弁護士法人かごしま 上山法律事務所 TOPICS

業務の中から・・報道を見て・・話題を取り上げます。

読売新聞の記事

2007-08-23 | 刑事
検察不祥事 組織の危機管理が問われている(読売新聞) - goo ニュース

※引用
検察不祥事 組織の危機管理が問われている

 検察の信頼回復への道は、平坦(へいたん)ではない。

 最高検察庁が相次いだ冤罪(えんざい)、無罪事件を反省する報告書を公表した。だが、その直後に検察官による告訴の無断取り下げ事件が発覚したのは、皮肉なことだ。
 富山県内で、強姦(ごうかん)事件で逮捕された男性は、犯人ではなかった。別の男が犯行を自供した。男性は既に2年1か月の服役を終えていた。
 鹿児島県では、県議選での票の取りまとめを巡る買収事件で起訴された県議や住民12人が全員、無罪となった。
 最高検による個別の事件の検証は異例だ。結果を公表した前例はない。検察の信頼を損なう事態に、強い危機感を抱いていることの表れだろう。
 報告書は、両事件の問題点として自白に頼り過ぎた捜査手法をあげている。
 富山の事件では、男性が犯人でないことを示す証拠もあった。アリバイを証明する電話の通話記録、現場の足跡と男性の靴のサイズの違いなどだ。鹿児島の事件でも、容疑者の供述内容は、自白と否認を繰り返すなど、揺れていた。
 だが、担当検事は自白の裏付け捜査を徹底せず、容疑者にとって有利な証拠を十分に吟味しないまま起訴した。
 両事件とも重大事件の経験が少ない検事が担当だった。起訴が妥当かどうか、上司がチェックすべきだったろう。だがチェック機能が働かなかった。ベテラン検事が自白調書を読めば、不自然さに気付く可能性もあったのではないか。
 報告書は、日ごろの指導不足も指摘しているが、管理責任を厳しく追及する記述はない。物足りなさが残る。
 「予断を排し、虚心坦懐に証拠と向き合うことが必要である」。報告書は、再発防止のため、捜査の基本を徹底するよう求めている。これは当たり前の精神論に近い。捜査力低下を防ぐ具体策がないことを物語っているとは言えないか。
 公表の4日後、東京地検の検事が、刑事告訴した女性の了解を得ずに告訴取り下げ書類を捏造(ねつぞう)していたことが明らかになった。地検は有印私文書偽造罪などで在宅起訴した。検事は、自分の異動前に事件を処理したかったのだという。言語道断の行為である。
 検事個人の資質の問題と片づけることはできない。捏造書類の筆跡などから上司が未然に防げなかったのか。検察組織全体の危機管理が問われている。冤罪、無罪事件にも通じる課題である。
 裁判員制度が2009年春に導入される。検察への不信感は、裁判員の公正な判断に影響を及ぼす恐れがある。信頼回復は容易でないが、急務でもある。


個人の問題でないとどこまで組織が自覚し対応するかがポイントですね。その前に謝罪がありますね。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