うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

亀は意外と速く泳ぐ   75点

2009年11月27日 | 映画感想
亀は意外と速く泳ぐ デラックス版 [DVD]

ジェネオン エンタテインメント

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平凡すぎる主婦スズメは、微妙に変な人たちに囲まれて平凡に暮らしていた。ある日、こけた表紙にプリクラサイズの「スパイ募集」チラシに気付き、なんとなく応募してみたところ、そこにいた変な夫婦にスパイとして採用されてしまう。
以後、スパイとして「目立たない普通の暮らし」を強要されるスズメであったが……

ゆ、ゆる~~~~~い!
主演の上野樹里が、もともともっている影の薄い微妙なゆる可愛さを最大限に発揮した結果、小ネタと変人で満たされた世界をおかしくも愛しいものとして描くことに成功している。
常にやる気に満ちているお騒がせ親友のクジャクも、わざと目立たないそこそこな味のラーメンを作りつづけているラーメン店主も、なぜかパーマ中に暇だからっておどる床屋も、へらへらとした海外帰りの豆腐屋兼暗殺者も、明らかにおかしい人間でありながらどこか「あるかも」と思わせるリアリティを持っている。
くだらないシュールギャグの連続でありながら、作品全体に漂う「日常への愛着」「平凡なものへの共感」といったものがうまい具合に作用していい空気を作り出している。
呼吸をするように変人を出す三木聡監督だが、松尾スズキとかの異常なキャラを主役に据えるより、今作のように主役のみを普通の人にしたほうが逆に作品世界が映えるみたいだな。
結局なにがなんだかわからないままに終わっているストーリーでありながらに、妙に爽やかでいい話を見た感じになれるのが不思議。




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