２０２０年２月２０日(木) 提供 ／ ＪＡＬ♪ The Window Of The World Burt Bacharach
♪ We've Only Just Begun O'Donel Levy
これから春を迎えるヨーロッパ
長く暗い冬を終えた その喜びに溢れているように
草木は芽生え 可憐な花々が 先を争うように 咲き始めます
春を告げる 野菜や山菜が マーケットや露店にずらりと並び
その土地その土地の料理が テーブルを賑わせます
そこで今週は ヨーロッパの春の訪れを 肌で感じる旅に 出掛けてみましょう
JET STREAM 早春のロマン飛行 一足早く ヨーロッパに春を探しに行く旅
今宵は その第四夜…
ウィーンの春を彩る花 サンザシ
スイスアルプス 春の恵み 熊ニンニク
ウィーンの春は まるで 駆け足のように通り過ぎて行きます
3月に入るとウィーンでは 冬のように寒い日と 暖かい日を繰り返しながら
4月の終わりまでこうした天気が続き 5月からは一気に夏
夏とはいっても 一年で最も湿気がなく 過ごし易い季節です
そんな短いウィーンの春を彩るのが サンザシの花です
サンザシは バラ化の花木 鮮やかな ピンク色や 白い花
ウィーン郊外の 夏の離宮 シェーンブルン宮殿では
4月になると この サンザシの花が咲き始めます
このサンザシの枝には 棘があることから
フランスでは牧場の境界線に使う 生け垣に よく使われます
まだ 灰色を帯びた冬の風景から 春を迎えた時に 最初に彩りを添える花
フランス料理でいえば 食前酒の シャンパンに例えられています
この サンザシの花にピッタリなのが 春一番にさえずる ひばり
ここ シェーンブルン宮殿で 15歳まで暮らした マリー・アントワネットも
ヴェルサイユ宮殿で このひばりのさえずりと サンザシの花に
春の訪れを感じたことでしょう
サンザシの花言葉は希望 そして 新しい光
長い冬を終えて 春を告げるように花をつけ 夏には たくさんの赤い実をつけます
スコットランドの国民的詩人 ロバート・バーンズは こんな 恋歌を作っています
サンザシの花は なんと見事に咲くのか
その芳しい木陰で 私は 彼女を胸に 抱きしめた
ヨーロッパでは 恋の予感さえ感じさせる サンザシの花です
♪ Mild Maniac Volker Kriegel & Spectrum
SOUND GRAFFITI
JET STREAMエヴァーグリーンミュージック No.4♪ Just The Way You Are Bruno Mars
♪ New Kid In Town The Eagles
♪ Will You Dance? Janis Ian
♪ Soul Strut（Am I The Same Girl） Enoch Light
雄大なアルプスを誇る スイスに 春の訪れが感じられるようになるのは 4月に入ってからです
高原では 草花が芽吹き 緑の牧場には 黄色いタンポポが 一面に咲き誇ります
澄み切った青空に 純白の氷河 目にも鮮やかな 緑の牧草地帯と 咲き誇るタンポポの 黄色い絨毯
この見事なコントラストは 春だけのとっておきの風景です
スイスの春の訪れを感じる味覚といえば タンポポと ベアラウフ
どちらも野山で採れたばかりのもの
街のレストランでは タンポポのぎざぎざの葉を そのままサラダにして出します
フランスでは 日光を当てない 真っ白な食用タンポポを栽培して食べますが
スイスでは しゃきしゃきとした歯応えと 自然の苦みが好まれます
ベアラウフは 熊ニンニクとも呼ばれる 山菜
冬眠から目覚めた熊が 驚くほど食べることから名付けられました
この熊ニンニクは 日本の 行者ニンニクの仲間
行者ニンニクは 幻の山菜ともいわれる 貴重な山菜ですが
スイスでは 野山や 庭先で ふんだんに採ることができます
しかしながら毒性の強い スズランによく似ているので 注意が必要です
この熊ニンニクは 味も 行者ニンニクと同じで ニンニクのような強い香りが特徴
スイスでは採れたての 熊ニンニクは クリームスープに浮かせて食べます
また 保存もきくので 料理の薬味に使ったり
クリームチーズと混ぜて パンに付けて食べたりします
冬眠から覚めた熊が食べるだけあって 薬効にも優れ 血液をさらさらにします
食べると体がぽかぽかする この 熊ニンニクは アルプスの春の恵みと いえるでしょう
♪ Cloud Corner Marisa Anderson
♪ Europe Scott Gilmore