのは国立大学だけですよ(独法化されたから、「百歩譲って」です。現実にはないと思いますけど)。

 ニュースの言葉尻を取り上げて批判したくはないのですが、北陸大学学長は「機会を均等に多くの人に与えたい。入試制度に一石を投じたい」と話していますね。でも、指定校推薦が現役高校生対象である時点で浪人生は受験できませんから、機会均等でもなんでもないと思います。
 最近「機会を均等に多くの人に与えたい。入試制度に一石を投じたい」という名目で置かれるのは奇抜な手法の「AO選抜」ですよね。ここではAO選抜とは何かという議論は横に置いておきますが、あらゆる大学であらゆる「AO」という名前のついた選抜が行われるようになって、AO選抜を特化しても目立たないから「指定校推薦」にしたのでしょうか。

 入試制度に一石が投じられたとは思いませんが、私がこうして考えさせられたと言う意味で、私の心には一石が投じられました。

 最終的には、まぁ、どんなやり方で学生を集めても結構です。
 学生がこの大学でよかったと思うような教育を提供し、社会に出てからも、自分の足で歩いていけるような力を身に付け、世に送り出すことが出来れば。4年後の学生が満足しているのならいいです。
 石川にはあの「金沢工大」もありますからね(^^)「秘伝のタレ」に期待しましょう。