Field・Finder -野鳥写真へのいざない-

主に各地の里山環境にて撮影した野鳥写真です。
オオタカ生態写真の完全保存版 『里山オオタカ物語』 のデータを販売中!。

撮影裏話9

2017-11-30 10:26:23 | 写真

最近の社会は、効率を上げ、早急に成果を上げることが最も良いこと。と多くの人達に植えつけてきた。 なので、野鳥カメラマン達も、簡単に成果を出そうと、必死に情報を得ようとしている。 だが、一羽の鳥を100人で囲み撮影する光景は、異様ではないだろうか。

一方で、現場で働いてきたベテランたちは、日々の仕事の中での経験の積み上げや、悩み試行錯誤しながら問題を解決してきた「ノウハウ」 が最も効率を上げる要素であることを知っている。

オオタカや他の野鳥を撮影する上で、私を含め仲間たちはこの「撮影ノウハウ」を身に着けてきた。 オオタカの撮影の場合、私はまず、営巣地の地形を把握するため歩き回る。 食痕や糞が多い場所を探す。 水場を探す。 などの後、観察を続け、行動を予想し、試行錯誤しながら撮影に臨む。 こうした結果を蓄積し、撮影ノウハウを作り上げてきたのである。

これから野鳥撮影を始めようとする方、若い方々には、あふれる情報には惑わされず、楽な成果とは別に、自分のテーマを持って、その撮影ノウハウを作り上げてほしいと思っている。

しかしながら、そのノウハウさえも、最近では人工知能(AI)に置き換えようとしている。 考えなくなったこれらの社会は、多くの者達にとって、幸せな社会になるのだろうか?・・・・。

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本当にオオタカ?

2017-11-26 10:34:02 | 写真

気温のわりには季節が進んでいない。 撮影に出かけるがあまり成果がない。

ハイタカが良く飛ぶようになった。 Web上のブログでオオタカと書いてある写真だが、ハイタカとの間違いが非常に多い。 今や半分以上がハイタカである。 余計なお世話なのだが、オオタカ専門の者としては、申し訳無いがどうしても気になってしまう。

種の同定は、遊びでも間違わないほうが良いと思う。 昔、バードウォッチング検定と言うのがあった。 批判等もあったようだが、この様な初心者として、鳥を見るための知識を学ぶ機会があった方が良いと思う。

下記にハイタカの特徴や写真を載せるが、ハイタカ、オオタカとも個体差が大きく、一概には語れないのである。 私は見た瞬間の第一印象で判別する。 両者は全く違うのである。(言葉では説明できない)

また最近、営巣地のオオタカは飛ばなくなった。(これも個体差があるが) ほとんどハイタカである。 じっくり観察し、帰ってから調べる。 この繰り返しが大切だと思う・・・・。

以上、全てハイタカ。

これがオオタカ。

珍しくハクセキレイが、紅葉の上にとまった。

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撮影裏話8

2017-11-23 08:36:21 | 写真

以前私は、日本野鳥の会、WWF、日本鳥類保護連盟などの保護団体の会員として、活動を支援してきた。 しかしオオタカの生態撮影の過程で、すべて退会した。 

理由は、保護団体はオオタカの営巣撮影は、原則として行ってはいけないという立場であり、そこに所属する者としては、撮影を行うことが心苦しかった。 また一部から「会員が営巣写真を撮っている。けしからん。」と言う通報があったりして、会員のままでは保護団体に迷惑をかける。と言うことで、全て退会した。

特にオオタカは多くの方たちが注目し、保護に力を注いでいるので、活動が非常にしにくい鳥なのである。 なので個人的に撮影し、個人的に発表すると言うスタイルを取り、組織とは無関係にしたのである。 
これは、保護団体等の主旨を理解している、自分にしかできないのではないかと思ったのである。

