オオタカ営巣地③、大都市のやや北部に位置する。 私が最も観察・撮影に訪れた場所である。 正確に数えてはいないが、1000回以上は行っていると思う。
昔は広い森があり、小高い丘、尾根、谷、谷戸田など起伏に富んだ、里山の原風景が広がっていた。 そんな中の森の中、尾根を越えた谷筋に巣が有った。
ここに棲むオオタカは、人の生活の影響をあまり受けず、野生的な自然状態に近いオオタカだった。 獲物もドバト等ではなく、キジバト、コジュケイ、ムクドリ、コサギ、ゴイサギ、コガモ、カイツブリなど多種多様、文字通り生態系の頂点といった感じだった。
行動も野性的、林道横に巣が有った年などは、巣の近くに立ち止まると、正面から飛んできて猛烈に威嚇するのだった。 このような個体は、最近では見られなくなった。
林道横の小川や、浅い水場で水浴びする姿も時々見られた。 普段姿はなかなか見られず、暗い森の中でとまっている姿などは神々しく、会えた日は一日中うれしかった。
しかしながら、当初は我々仲間のカメラマンだけしかいなかったが、年々訪れる人が増え、環境も都市公園化していく中で、カメラマンに追い回される結果となり、5~6年前から繁殖が成功しなくなってしまった。
だがこのような自然な環境で撮影・観察を続けることができたことが、私の財産となった。 最近また戻ってきたように思え期待している。
この様な昔ながらの里山で繁殖するオオタカを、これからも残していきたいと思っている・・・・。
営巣地③にて撮影したオオタカ。