『里山オオタカ物語』の作成に当たっては、オオタカのありのままの生活シーンを、出来るだけ多く撮りたかった。 中でも眠るシーンをどうしても撮りたかったが、おそらく無理だろうと思っていた。
だが、ある日突然撮れる場面に出会ったのだった。 早朝の薄暗い中、オオタカは枝にとまって、まったりとしていた。 しばらく見ていると、大きなあくびをして、そのままうなだれて寝てしまった。 私との距離15m位だ。 シャッターを切っても起きない。 「こんな無防備でいいのだろうか」 と驚いたのだった。
なぜだろうと考えた。 彼とは森の中でこれまで何十回も出会っていた。 彼は私をタヌキやキツネと同じ、森の生き物だと認識していたに違いないのである。 「森の生き物なら、お互いの生活に干渉しなければ、トラブルは起きない。」 そう考えて安心していたのではないかと思うのだった。
彼らに近づきたいと願い、観察を続けていれば、望むシーンにいつかきっと出会えるのだと、信じられるような出来事であった・・・・。
大きなあくび。その後寝た。