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さくらの大学ノート

さくらが日々想うことをつづります。
(旧だいがくしょくいんのたまご・ひよこ)

開いていること。

2012年11月04日 | ニュース
こんにちは、さくらです。
夕暮れ時のカフェのテラスで、PCを開いてみました。
書きあがるころには、日も落ちて、寒くて店内に戻っていそうですけれど


さて、私も先日、田中文科相が2013年度開設予定だった3大学を一転して不認可としたことについて、エントリを書かせていただきましたが、ブログやFacebook、Twitterなどさまざまなところで、大学関係者の方々が、ご意見を述べられていますね。

私自身の記事は、かなり感情的な側面に寄ってしまっているなと自覚しつつも、直接、大学に関わらない方(友人・知人たち)にも、大学という組織体の中に「人」が存在するという側面を知っていただきたかったので、そのままアップすることにしました。

別の側面の意見をお持ちの方もいらっしゃいますし、Twitterなどは匿名性も高いので、誰とは言及せずに、間接的に批判し合っているような、空中戦を目にすることもあります。

私は、私と別の、それこそ真逆の、田中大臣のアクションに賛成される方が身近にいたとき、「そういう視点もあるんだな」と思って、読むようにしています。

私たちにとって大切なのは、別の意見に対して「開いていること」だと思うのです。

自身とは別の考えを目にすると、真剣に考えていることであればあるほど、「それは違う」と否定したくなったり、文章の一部分や言葉だけを取り上げて批判したくなったりする心の動きはわかります。でもそれだけでは、事態は良くなりません。

設置審の在り方や、経営に問題がある大学への対応、大学教育の質保証や教育・研究の推進など、田中大臣の問題提起自体は、これまでも議論されてきたことですし、改革が前進するならば、喜ばしいことだと思います。

その時に必要なのは、意見をぶつけ合うことではなく、異なる意見を受け止めて議論すること、ですよね。
否定するだけでは、閉じていることと同じ。反対意見を述べる時には、自分の意見を語ると同時に、少し隙間を空けて、互いの意見を聞き入れる姿勢が必要だなと思います。“高等教育”関係者ですものね。


もうひとつ、さらに残念だと感じるのは、どこの現場にも立たずに、高所から評論家のように語られること。
鳥の目を持つこと、森を見ることは大切ですが、当事者性を持たない言葉は、現場の関係者にまず失礼ですし、一考あればこそ、その方自身の言葉で、具体的なご意見を聞かせていただきたいものです。


ここ数日、さまざまな意見が飛び交うのを見ていて、そんな風に感じました。


今回のことで、改めて、大学はただ形として存在するのではなく、「人」がつくりあげているものなのだということを実感しました。

3大学が連携して撤回を求めるという動きも報じられていますし、今回の不認可については、白紙になることを願います。


不認可の3大学、撤回求め連携 理事会で「あきらめぬ」

 田中真紀子文部科学相が大学新設の申請があった3件を不認可とした問題で、不認可とされた秋田公立美術大、札幌保健医療大、岡崎女子大(愛知県)は3日、3大学が連携して田中文科相に不認可の撤回を求めていく方針を確認した。

 岡崎女子大の開学をめざしていた学校法人「清光学園」(同県岡崎市)では3日の理事会で、「あくまで4年制大学の開設はあきらめない」との方針を確認。当面、募集要項を請求したり、説明会に参加したりした高校生に個別に連絡し、対応にあたる。

 また、運営する岡崎女子短大のインターネットのホームページに、今月末に予定していた4年制大学の入試が実施できなくなったことをおわびする「お知らせ」を掲載した。

朝日新聞デジタル 2012年11月3日



さ、寒くなってきたので、カフェの店内に戻ります

2013年開校予定の3大学の不認可

2012年11月03日 | ニュース
今日、大学関係者はこのニュースでもちきりでしたね。



田中文科相、3大学新設認めず…審議会答申覆す

 田中文部科学相は2日の閣議後記者会見で、文科相の諮問機関「大学設置・学校法人審議会」が2013年度の開校を認可する答申を行った大学3校について、不認可としたことを明らかにした。