なぜそこまでするのかと言うと、密猟や興味本位のカメラマンに営巣地を荒らされるリスクはあるが、やはりオオタカを保護するためには、オオタカの生態を熟知する必要があり、それを記録し多くの人に伝える必要があると思うのである。 
またありのままの姿を捉えた写真を見てもらい、一人でも多くの、子供を始め若い人たちに関心を持ってもらいたいと思うのである。(無関心と言うのが一番いけない状態だ。) 

そして、これまで保護団体や研究者からの協力要請があれば、調査や資料・写真の提供等を行ってきたように、今後も要請があれば、それに応えていきたいと思っている・・・・。

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寒い年

2017-11-19 09:32:30 | 写真

気温だけ見ると真冬並みだが、暦のうえではまだ11月半ば。 いつもと感覚が狂ってきている。 オオタカはまだ営巣地に、完全には定着していない。 今見られるのは、越冬地のタカがほとんどである。

いつもの森へ行った。 だが撮影を始めた頃と比べると、鳥種、数とも大分少なくなっている。 見た目には感じないのだが、野鳥の生息環境としては、何か悪化しているのだろう。 観察者も少なく、めっきり寂しくなった。

とは言え、冬鳥はだんだん増えてきている。 ハイタカ、ノスリなどが飛び、シメ、アオジ、ビンズイ等も見られた。 これからもっとにぎやかになってほしいと思う。

例の珍鳥は、あれ以来見ていない。 どこかへ移動した様だ。 北方面はこれから、雪や寒さが厳しくなるから、おそらく関東南部、中部、近畿方面へ移動したのではないかと思われる・・・・。

空飛ぶハイタカ♂。

ノスリVSカラス。

天辺のシメ。

アオジ。

マユミに来たコゲラ。

草地のビンズイ。

色付く木。

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撮影裏話7

2017-11-16 09:06:00 | 写真

オオタカの暮らしは、人の暮らしに近い。 なので、撮影中人に会うこともしばしばである。

林道近くで交尾を行うペアが居た。 長年狙っていたシーンだ。  ♀の声がするので、そっと気づかれない様移動すると、枝にとまっていた。 撮影ポイントまでそっと移動し待つ。 程なく♂の声がしたので、「さあ」と言うことで機材を構える。 と言うところで、散歩者が道を通り♀は逃げてしまい撮影できず。

この様な経験は日常茶飯事だ。 でも散歩者が悪い訳ではない。 タイミングが悪いのである。 
がっくりきて 「悔しいなー」 と落ち込むが、こんな気分をひきづってはいけない。 「しょうがないまた今度だ」とすぐ気分を切り替える。 残念なことに、時は前に戻れないからだ。

これはアスリートと同じだ。 悔しい思いは必要だが、目標に達しなかったり、失敗したりを引きずっていると、精神的に良くない。 次に向かう正常な心のエネルギーが無くなってしまうのだ。

たまに、この様な散歩者を怒る人がいるが、野鳥カメラマン全体の品位を落とすので、やめた方が良いと思う。 

こんなことを繰り返しながら撮影しているので、いつになったら終わりが来るのか分からないのである・・・・。 

 

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散歩好き?

2017-11-12 09:30:34 | 写真

良い気候になった。 早朝の森を歩く。 だがいつも驚くのは、どんなに早く行っても、散歩する人に出会うことだ。 真冬の日の出前、暗い中でも懐中電灯を持って、散歩する人に結構出会う。 散歩がよほど好きな国のようだ。

で、散歩者と朝の挨拶をしながら森の道を行く。 木の葉が色付き始め良い雰囲気だ。 シジュウカラやエナガの群れに出会う。 紅葉をバックに構図を考えるが、せわしなく動くのでシャッターが切れない。 たまに「ここだ!」と言う場所に来るが、後ろ向き、こっちを向いてくれない。

