SF短編集。初期~中期の作品が集まってる。
相対性理論を用い、時間を超えて逃げる永久犯罪者とそれを追う永久刑事。二人が火星への連行中に遭遇した宇宙船ではいったい何が起こっていたのか?眠りが喰われるとはどういう意味なのだろうか?タイトな文章で語られる時間と世界の考察「渇眠」
久方ぶりに返った故郷では、貨幣を脂肪に変えて体内に蓄えるようになっていた。粋な小悪党たちを独特の文章で小気味良く描いた「痩せても狼」
機械とダイレクトに意思を交換できるようにつくられた人間、ハイブリアン。記者となった彼が恒星船で出会った事件とは?予想もつかないの展開が待ち受ける「ハイブリアンズ」
日記のように毎日自分の意志を告げることにより、自分と同じ人格を有するに至るコンピューター、PAB。だれもがPABを持っている時代、機械に触れずともPABの電波を受信できてしまう主人公を誘う機関とは――驚愕の未来図「兎の夢」
一日前の出来事をしか見ることの出来ない子供が見ていたものとは?現実を揺さぶる美しき超現実「ここにいるよ」
特殊スーツDAMに身を包み怪魔と戦う主人公。だが怪魔の正体とは……。「鏡像の敵」
宣伝風に書こうと思ったが、書けんな。
第一、よくわかんないストーリーのもあったし。
ひゃっほー、単行本未収録だった作品が読めるぜー!
と大喜びしたものの、ほとんどが再録で、初読なのは「ハイブリアンズ」と「鏡象の敵」しかなかった。しょんぼり。
でも、持ってない本に収録されてるのがほとんどだし、けっこう忘れてたので読み直したら面白かったので、それはそれで良し。
正直なところ、神林作品群の中ではちと落ちるほうかな。
「渇眠」「兎の夢」はそれぞれ後年「永久帰還装置」「帝王の殻」という良作を生む土台となった、いわば実験作であって、これ自体は評価できないし、「ハイブリアンズ」「鏡像の敵」は単行本未収録となったのもうなずけるような、神林作品の悪いところが出た一人よがりな失敗作に見える。
「痩せても狼」「ここにいるよ」あたりは、好きだな。面白い。
しかしいまいちの評価ならなんでうな印が?と思うかもしれんが、久々に神林の文章をじっくり読んで、なんか楽しかったんだもん。
句点と倒置法を多用した文章は、独特のリズムと勢いをもっており意外なほどに読みやすく、カッコいい。スタッカートの効いたメロディーを聞いている感じだ。この文章だけでしびれちまうよ、あたしは。
そのリズムで語られるイマジネーションの、なんと豊かで美しいことか。
なによりも、現実への揺ぎ無き不信感ときたら!
どんだけ疑っているんだよと。どれだけ世界は自分を騙そうとしているのだと
そんな中学生みたいなところがたまらなくいい。
あー、神林は新作ださんのかのう。連作短編がいいな。おれは神林の連作短編は並ぶものがないほどに素敵だと思うよ、ホントに。
解説、桜坂洋……って、またおまえか!
おまえの本はこの間、窓から投げ捨てたでしょう?(ホントは本棚にあるけど)
それをおまえ、あんた、神林の開設って……おれがどれだけ神林を好きかわかっててやっているのか!?ええ!?おまえはあれだな、本当に、おれのことが嫌いなんだな。えおまえの部分だけ窓から投げ捨てる。絶対にだ!
そうしてぼくはこの本を書架に収めたのでした
相対性理論を用い、時間を超えて逃げる永久犯罪者とそれを追う永久刑事。二人が火星への連行中に遭遇した宇宙船ではいったい何が起こっていたのか?眠りが喰われるとはどういう意味なのだろうか?タイトな文章で語られる時間と世界の考察「渇眠」
久方ぶりに返った故郷では、貨幣を脂肪に変えて体内に蓄えるようになっていた。粋な小悪党たちを独特の文章で小気味良く描いた「痩せても狼」
機械とダイレクトに意思を交換できるようにつくられた人間、ハイブリアン。記者となった彼が恒星船で出会った事件とは?予想もつかないの展開が待ち受ける「ハイブリアンズ」
日記のように毎日自分の意志を告げることにより、自分と同じ人格を有するに至るコンピューター、PAB。だれもがPABを持っている時代、機械に触れずともPABの電波を受信できてしまう主人公を誘う機関とは――驚愕の未来図「兎の夢」
一日前の出来事をしか見ることの出来ない子供が見ていたものとは?現実を揺さぶる美しき超現実「ここにいるよ」
特殊スーツDAMに身を包み怪魔と戦う主人公。だが怪魔の正体とは……。「鏡像の敵」
宣伝風に書こうと思ったが、書けんな。
第一、よくわかんないストーリーのもあったし。
ひゃっほー、単行本未収録だった作品が読めるぜー!
と大喜びしたものの、ほとんどが再録で、初読なのは「ハイブリアンズ」と「鏡象の敵」しかなかった。しょんぼり。
でも、持ってない本に収録されてるのがほとんどだし、けっこう忘れてたので読み直したら面白かったので、それはそれで良し。
正直なところ、神林作品群の中ではちと落ちるほうかな。
「渇眠」「兎の夢」はそれぞれ後年「永久帰還装置」「帝王の殻」という良作を生む土台となった、いわば実験作であって、これ自体は評価できないし、「ハイブリアンズ」「鏡像の敵」は単行本未収録となったのもうなずけるような、神林作品の悪いところが出た一人よがりな失敗作に見える。
「痩せても狼」「ここにいるよ」あたりは、好きだな。面白い。
しかしいまいちの評価ならなんでうな印が?と思うかもしれんが、久々に神林の文章をじっくり読んで、なんか楽しかったんだもん。
句点と倒置法を多用した文章は、独特のリズムと勢いをもっており意外なほどに読みやすく、カッコいい。スタッカートの効いたメロディーを聞いている感じだ。この文章だけでしびれちまうよ、あたしは。
そのリズムで語られるイマジネーションの、なんと豊かで美しいことか。
なによりも、現実への揺ぎ無き不信感ときたら!
どんだけ疑っているんだよと。どれだけ世界は自分を騙そうとしているのだと
そんな中学生みたいなところがたまらなくいい。
あー、神林は新作ださんのかのう。連作短編がいいな。おれは神林の連作短編は並ぶものがないほどに素敵だと思うよ、ホントに。
解説、桜坂洋……って、またおまえか!
おまえの本はこの間、窓から投げ捨てたでしょう?(ホントは本棚にあるけど)
それをおまえ、あんた、神林の開設って……おれがどれだけ神林を好きかわかっててやっているのか!?ええ!?おまえはあれだな、本当に、おれのことが嫌いなんだな。えおまえの部分だけ窓から投げ捨てる。絶対にだ!
そうしてぼくはこの本を書架に収めたのでした