
「慰霊の日」(6月23日)の翌日、久しぶりに野外ライブに行ってきた。『歌の日カーニバル』と名付けられたそのイベントは、石垣島出身のアーティスト・BEGINが声をあげて7年前に始まったのだとか。沖縄にとっての戦争が終わった慰霊の日。戦時中はさまざまな自由を奪われていたけれど、この日を堺にまた三線を持って唄うことができるようになった・・・そのことに対する祝いの気持ち、平和への願いを込めて始めたのだという。
梅雨明け宣言が出て晴天が続いていたのに、当日は午前中から雨が降っていた。イベントは夕方から。大丈夫かなって思っていたけれど、午後には雨が止み始めて晴れ間が見えてきたのでひと一安心。友人の車で会場に着くと、広い公園のステージが設置された前方に立ち見をする人、後方には家族連れや友達同士がレジャーシートを敷いて、ライブが始まるのを待っていた。
後方のいわゆるファミリーゾーンでは、ビールを飲んだりかき氷を食べたり、皆が思い思いに過ごしているものだから、ライブ会場というよりさながらピクニック。ステージからかなり離れたところにスペースを見つけると、わたしたちもレジャーシートを敷いて場所を確保した。さっきまで雨が降っていたせいで、湿気を含んだ空気が体中にまとわりついて・・・暑い。くぅ~、明日が休日だったら迷わずビールを飲むのになぁ。
ライブは予定通りの時間に始まった。ステージに立つのは、沖縄出身や沖縄にゆかりのあるアーティストばかり。始まったと同時に曇り気味だった空が明るくなって、歌の日をお祝いしているかのようだ。気がつけば、ステージの上空には虹がかかっている。
これまでだって何度も行ったことがある野外ライブ。けれど、なんだろうこの感覚。徐々に陽が落ちるにつれて人が増えてきて、それぞれの観客が思い思いに楽しんでいるに違いないはずだけれど、アーティストの歌声が響くと不思議な一体感に包まれる。“歌”だけではない何かを敏感に受け止めているような・・・それが「沖縄」というキーワードなのか、「慰霊の日」というキーワードなのか分からないけれど・・・とにかく心地いい。
沖縄という場所に、沖縄出身のアーティストや沖縄をこよなく愛するアーティストが集まる。そして彼らの奏でる素敵な歌と音楽に、大勢の人たちと一緒に身を任せられることに感謝した。(続く)