うちな~んちゅになりたくて沖縄

沖縄好きが高じて、とうとう沖縄の住人に。「うちな~んちゅ」に憧れる千葉県生まれAYAKOの体当たりな日々、堂々、公開!

ランチと海とサトウキビ

2005-12-28 12:00:00 | Weblog
 ある休日。ドライブがてらゴハンを食べに行こうと友達に誘われて、本島南部の東側に位置する佐敷町までお出かけ。最近、寒い日続きだったのだけど、この日はいくらか暖かくて、お出かけ日和だった。

 目指すレストランは大きな通り沿いにあるのだけど、気をつけていないと見過ごしてしまいそうな、木々に囲まれた三角屋根の小さな建物。車を降りて近づくと、カントリー調の看板に店名が書いてあって、しゃれた感じだ。入り口で靴を脱ぎ、モコモコのスリッパにはき替えて中に入る。と、そこは絵本に出てきそうな木のぬくもりいっぱいの空間だった。壁には手作りのリースが飾ってあったり、小さい頃に読んだことのある絵本が並べてあったり、天井からブリキのおもちゃがぶら下がっていたり……。思わず「かぁわいい~」と声をもらしてしまうほどの異空間。こんなステキなお店が沖縄にあったのね、って沖縄の人が聞いたら怒るかもしれないけど。とにかく料理も手が込んでいて、ていねいに作ってあって美味しい。体にやさしいっていう表現が合っているかな。わたしにとって食事は元気のもとだから、見た目も雰囲気も味も満足のいく1食に出合えて、とっても幸せ。

 ゆっくり2時間くらいかけてランチを楽しんだあとは、海沿いをドライブ。夏には観光客でにぎわうというビーチまで行って、波の音に耳を傾ける。こんな曇った日でも海の青は何層にも分かれていて、わたしを飽きさせない。あぁ、この瞬間なんだよね、「沖縄に来て良かったな~」って心から実感するのは。そして、この島がこんなにも美しい海に囲まれていることを何ものかに感謝したくなる。

 さすがに今の時期、ビーチには人っ子1人いなかったけれど、少し離れたところでおジイたちが楽しそうにゲートボール。お年寄りは元気だ。海を離れて山のほうへ向かう道を進むと、道路の脇にススキのようなフサフサした植物が目に入る。 ん? よく見ると、それはサトウキビだった。後で調べたら、サトウキビってススキのような白い花を咲かせるんだって。へぇ~。そういえば今はサトウキビの収穫時期。自分の背丈よりもずっと成長したサトウキビを一生懸命刈っているおバアがいた。ご苦労さまです! 沖縄には、サトウキビの収穫を手伝う短期アルバイトがあるそうだ。わたしが学生の頃にその存在を知っていれば、喜んで手伝いに来ただろうなぁ。どことなく千葉の田舎にも似ているような、のどかな風景に心洗われた。(続く)

まちぐゎー散歩

2005-12-19 12:00:00 | Weblog


 沖縄に住み始めてから、友人が訪れるたびに必ず連れて行くところがある。それは、沖縄本島に行ったことのある人なら、誰もが足を踏み入れたことがあるだろう「市場(まちぐゎー)」。沖縄観光の代表地とも言える国際通りからアーケード街に入り、歩行者天国になって続く途中に有名な「牧志公設市場」がある。野菜や果物をはじめ、魚、肉、お菓子、惣菜などなど、沖縄の特産物を売る店がひしめきあっている。はじめてここを訪れたときは、色とりどりの魚や原色の果物、それに豚の顔がデンッと並べられているのに面食らったが、いまではすっかり見慣れた風景になった。

 それぞれが個人商店なものだから、観光客とおぼしき人を見ると、我先にと、おじちゃん、おばちゃんたちが声をかけてくる。惣菜屋さんなんかは、なかば無理やりに「これ、食べなさい」とか言って、島ラッキョウや海ブドウを箸でつまんで差し出してくる。出されるままに口にほおばった友人は、外国のマーケットのようだと目を輝かせていた。

 と、肉屋の若い兄ちゃんが「アンタはこっちの人だね。ソッチの彼女は観光で来たの?」と私たちに声を掛けてきた。そう、私は地元の人に見えたらしい。「オォーッ! 外見もうちな~んちゅになりつつあるのかぁ……」と、ウレシハズカシの気持ち。そういえば沖縄の友達に、「沖縄が大好きだから、うちなーじらー(沖縄っぽい顔、って意味)になってきたんじゃない?」と言われたことも。へへへ。