こんな感じで、柿に来るメジロ、今シーズン初めての空飛ぶハイタカ、ジョウビタキの♀などを撮りながら歩く。 最後の森では、久しぶりにオオタカが出迎えてくれた。

本格的な撮影シーズンに入った。 どんな出会いがあるか楽しみだ・・・・。

いつも忙しいエナガ。

柿を食べるメジロ。

枝先のジョウビタキ♀。

空飛ぶハイタカ。カラスと争う。

林のヤマガラ。

ハクセキレイが餌を探す。

久しぶりにオオタカと出会った。

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撮影裏話6

2017-11-09 09:28:06 | 写真

オオタカの雛は生まれてから巣立つまでに、トリコモナスと言う病気に罹ることがある。 飼鳩の持つ病原虫が原因の病気だ。 親鳥がこの病気に罹ったハトを捕獲し、雛に餌として与えてしまうと、体力のない雛は発症することがあるのだ。 都市部に多い病気だ。

巣立の直前・直後に発症する。 発症すると嘴や喉の中に潰瘍ができ、餌が食べられず衰弱して死んでしまうのである。 致死率は高い。 発症後すぐに捕まえて治療すれば助かるらしいが、野生状態では現実的に不可能に近い。 この様な例を2例見た。(成鳥は発症しない。)

巣立後森の中で見つけても、何もできず心が痛む。 撮影もしたくなくなるのである。 『物語』にも書いたが、衰弱して餌を取りに来ない幼鳥に、餌を渡したいと必死に探し回る♂親を見ていると、本能とは言え心打たれる。

誕生から巣立つまでには色々な事が起きる。 せめて人間は邪魔をせずに、見守ってほしいと思うのである・・・・。

トリコモノスに罹った幼鳥。

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森そして川へ

2017-11-05 10:26:41 | 写真

ここの所天気も安定し、歩くには気持ちよい気候である。 このまま少し続いてほしい。

新規の森から、ぶらぶらと川に向かって歩く。 シジュウカラなどの小鳥がにぎやかだ。 冬鳥もぼちぼちと現れ始め、フィールドもようやく楽しくなってきた。 

ジョウビタキの♂同士が、激しく縄張り争いをしている。 激しすぎて写真が撮れない。 住宅近くではオナガがせわしなく飛ぶ。 今年生まれの子供だろうか、親と思われる鳥からバッタをもらって食べた。

川では、オオタカ成鳥が飛んだ。 ユリカモメ、ヒメアマツバメも飛んだ。 いよいよ観察シーズンになった、と言う感じである・・・・。 

林のシジュウカラ。

久しぶりのジョウビタキ。

オナガの親子?バッタをもらっていた。

オオタカ成鳥が飛ぶ。

ヒメアマツバメ、ユリカモメも飛ぶ。

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珍鳥に遭遇

2017-11-03 06:56:21 | 写真

先日気分転換に、いつもと違う場所に行ってみた。 エナガやシジュウカラの群れに混ざって、見慣れない鳥が居た。

もしやと思い、家へ帰ってから調べてみると、コノドジロムシクイであった。 稀に日本でも見られ、何回か記録もあるようだ。

私の知人に、珍鳥コレクターは居ないので、誰にも教えていない。 移動中の個体か、長期滞在する個体か分からないが、滞在するのなら、いずれ誰かが見つけるだろう・・・・。

コノドジロムシクイらしい。

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撮影裏話5

2017-11-02 10:16:59 | 写真

オオタカ生態写真集『里山オオタカ物語』には、7~8ヶ所の営巣地で撮影した写真を使用している。 営巣場所の探し方は、調査等では、ここぞと思う場所にICレコーダを置き、鳴き声を録音する方法をとっている。 これで効率よく調査できる。

しかしながら、私は古い人間のようで、文明の利器はあまり使いたくない。 早朝の森に着き、森の空気を肌で感じたいのだ。 五感、時には第六感を使って探す。 オオタカがケッと一声鳴けばそれで分かる。 大体3回行けば様子が分かるのである。

コールバックなどで撮影をするカメラマンを時々見るが、これも邪道である。 オオタカをだまして写真など撮りたくない。 人の作為などの及ばない、ありのままの自然な姿を撮りたいのである。 

野生の生き物に近づきたい場合、楽に、効率良くなどは考えてはいけないと思っている・・・・。

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