弁護士法人かごしま 上山法律事務所 TOPICS

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被害者参加制度の意義 

2021-06-22 | 刑事


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被害者参加制度は、2008年から導入された制度ですが、被害者の認識や感情を刑事公判において現在のような内容で反映させることには問題があると考えています。
人格見識に秀でた裁判官、裁判員は当てはまらないのかもしれませんが、被告人の刑事責任の量定に悪い影響を与えるのは避けられないのではないかと思います。
もちろん、被害者救済の必要性は理解しますが、それは刑事公判でこういう形でやることとはちょっと違うんじゃないかなということです。

※引用


東京・池袋で2人が死亡、9人が重軽傷を負った暴走事故から2年2カ月。
妻と娘を亡くした松永拓也さんが、初めて法廷で直接、被告に問いかけた。
「きょう質問してわかりました、あの人はもう変わらないんだろうと。本当に軽蔑しました」。
こう語るのは、松永拓也さん。
2019年4月、東京・池袋で暴走する車により、妻の真菜さん(当時31)と娘の莉子ちゃん(当時3)を失った。
事故から、2年2カ月。
21日、松永さんは、被害者参加制度を利用し、遺族として初めて、直接、飯塚幸三被告に問いかけた。
松永さん「亡くなった妻と娘の名前を言えますか?」
飯塚被告「はい、まなさんとりこさん」
松永さん「漢字ではどう書くかわかりますか?」
飯塚被告「真という字に...記憶が定かではないが、菜の花の菜ではないかと。りこさんは難しい字なので、ちょっと書いてみることができないです、申し訳ないです」
松永さん「2人をはねたドライブレコーダーの映像は見ましたか?」
飯塚被告「はい」
松永さん「衝突する瞬間、莉子は、あなたの車の方を見ていますよね?」
飯塚被告「たぶん、そうだったと思います」
松永さん「莉子はどんな気持ちで、あなたの方を見ていたと思いますか?」
飯塚被告「たぶん、恐ろしかったのではないかと想像しますが、わかりません。申し訳ありません」
松永さん「故意に事故を起こしていないことは理解していますが、なぜわたしたちが、あなたのことを許せないのか、理由は何だと思いますか?」
飯塚被告「被害者の方が加害者を許せないのは、理由がどうであろうと、亡くなられたという事実は変えられないので、致し方ないことだと思っております」
そして質問の最後では。
松永さん「刑務所に入る覚悟はありますか?」
飯塚被告「はい、あります」
松永さん「有罪になったら、控訴しますか?」
飯塚被告「わかりませんが、なるべくしないようにしたいと思っております」
裁判での質問を終え、会見に臨んだ松永さん。
松永さん「わたしは、加害者を心から軽蔑します。これだけの証拠を突きつけられても、わたしから質問を受けても、やはり自分は悪くないと。(自分を)変えることができない。なんかもう...正直むなしくて。本人は、わたしの目を見て答えてましたけど嫌悪感、はっきり言って。人として信じられない人だなと。いつもは、冷静であろうと心がけていますが、もう、きょうは言います。わたしは、彼に刑務所に入ってほしい。ここまで、わたしたちの心を踏みにじり、なんでこんな人に、2人(妻子)は命を奪われなければならなかったのかなと。わたしは、裁判所が正しい判断をしてくれると思いますが、わたしは、刑務所に入ってほしい」




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