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うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

車輪の国、向日葵の少女

2007年11月08日 | ゲーム日記
エロゲー
現実とそっくりだけど、現実とは違う世界。
この世界では、刑務所も死刑もなく、その代わり、罪人は罰則を持ったまま暮らしていかなくてはならない。罰則を破ったものは強制収容所に入れられ、死ぬよりもつらい強制労働を死ぬまで強いられる。
罪人を管理する人間は特別高等人と呼ばれる。その門は狭く、司法をはじめとしてあらゆる分野に通じたエリート中のエリートしか特別高等人に就くことはできない。
主人公、森田賢一は特別高等人の候補生であり、最終試験として田舎の町を訪れ、三人の罪人の更正を命じられる。
一日の内12時間を薬によって止められている少女、さち。
親の命令に絶対服従することを義務付けられた少女、灯花。
他人と触れることを禁じられた少女、夏咲。
そして究極の罰、極刑をほどこされたもう一人の少女……
賢一は彼女たちと触れ合ううちに、この国のあり方に疑問を覚えていくのだが、指導教官法月の幾重にも張られた罠が彼を追い詰めていく……

ストーリーは全五章で、第一章が設定、キャラ紹介。
二、三、四章はそれぞれ一人ずつ少女の更正。
そして最終章が最後の試練と大団円になっている。

一章感想。
だいたい一時間半くらい?
設定にやや無理を感じないでもないが(罰金なしって、軽犯罪はどうやって取り締まってるんだ? そこまで狭き門だと、犯罪者が多くて取り締まれなくない? いくらギャグとはいえ、異世界で現実の日本じゃないと通じないネタを連発するのはどうなの?)が、元気系のさち、ツンデレの灯花、健気な夏咲とヒロインたちはベタでわかりやすくて良い。
この少女たちがどんな罪を犯し、どのような問題を抱え、そしてどうやって更正していくのか、気にはなる。
しかし、それよりも男性キャラが圧倒的に魅力的。
虚言癖があり、いつもふざけたことばかりいう親友ポジションの卯月セピア(本名磯野一朗太)も良いし、冷酷な超凶悪サディストの指導教官、法月が発言するたびに、なにかやなことが起こりそうでわくわくする。CVが若本規夫(あなごさん)で狙いまくっているのがまたたまらない。最近はテンションの高いあなごさんの方が多いが、今作では抑えたテンションなのが良い。EVE burs terror のロス御堂を髣髴とさせる演技と、それをはるかに凌駕するサディズム。
なにより、主人公の森田賢一のキャラがたちまくっているのがいい。いつもふざけた軽口をたたいていて独り言が多い、というのはエロゲーのデフォルトだが、二枚目でエリートでヤク中で人を利用することに長けている、という設定が詰め込みまくってていい。
過去になにやらいろいろあった感じも、なかなか先を期待させる。

二章感想
二章はさち編。プレイ三時間くらい?
くどい。同じような会話が多くてちと鬱陶しかった。
が、ストーリー自体はべたでなかなか良かった。
過去の挫折により、現実から逃避し自堕落な生活を送る少女と、彼女の才能を喚起させようとする血のつながらない妹。
妹の愛情をわかっていても、自らの保身のために傷つけてしまうさちの描写はまずまず。が、妹まなの献身が無償すぎて怖い。
ままならない現実を受けいれる形のラストは良い。
その後の後味の悪い後日談は実に若本GJだった。
泣きはしなかったし「ああ、ゲームだなあ」と思う部分は多々あったが、今のところまずまずの出来か。
そういや、エロシーンがおまけ程度にしかなかった。意外な展開。

