
台風が過ぎ去ってから、暑さの種類が変わったように感じる。朝、目覚めた瞬間からものすごい湿気が体にまとわりつき、部屋の中を少し歩き回っただけで汗がタラタラと流れてくる。梅雨時期も、暑い暑いとは思っていたけれど、汗のかき方はその時とは比べものにならないのだ。これが沖縄の夏本番だったかなと、流れ出る汗をふきながら少々気が滅入る。
この暑さを和らげるには、おやつに「ぜんざい」をいただくのがイチバン。ん?ぜんざいって小豆を炊いた温かい食べ物じゃないの??って普通は思うよね。沖縄でいう「ぜんざい」は、いわゆる「氷ぜんざい」のこと。
沖縄では、ぜんざいに使う豆は大粒の金時豆が定番。これに白玉だんごが入っていたら言うことなし。冷たくした炊いた金時豆の上に、ゴーカイにカキ氷を盛る。細か~く砕いた氷、食べ応えのある大粒の豆と柔らかい白玉だんご・・・それぞれの食感の違いを楽しめるのがいい。氷に練乳をかけて、さらに甘さを増した「ミルクぜんざい」がわたしのお気に入り。
千葉に住んでいた頃は、夏だから暑いからといって「氷ぜんざい」を好んで食べることはなかったけれど、沖縄に来てからはすっかり定番の夏のおやつになりつつある。
先日、名護市に住む友人宅の近くにある食堂でいただいた、ぜんざいが絶品だった。お年を召した夫婦で営んでいるその食堂は、地元の高校生や家族連れで賑わっていて、ほとんどの人がぜんざいを食べていた。なるほど、友人が言うようにぜんざいが有名なのね。
もちろん、そこでもミルクぜんざいを注文。高く盛り上がった氷の山をくずしていくと、ゴロっとした金時豆、白玉だんごにたどりつく。わたし好みのものすごく細かい氷、豆、白玉だんごのそれぞれがしっかりと美味しくて、ボリュームがあるのに全然飽きない。ただ、食べ終わる頃には体が内側から冷え冷えで、早く外の暑さの中に戻りたくなったのだった。(続く)