 大学の質の低下が進んでいるため、大学設置の認可を審査する審議会制度を抜本的に見直すという。田中文科相は「見直しを行う間は、大学の新設を認めない」としている。

 文科省によると、審議会の認可を大臣が覆すのは、過去30年では初めて。同省は3校に問題はないとしているが、3校は来春の開校ができない見通しになった。

 記者会見で田中文科相は、文科省が先月、ずさんな経営が続いた学校法人「堀越学園」(群馬県高崎市)への解散命令を決めたことに言及。「大学はたくさん作られてきたが、教育の質自体が低下している。そのために就職が不可能ということにもつながり、大学同士の競争の激化で、運営に問題も出ている」と述べた。

(2012年11月2日13時52分 読売新聞)



各新聞社、TV局等が報道していますが、私が最初に確認した記事がこちらでしたので、引用させていただきました。

また、大学関係者の方々、TwitterやFacebook等でさまざまなコメントもされており、共感するコメント目にしておりますが、私が感じたことをいくつか。


まず、今回の3大学が、田中大臣が「バリバリやるわよ!」という気合の表れとしての「見せしめ」のように使われ、不認可となったことに憤りを感じました。
3大学それぞれの設置申請の内容に不備があるというならいざ知らず、田中文科大臣のコメントにある「大学の数が多い」「教育の質低下」等々は、大学業界全体の課題ではあっても、直接3大学の不認可には結びつかないのです。
“たまたま”のタイミングで、不認可にされる道理はないのです。

まして、堀越学園のずさんな経営については、特別な、特殊なケースであり、定員割れを起こしているすべての大学が、このような劣悪な経営を行っているわけではありません。
(このあたりの話は、私の指導教授であった高橋真義教授が、いずれどこかでコメントするのではと思います。
※11/3追記 「創造学園大学の解散と3大学の認可ストップに想うこと!!!」として書いてくださいました。)


「大学の数が多い」ということも言及されていますが、「魅力が(伝わって)ない大学が多い」「変化する社会に対応できていない大学が多い」のであって、この生涯学習時代にあって、社会人が学びやすい大学は少ないですし、アメリカにおけるコミュニティカレッジのような、誰もに高等教育の機会を開いている大学も少ないのが現状ではないでしょうか。

設置審や中教審、各分科会の在り方やメンバーに疑問を感じないわけではありませんが、そこにテコ入れすることと、今回の3大学を不認可にすることを、同じ理屈で語ることはできません。

この段階で覆すというのであれば、田中大臣には3大学の申請内容を吟味し、その理由を明確にした上で、不認可を宣言していただきたいものです。


大学の開学申請には、申請するまでにも多くの準備が必要です。
たくさんの時間をかけ、多くの人を巻き込みながら、作り上げていきます。

例えば教員。
申請を出す段階で、どのような教員がどのような科目を担当するのか、すべてまとておかなければなりません。
そして開設後は、完成年度を迎えるまで(一期生が4年生になり卒業を迎えるまで)、原則、その大学を離れることはできないのです。

例えば職員。
教員や校地・施設・設備の手配のほか、学内外と調整をはかり、時には文科省の担当者に連絡・相談しながら、時間をかけて書類をまとめます。
申請すれば終わりということもなく、広報をして、施設・設備を整えて、万全の体制で一期生を迎えられるよう、準備を進めてきたはずです。

例えば受験生。
入試の実施自体は年明けになりますが、自宅からの通学圏内で志望校を選択する受験生も増えている中、希望の分野の大学ができることを喜んでいた受験生もいるかもしれません。
新設校であること、自分たちが作っていく大学ということに、期待を持っていた人もいたでしょう。
(私自身、新設大学や新設学科のを志望校にしていました。)

例えば地域の人たち。
地方において、大学、大学生の存在がどれほど地域活性化に力を発揮しているでしょうか。
アパートや飲食店・商店といった経済効果だけではないはずです。



