ラノベのなんかこう、ゲーム小説みたいなの。
大ヒット格闘ゲーム、アルティメット・ソリッドに青春を賭けるスダケンは、製作者とも知り合いでデバックにも参加している筋金入りの陽気なオタク。
ある日、ひょんなことから学校の名物女教師タケちゃんのモーションキャプチャーをとってみたところ、なんと彼女は幻の古武術の達人ということが明らかになったのであった。
そんなこととは全く関係なく、スダケンはポリゴンキャラの胸を揺らしたり熱血野郎と喧嘩したり不良にボコられたり不良をゲームでぼこったりしているのであった。
なんか一冊完結かと思ってたら「続く」だった。
しかも今調べたら続刊を出てないとか言われた。そりゃないだろ。
さらにもっとよく調べたら、著者稿はちゃんと完結まで存在しているのだが、本作が売れなかったので出版されなかったとか。せつねーな、せつねーよ。
スピード感があって、案外面白い。
あからさまにバーチャファイターを意識した架空のゲームは、有り得たかもしれないバーチャの進化型にも思え、なかなか興味深い。今作が書かれたのは97年。まさしくバーチャの絶頂期か。
格ゲーのセオリーもなかなかわかりやすく説明されており、題材の味を生かしている。
どこからどう見てもごくせんというかヤンクミというか、とにかくそれにしか見えない万年ジャージ姿の超人女教師タケちゃんのノリもよく、他の脇キャラもみな勢いがあるので非常に読みやすい。
ただ、何故だろう、これだけゲーム内容も詳しく書いてあるのに、ちっともゲーム自体が楽しそうに見えないし、作者がゲーム好きにも見えない。
文章は軽く主人公もはしゃいでいるのが、逆効果になっている気がする。
なんというか、馬鹿にしているような気がするんだよな。そのはしゃぎ方が。
インテリが無理にテンションを上げているみたいな、空しさというかなんというか。
この作者がいまいちヒットしないのは、結局その「馬鹿にされているっぽい」という感覚だと思うな。読者は察しちゃうよ、そういうの。作者と体験を共有している感じがないんだよな。どの作品も。ペーパーバックのエンターテイメント作家としてがんばっていますよ、という割り切った姿勢が素晴らしすぎてさ。
なんでこう、人間という生き物は舐められてるという感覚にはあんなに敏感なのだろうね。
でもまあ、今作が売れなかったのはそんな根の深い部分じゃなくて、イラストの石田走のせいだと思うが。もうものすごい勢いで萎える。石田先生は昔、コミックビームでファイティングバイパーズの漫画を描いたりもしていたのだが、ほんとにもう、全体的にあの漫画には萎えたなあ。ぼくの仁義衆蛮が余裕であっけなく負けるし。ぶつぶつ。
大ヒット格闘ゲーム、アルティメット・ソリッドに青春を賭けるスダケンは、製作者とも知り合いでデバックにも参加している筋金入りの陽気なオタク。
ある日、ひょんなことから学校の名物女教師タケちゃんのモーションキャプチャーをとってみたところ、なんと彼女は幻の古武術の達人ということが明らかになったのであった。
そんなこととは全く関係なく、スダケンはポリゴンキャラの胸を揺らしたり熱血野郎と喧嘩したり不良にボコられたり不良をゲームでぼこったりしているのであった。
なんか一冊完結かと思ってたら「続く」だった。
しかも今調べたら続刊を出てないとか言われた。そりゃないだろ。
さらにもっとよく調べたら、著者稿はちゃんと完結まで存在しているのだが、本作が売れなかったので出版されなかったとか。せつねーな、せつねーよ。
スピード感があって、案外面白い。
あからさまにバーチャファイターを意識した架空のゲームは、有り得たかもしれないバーチャの進化型にも思え、なかなか興味深い。今作が書かれたのは97年。まさしくバーチャの絶頂期か。
格ゲーのセオリーもなかなかわかりやすく説明されており、題材の味を生かしている。
