Field・Finder -野鳥写真へのいざない-

主に各地の里山環境にて撮影した野鳥写真です。
オオタカ生態写真の完全保存版 『里山オオタカ物語』 のデータを販売中!。

里山とオオタカ4

2020-08-29 09:53:06 | 写真

オオタカ営巣地③、大都市のやや北部に位置する。 私が最も観察・撮影に訪れた場所である。 正確に数えてはいないが、1000回以上は行っていると思う。

昔は広い森があり、小高い丘、尾根、谷、谷戸田など起伏に富んだ、里山の原風景が広がっていた。 そんな中の森の中、尾根を越えた谷筋に巣が有った。

ここに棲むオオタカは、人の生活の影響をあまり受けず、野生的な自然状態に近いオオタカだった。 獲物もドバト等ではなく、キジバト、コジュケイ、ムクドリ、コサギ、ゴイサギ、コガモ、カイツブリなど多種多様、文字通り生態系の頂点といった感じだった。

行動も野性的、林道横に巣が有った年などは、巣の近くに立ち止まると、正面から飛んできて猛烈に威嚇するのだった。 このような個体は、最近では見られなくなった。

林道横の小川や、浅い水場で水浴びする姿も時々見られた。 普段姿はなかなか見られず、暗い森の中でとまっている姿などは神々しく、会えた日は一日中うれしかった。

しかしながら、当初は我々仲間のカメラマンだけしかいなかったが、年々訪れる人が増え、環境も都市公園化していく中で、カメラマンに追い回される結果となり、5~6年前から繁殖が成功しなくなってしまった。

だがこのような自然な環境で撮影・観察を続けることができたことが、私の財産となった。 最近また戻ってきたように思え期待している。

この様な昔ながらの里山で繁殖するオオタカを、これからも残していきたいと思っている・・・・。

営巣地③にて撮影したオオタカ。

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里山とオオタカ3

2020-08-22 09:08:10 | 写真

オオタカ営巣地②、この地は大都市の北部に位置している。 近くに割と有名な探鳥地があり、そちらに行く人が多いので、この地はあまり人がいなかった。 ため池などが点在し、昔懐かしい景色が広がっていた。 春には珍しくツツドリのさえずりが聞かれた。 

以前からオオタカが棲んでいて、地元の人たちは知っていた。 狭い谷が入り組んでいて、視界が広くないため観察にはあまり向いていなかった。 それでもやはりカメラマンが訪れていた。

だが地元に自然管理団体があり、ボランティアがほぼ常駐しており、営巣木周辺は立入り禁止になっていて近寄りにくいのだが、それでもカメラマンが近づき放棄させた年があった。
(現在はこの場所に営巣していない。)

オオタカの観察・撮影は、これら一般のカメラマンとの戦いであった。 私もカメラマンであり、同時に保護する側の人間でもあったので、付き合い方が微妙だった。 彼らとの距離の取り方が難しかった。

私は出来るだけ地元の人たちと、コミュニケーションをとるようにしていた。 色々な話を聞いて、地元のルールや慣習に従うよう心掛けた。 

オオタカに近付き、彼らの生活に入りこみ撮影するためには、その地の人達にも溶け込まなければうまくいかない。 その里山の人になりきらなければならないのであった・・・・。

営巣地②で撮影したオオタカ。

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里山とオオタカ2

2020-08-15 11:14:11 | 写真

オオタカ営巣地①、湘南地方と呼ばれる地域の、北部に位置する。 実家から歩いて30分ぐらいの場所に有った。 冬になると家の前の畑の上空で、時々オオタカが優雅に飛んでいた。

畑地が広がる中に、両側が森に囲まれる典型的な谷戸田が広がっていた。 近くに牛の牧場があるのんびりした場所である。 が同時に都市化が押し寄せる場所でもあった。

この地で7~8年ぐらい、保護団体が行う実践的な調査に参加していた。 そこでオオタカ調査に必要な観察法や、生態の基本的な知識を習得していた。

この地は毎年11月頃になると、オオタカのペアが現れ繁殖行動が見られるのだが、調査を行っていた7~8年の間に、1度しか繁殖は成功しなかった。

5月頃になるとオオタカが居なくなった。 理由はわからなかった。 この地は猛禽やフクロウも多く、フクロウなどによる妨害かとも思われた。 また同時に野鳥カメラマンも多く、私はカメラマンによる妨害と思っていた。 真相は今も分からない。

周辺の地元に住む人たちも、オオタカを気にかけていたが、失敗続きでがっかりしていた。 オオタカは里山環境が注目する野鳥であった。

この様に失敗が続き、やがていなくなってしまう営巣地が沢山ある。 都市公園ではなく、この様な昔からの営巣地に戻って来てほしいと望んでいる・・・・。

営巣地①で撮影したオオタカ。

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暑い夏

2020-08-08 10:59:12 | 写真

梅雨明け以降、急に暑くなった。 危険な暑さだ。 通院のため外出したが、体力が落ちてるためつらい。 マスクがさらに追い打ちをかける。 そのまま入院になるかと思った。

家の前の街路樹に、ムクドリが集まってくるようになった。 この年生まれの若鳥も加わり、ものすごい数だ。 夕方6時ごろになると大騒ぎになる。

ここ数年、毎年のことだが今年は少し早いように思う。 例年は秋口だが、今年は7月頃から集まっていた。 

ムクドリと言えば秋の夕刻、夕焼けの中を大群で飛ぶイメージである。 最近は気候とか季節とかがよく分からなくなってしまった。 今年はあまり外出できないので、特にそんな感じがする・・・・。

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よろしくお願いいたします。

街路樹に集まるムクドリ。

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里山とオオタカ1

2020-08-01 10:27:46 | 写真

オオタカは、すっかり都市公園の鳥になってしまった感がある。 ブログ等の写真を見ると、ヒマラヤスギにとまるオオタカであふれている。 だが、ヒマラヤスギのオオタカ? どうもピンと来ない。 日本の鳥の気がしない。

私は2007年ごろから、保護団体に協力して、オオタカ調査のボランティアを行ってきた。これまで、少なくとも15~6か所の営巣地を訪れ観察を行ってきた。(里山オオタカ物語に記載) 

そのほとんどは里山環境の杉林であった。 炭焼き窯があり、集落の人たちのほとんどがオオタカが棲んでいることを知っており、身近な自然の生き物としてオオタカを気にかけ、見守っている。そんな場所である。

ある場所では、炭焼きの煙が抱卵中の営巣木に流れ、オオタカは大丈夫だろうかなどと心配する人もいた。 オオタカは全く気にせず、毎年子育てを行っていた。

このように、オオタカは日本の里山を象徴する鳥、杉林に棲む鳥だと思っていた。

だが、近年都市部の公園に現れだし、公園のハトやムクドリを捕食し、ヒマラヤスギで営巣するものが現れ、定着しだしたようにみえる。 そして多くの場所に拡散しだしたように見える。

多くの里山環境が消失していく中、この様に都市公園に定着・拡散するのか、今後の見ていく必要があると思う。

私には、やはりヒマラヤスギよりも、日本の杉林が似合う鳥の様に見えるのである・・・・。

杉林のオオタカ。

林で育つ子供ら。

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