多くの人の人生が関わって、大学は出来ています。


私たち日本国民が「大学とは何か」を考えるきっかけをくれたことには感謝しますが、3大学の関係者に配慮をした上で、ご判断いただきたいものです。


【参考】
学校法人吉田学園
 札幌保険医療大学(仮称)
 札幌保健医療大学(仮称)平成25年度設置不認可に対して(PDF)

秋田公立美術大学

岡崎女子大学(仮称)

平成21年度の初年度納付金平均額

2010年06月09日 | ニュース
文科省のHPに、「私立大学等の平成21年度入学者に係る学生納付金等調査結果」が発表されたので、リンクをメモしておきます。

私立大学等の平成21年度入学者に係る学生納付金等調査結果について

以下、PDFファイル内には、学部(研究科)系統別の平均額も記載されています。

■大学・短期大学・高等専門学校
■大学院


平成23年度開学予定の大学等について

2010年04月18日 | ニュース
平成23年度開学予定の大学、短大、大学院大学の設置認可について、
4月16日に文科省のHPに掲載がありました。

平成22年3月末申請の大学等の設置認可の諮問について


公立大学(1校)
■福山市立大学(広島県福山市)
 教育学部 児童教育学科
 都市経営学部 都市経営学科

私立大学(6校)
■東京医療学院大学(東京都多摩市) 学校法人常陽学園
 保健医療学部 リハビリテーション学科(理学療法学専攻・作業療法学専攻)

■日本映画大学(神奈川県川崎市) 学校法人神奈川映像学園
 映画学部 映画学科

■京都華頂大学(京都府京都市) 学校法人佛教教育学園
 現代家政学部 現代家政学科

■大阪物療大学(大阪府堺市) 学校法人物療学園
 保健医療学部 診療放射線技術学科

■宝塚医療大学(兵庫県宝塚市) 学校法人平成医療学園
 保健医療学部 理学療法学科・柔道整復学科・鍼灸学科

■純真学園大学(福岡県福岡市) 学校法人純真学園
 保健医療学部 看護学科・放射線技術科学科・検査科学科・医療工学科


私立短期大学(1校)
■埼玉東萌短期大学(埼玉県越谷市) 学校法人小池学園
 幼児保育学科


私立大学院大学(2校)
■文化政策大学院大学(京都府京都市) 学校法人京都知芸学院
文化政策学研究科(通信教育課程)文化政策学専攻(M) 

■滋慶医療科学大学院大学(大阪府大阪市)学校法人大阪滋慶学園
医療管理学研究科 医療安全管理学専攻(M)


(今後、リンクも付けていこうと思います。)


今年も大学は医療系が多いですね。
また、埼玉県内には保育者養成課程を持つの短大が多い印象がありますが、
さらにまた1校、設置申請がありました。

今後、学部・学科の申請(認可/届出)が公表されると思いますが、
どのような分野の申請になるのでしょうか?


民間学生寮の人気

2010年01月10日 | ニュース
安心“寮くん”管理人がいて食事も、掃除なし
 大学受験シーズンも本番。春からの「新生活」を思い浮かべながら頑張る受験生もいるだろう。女子大生が狙われた事件や新型インフルエンザの流行など、何かと物騒な世の中で、管理人住み込み、食事付きの民間学生寮が人気らしい。
(2010年1月9日17時41分 読売新聞)

全文は、続きを読む↓へ

寮に注目が集まっているようですね。

先日、50歳過ぎたくらいに、大学の寮のオバチャンになりたい!とひらめきました。

ただ、私が考えたのは、もっとコミュニティに近い学生寮です。
学生寮ですが、リタイアした人の人材バンク的な老人ホーム(介護が主目的ではなく、高齢者対応マンションみたいなイメージの積極的に入りたくなる家)が隣接していて、入居者の方が、寮のご飯作りや掃除などをやりつつ、学生の人生相談にも乗って、大学の授業を一緒に受けることもできます(生涯学習です)。
授業を受け持ってもいいですよね。
さらに、寮のそばに畑を作り、学生寮&ホームの入居者が一緒に野菜作りして、その野菜を食卓に出します。
大学内に保育所を作って、教職員&学生の子どもたちを預かり、ホームの入居者がその子どもたちの面倒を見て、学生たちも一緒に遊びます。学童保育や、地域の障害者に対応した施設を設置してもいいと思います。

人との触れ合いばかりの寮。学生は「わずらわしい」と思うでしょうか?
「温かい」と思うでしょうか?