どこからどう見てもごくせんというかヤンクミというか、とにかくそれにしか見えない万年ジャージ姿の超人女教師タケちゃんのノリもよく、他の脇キャラもみな勢いがあるので非常に読みやすい。
ただ、何故だろう、これだけゲーム内容も詳しく書いてあるのに、ちっともゲーム自体が楽しそうに見えないし、作者がゲーム好きにも見えない。
文章は軽く主人公もはしゃいでいるのが、逆効果になっている気がする。
なんというか、馬鹿にしているような気がするんだよな。そのはしゃぎ方が。
インテリが無理にテンションを上げているみたいな、空しさというかなんというか。
この作者がいまいちヒットしないのは、結局その「馬鹿にされているっぽい」という感覚だと思うな。読者は察しちゃうよ、そういうの。作者と体験を共有している感じがないんだよな。どの作品も。ペーパーバックのエンターテイメント作家としてがんばっていますよ、という割り切った姿勢が素晴らしすぎてさ。
なんでこう、人間という生き物は舐められてるという感覚にはあんなに敏感なのだろうね。
でもまあ、今作が売れなかったのはそんな根の深い部分じゃなくて、イラストの石田走のせいだと思うが。もうものすごい勢いで萎える。石田先生は昔、コミックビームでファイティングバイパーズの漫画を描いたりもしていたのだが、ほんとにもう、全体的にあの漫画には萎えたなあ。ぼくの仁義衆蛮が余裕であっけなく負けるし。ぶつぶつ。
別に彼は馬鹿にしてないと思いますよ。ただ、人間というのはそういうものだと理解してそう書いてるだけです。おそらく、あなたが「古橋秀之が馬鹿にしている」と見ている対象の中には、古橋秀之自身も含まれるでしょう。
もっとも、これは私が完全版を読んだからこその感想でもありますが。完全版、かなり直球ストレートで、あれで「馬鹿にしている」とは思わないんじゃないかな。
グッズ扱いで最近発売されてます。ゆえに書店には並びませんが、ま、機会があれば。
なんか近年、完全版が出たせいでこの記事を読む人が結構いるんだよなあ。
いやまあ、おっしゃる通りに、古橋秀之は自分自身も含めて馬鹿にしているんだと思うよ。
それは作家としては得がたい特性だし、そういった冷徹さが自分の好きな部分でもあるんだけど、しかしことライトノベルにおいてはその特性はマイナスにしか作用しないと思うんだよね。
つうかこれだけの構成力文章力アイデアがあればラノベ以外だったらなんでもヒットしそうなもんなのに、なにいつまでもラノベやってんだこいつは?
という気持をこめて。古橋秀之の感想は書いてます。
機会があれば完全版も読んでみたいとは思っていますが、もし本当に直球ストレートだったら、おれはそんな古橋は嫌だ!いまはそんな気持でいっぱいです
当時の感覚なんですかね?
今ではああいうノリはVIPやらニコニコやらの小話でも良く有って、
「あるあるwwwwwww」「駄目だコイツwww」
という感覚で共有されているように思います。
ゲーム好きでもないような奴がこの手のを書いた場合って、
もっと救いようの無い出来になると思いますよw
古橋作品でももっとこう、あるだろ、サムライレンズマンとか冬の巨人とか……
まあ自分はニコニコもVIPも嫌いなんでそういうノリはわからないんです。
というかどの年齢のどの層でもどんな嗜好でも「おれらすごくね?」「おれらやばくね?」「おれらアホじゃね?」みたいな集団心理で自分たちをユニークな存在だと持ち上げる人たちが嫌いなんです。
だから団塊世代もJラップもVIPもみんな嫌いなんです。
そういった人間に見えない(し、そうであって欲しくないと勝手に思っている)古橋秀之があえてそういうシーンを積極的に描くから、どこかそらぞらしく見える、という読者としかてたよった見方をした結果なんで、そういうのに過剰反応しない人間なら普通に楽しめたのでは?