三章
灯花編。二時間半くらい?
うーん……
不幸な家庭に育った子供が、大人になってまた不幸な家庭を作る。
この連鎖を描いた章なのだが、どうも親子関係がAIRを思い出させてしまって二番煎じの感があるし、用意に連想できる真相が、事件の少なさとあいまって冗長な印象を強く与える。
中盤、いやな方向に大活躍する若本先生は実にGJなのだが、ラストの展開は、音楽とあいまって実にうさんくさい。なんか前後とキャラが合っていない印象を与えまくる。
ただまあ、この章のヒロイン、灯花は非常にわかりやすいどじっ子ツンデレで、久しぶりに「ああ、おれエロゲーやってる」という感覚を味わって、自分のだめさにぞくぞくした。
後日談の若本先生は、作者の狙いはわかるが、ちょっと無理があるかな。
それにしてもこの最終試験、いったいなにがしたいんだよ。
またエロシーンはなかった。こんだけやってエロシーンがないなんて、うれしいじゃないの。

四章
夏咲編。プレイ二時間くらい?
いまいちというかなんというか。
この章のヒロイン、夏咲のうさんくさいほどの健気さが、いかにも妄想という感じで、おれの一番苦手なタイプのキャラである。昔からこの手のキャラにはまったくぴんと来ない。
ので、そのキャラとラブラブになる主人公がいまいち理解できないというか、今までの冷酷さや意志力はどこに行ったの?という感じ。いままでの経緯で変化していった、と表現したいのだろうが、ちと強引に感じた。
若本先生はあいかわらずいい仕事をしていらした。
この章は完全に次章に続く展開なので、個別の感想は難しいか。

五章。
二時間くらい?この章で終了
基本的には面白かったんですが。
まず、章の最初に大どんでん返しがあるのですが。
いや、これはないわ。
この仕掛け自体は大好きだけど、ちょっとかなりむちゃくちゃ無理があるだろ。
やろうとしたことは評価するし、その努力も買うが、これはずるいというか、おかしいだろ。
でその後の展開、悪辣な真似をしくさりまくった法月との対決は燃える。お互いの化かし合いはしてやられたという感じだし、。鮮やかな逆転劇も気持ちいい。
が、その後がちょっと蛇足か。
結局、反乱もいい加減なままだし、作品自体の〆方としては微妙。結局、法月先生はなにがしたかったの?反乱の部分はあれだけ盛り上げたのに、その盛り上がりがのちの展開にほとんど関係ないのも残念。結局この国の制度って、国民的にアリなの?ナシなの? 作者はこの制度を肯定してるの? 否定してるの?

とりあえず、お姉ちゃんEDと夏咲EDを回収。
お姉ちゃんEDは、まあ妥当なところか。しかし、後日談としては物足りない。
夏咲EDは……えーと、主人公のいままでって、いったいなんなの?
両方のEDで突然エロシーンがあり、このゲームがエロゲーであったことを思い出す。
ははは、エロシーンまで十時間ってどうよ?ははははは。

この後、各ルート回収する。
さちルート、灯花ルート、ハーレムルート。
さちルートと灯花ルートでは、途中でエロシーンがあった。
ああ、なんだ、ちゃんと進め方次第ではエロシーンあったんだ。安心したようなしなかったような。
しかし、どのルートもエロシーンがあって、EDがちょっと変わるだけで、ストーリーにはまったく変化なし。
さちEDはお約束でまあまあ良かったけど、灯花EDはわりとどうでもよく、ハーレムEDに関しては、やたら苦労したのにまったくもってどうでもいい。

しかし、どのEDでも、終盤やたら強調しまくってたこの国への疑問提議が、ほとんどスルーされているのがなんとも微妙。
なんつうかこう、ちゃんとなんとかしろよ。あっけなく自分たちだけ平穏な日々を手に入れてるんじゃないよ。結局、今が平和ならそれでいいのですかよ。戦えよ、ちゃんと。あれだけ民衆煽ったんだから。責任取れよ。
この部分のせいで、物語に一本の筋が通っていない、いいかげんな作品となってしまっている。

なんかやたら不満たらたらだった気がするが、基本的には面白かったですよ。
冗長冗長と何度も云っていた気がするが、ゲームではかなりマシなほうだし、ギャグも無理が多かったが、ところどころちゃんと面白かった。
設定は面白かったし、ストーリー展開も基本的には面白かった。
75点。

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