うちな~んちゅになりたくて沖縄

沖縄好きが高じて、とうとう沖縄の住人に。「うちな~んちゅ」に憧れる千葉県生まれAYAKOの体当たりな日々、堂々、公開!

商品になった基地・下

2008-12-22 11:00:00 | Weblog


 先日のTV番組の話の続き。今回は、米軍基地である普天間飛行場の名護市移設問題について。基地の受け入れ先となった名護市は、国から多額の補助金を受け取った。名護市民の方たちは、基地の受け入れにどんなに反対しているかと思いきや、名護市にたくさんのお金が入るということで、別に反対していないという人もいるという話を名護に住む友人から聞いたことがある。しかし番組では、お金が入ったとて市民の暮らしが良くなっているわけじゃないことを伝えていた。

 国から受け取った巨額の補助金。国は名護市を金融業務特別地区(金融特区)や情報通信産業特別地区(情報特区)に定め、名護市は補助金を使って、金融特区や情報特区に進出したいという企業のための敷地や建物を整備した。特区制度とは、名護市内に進出した金融系や情報通信系の企業は、一定の要件を満たせば税制面で優遇措置がとられるというもの。

 名護市の一部の地区にこうした企業が入居できるようにと、たくさんの駐車スペースを有した小綺麗な建物が建ち、情報通信系の高等専門学校も作られた。しかし、そのようなものは名護市民にとってはまるで別世界であると、番組の中でインタビューされた地元の青年会の人は答えていた。進出してきた企業というのはほとんど内地の企業で、沖縄の企業にとっての優遇措置でも何でもない。

 また、企業が多く進出することによって、雇用拡大につながるという見方もできるのだけれど、それによって活性化されるのは特区に進出した企業であって、名護市にもともとある企業・会社が活性化されているわけではないと見えてしまう。補助金をつぎこんで金融特区・情報特区の建物が続々と整備される一方で、名護の市街地がさびれゆく様子もテレビは伝えていた。

 つまり、多額の補助金が入るからと基地受け入れに肯定的であっても、地元である名護市民がその恩恵をほとんど受けていない状態なのだ。特区制度だ何だと目に見えるものを整備していくことで、基地を受け入れることがもたらす影響の本質が見えなくなってしまっているように思う。

 この番組の最後、自分たちの育った環境が大きく変わる中で、自分が地元ですべきことやしていきたいことを考えて、海人(うみんちゅ=漁師)の修行を始めたという地元名護市の若者の様子が映されていた。基地を受け入れた見返りである補助金を使って、企業進出のための区域を整備するのもけっこうだけれど、名護市の地元企業や名護市を担っていく若者のことを考えてくれているのだろうか。少なくとも彼が生涯、海人として仕事ができるような海を保っていくなどの環境保全にも力を入れてほしい。(続く)


最新の画像もっと見る