管理や監視ではなく、人間関係で安全を作り、学生を守れるようなコミュニティを作れたらいいな、と思うんです。

何よりも私が一番入居したいです。いかがでしょうか?

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安心“寮くん”管理人がいて食事も、掃除なし

 大学受験シーズンも本番。春からの「新生活」を思い浮かべながら頑張る受験生もいるだろう。女子大生が狙われた事件や新型インフルエンザの流行など、何かと物騒な世の中で、管理人住み込み、食事付きの民間学生寮が人気らしい。

 ◆病気には親代わりの世話も◆
 「40度の熱が出ちゃいました」。昨年11月、東京・新宿区の男子寮「西早稲田学生マンション」。早稲田大国際教養学部1年の中村雄輝さん(19)がふらふらになって食堂に駆け込んだ。
 調理師が本職の管理人、足立忍さん(45)が近くの病院を紹介してくれ、新型インフルエンザではなく「風邪」と診断された。完治までの9日間、足立さんはおかゆやうどんを作って個室に届けてくれた。
 「考古学者の父と母は中米にいる。親代わりになってもらい、心強かった」と中村さんは感謝する。
 昨春オープンした5階建ての寮には、7・5畳の個室が60。ベッドや机、冷蔵庫などが備え付けだ。朝夕食は食堂で決まった時間帯に取り、浴場やトイレは共用だが、厳しい上下関係も掃除当番も、門限もない。寮生で同大教育学部1年の仲田有佑さん(20)は「牛丼店のアルバイトで週2、3回は帰宅が午前1時を回る」という。
 費用は食費、管理費込みで月10万円ほどだが、食事のメニューは管理栄養士が考案、各地の郷土料理も含め年200種類に上る。仲田さんの母、貴子さん(47)(札幌市)は「料理で火を使う危険もないし、コンビニ弁当で済ませたり食事を抜いたりする心配もない。『安心料』を含めれば納得できます」と話す。
 学生にとっても炊事の時間をサークルや勉強に回せる利点がある。空室の目立っていた男子寮が食事付きにしたとたん満室になる例は珍しくないという。
 学生寮などの運営会社「毎日コムネット」(東京)によると、管理人常駐の民間学生寮は全国に約600棟(約4万5000室)あり、首都圏の4都県に約340棟(約2万5000室)が集中。食事付きのタイプは6割を超える。

 ◆女子寮は防犯体制第一◆
 一方、部屋数で5割強を占める女子寮で肝心なのは何と言っても防犯体制だ。
 川崎市の女子寮「東京・スチューデントハウス溝の口」(100室)の1階事務室。玄関、駐輪場など4か所の防犯カメラの映像がパソコンに映し出され、中村律子館長(59)夫婦が午前7時から、門限の午後11時まで目を光らせる。カメラは24時間監視で、玄関は当然オートロック。男性は肉親でもロビーまでしか入れない。
 同寮に住む慶応大2年生(21)の母親(50)(茨城県つくば市)は「都会に娘を送り出す寮には管理人常駐と門限が最低条件」と強調する。有刺鉄線や赤外線センサー、さらには盗聴・盗撮検知器による調査や指紋認証システムを取り入れるところも出始めた。
 首都圏で寮を運営する「伊藤忠アーバンコミュニティ」や「東仁学生会館」には、昨年末時点で既に今春空く予定の部屋の4割以上に予約が入ったという。
 大学生の実情に詳しい島田博司・甲南女子大教授(教育社会学)は「社会に潜むリスクが拡大し、『かわいい子には旅をさせよ』と子供を突き放すのは難しくなった。ただ大人としての精神的なタフさをどこで育てるのか心配」と話す。門限などの「束縛」で敬遠されたこともあった学生寮だが、「安全・安心」を求める風潮が強まる中で、再び脚光を浴びている。(広中正則)
(2010年1月9日17時41分 読売新聞)