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ゲーマー医師は手術得意?

2007年02月25日 06時36分07秒 | 学術・教育
ゲーマー医師は手術得意
腹腔鏡の課題で47%ミス少ない


米アイオワ州立大とハーバード大ベス・イスラエル医療センターの研究者が「ゲーマー医師は腹腔鏡手術が得意」との研究成果を発表した。CNNテレビなどが23日、報じた。
腹腔鏡手術はカメラ付きの直径1センチ程度の腹腔鏡を腹部に開けた小さな穴から体内に入れ、モニターを見ながらマジックハンド状の手術器具で行う手術。研究では、少なくとも週3時間テレビゲームで遊んでいた医師は遊んだことのない医師より37%ミスが少なく、27%作業が早かったという。
研究には同センターの外科医33人が参加、峡谷を猛スピードで走る「スターウォーズ レーサーリベンジ」、サルの入った球をコースから落ちないように走らせる「スーパーモンキーボール2」、ライフル射撃ゲームの「サイレントスコープ」の高得点者は腹腔鏡の課題でも47%ミスが少なく、39%早かったという。
しかし、米国の子供は週平均9時間ゲームをするとの研究もあり、研究者らは「ゲームのやり過ぎは運動不足による肥満や、さまざまな問題を引き起こす」と指摘。「ゲームがうまくても、医学部に入れるわけではない」と注意している。

(25日・日刊スポーツ)



「なにが言いたい研究なんだろ?」と思う。
テレビゲームをしているとコントローラ操作で指先が訓練されるから、こういうオペがうまくなる――と思わせたいのだろうか?
しかし、このデータだけでは、何も解らない。たとえば被験者の年齢が公開されていない。推測すれば、ゲーム好きは若者が多く、ゲームをしない人間は年配が多いのかもしれない。それを加味すれば「若い医師のほうが、年配の医師よりも指先が器用」というニュースにならない研究結果になってしまうかもしれない。

筆者は、そもそも、こういう「Aである者は、Bであることが多い」という傾向比較調査みたいな物は、全般的に眉唾だ。たとえば少年犯罪が起きた時に、すぐ「ゲームやアニメの影響が大きい」などと指摘する識者と称される人種がいる。犯罪少年の部屋を見れば、ゲームやDVDが散乱してたりする。しかし、今の子供の多数はゲームに興じアニメを見ているのである。犯罪を起こさない大多数の子供にも該当する事例を持ち出すのは、つまりは「犯罪を起こす少年はカレーライスやハンバーグが好き」というような物だ。
結論として、こういう傾向比較調査みたいな物は、発信者の意図によって、どうにでも自由に操れる物だ。『発掘!あるある――』の事例を見るまでもない。そして、そういう物が、ゲームやダイエットなどの他愛も無い物に留まらず、時には「ユダヤ人は冷酷で金に汚い人間が多いから、善良なゲルマン民族が苦しめられている」というような国家的陰謀にまで利用されて大衆を扇動する道具にも利用される点も見落としてはならない。

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