 とにかく、まちぐゎーは何度行っても活気があって楽しい。ブロックのお肉やまるごとの魚は、一人暮らしだし、めったに買わないけれど、春に生の唐辛子を買った。小さくてかわいい赤唐辛子を泡盛に漬け込んで、「こーれーぐす」を自作。沖縄そばに入れて食べると、これが美味なんだわ。市場のおばちゃんのアドバイスによると、唐辛子をオリーブオイルに漬けてパスタに使っても、ピリッとして美味しいらしい。なるほど。よーし、来年は唐辛子オリーブオイルを作ろう!

 沖縄では細道やわき道のことを「すーじー」と言うのだけど、牧志公設市場からすーじーに入ると、細々といろんなお店が並んでいるのだそうな。ファーストフード感覚で食べられる天ぷら屋さん、お花屋さん、薬屋さん……。んー、まだまだ未開拓の地がいっぱい。まちぐゎー散歩の達人目指して、通いつめようと思う今日この頃なのでした。(続く)


ひさしぶりの沖縄北上。

2005-12-12 12:00:00 | Weblog
 友だちと一緒に北部へお出かけ。沖縄で唯一の高速道路に乗り、終点を目指す。相変わらず車はまばらで、レンタカーが半分くらいかな。私と同じ移住組の友だちは、1ヵ月ぶりくらいに戻ってきた沖縄の車窓から見える景色を懐かしがっている。

 終点で高速を降りて、名護市に住む知り合いの家族のところに寄った。真っ黒に日焼けした、久しぶりに会う小学生の女の子はテレビに夢中。怖い話の特集番組を見ようといわれて、途中まで一緒に見ていたけれど、休暇を利用して沖縄に遊びに来ている友だち夫婦と待ち合わせをしていたので早々に出発した。
 向かうは名護市の隣、東村にあるヒルギ林。ヒルギとはマングローブの一種で、西表島では観光コースとして欠かせない。去年、はじめて西表島に行き、シーカヤック体験でマングローブの生い茂る川へと入った時の、ジャングルさながらの景色にはすっごく感動した。このマングローブが群生する光景を、沖縄本島でも見られるとは知らなかった。友だち夫婦と合流し、いざヒルギ林へ。

 台風が本島の南方を通過する影響で雨の予報が出ていたが、大ハズレ。9月も終わりだというのにギラギラと照りつける太陽の陽射しは、日傘をさしても肌を焼かれそう。すでに汗が全身をジワジワと濡らすのを感じながら、林の中に作られた遊歩道を進んで行く。
 遊歩道が途切れたところの、川の両岸にうっそうと生えるヒルギ林を目の当たりにして、私も友だちも思わず「オォ~」と声をもらす。想像していた以上に壮大な景色。ちょうど満潮に向かっていたらしく、下に目をやるとヒルギの根元に水が入り込んでいく様子が見られた。土の上には無数の穴が開いていて、片方のハサミが異様に大きいカニ「シオマネキ」がうごめいている。こっちへこいと、ハサミをふりふり横歩き。よ~く目をこらすと、ハゼが表面を飛ぶように素早く移動している。かわいい。

 着ていたTシャツは既に汗がジワっとしみてきて、体中、「ムチャムチャする~」(沖縄の人は、汗で「ベトベトする」とかいう表現の時に、このムチャムチャを使うの)。でも、マイナスイオンをたっぷりと浴びて、心がリフレッシュしたひとときだった。(続く)

しばしの休息

2005-12-05 12:00:00 | Weblog
 夏の間は仕事でさまざまなイベントがあり、ロクに休みも取れなかった。しかも給料は見あわない。沖縄に来る前、移住者を特集した雑誌で読んだ覚えのある「こんなはずじゃなかった・・・」というコメント。まさに私も同じ状況に陥ったのだ。

 そこで考えたのは、「まだ沖縄で1社目じゃん。他の会社も見ずして、ここでくすぶってなんていられない」。良くも悪くも思いたったら即行動タイプの私は、8月いっぱいで会社を辞めることにした。とはいっても、仕事もしないで生活できるほど十分な貯金はない。そこで、職業訓練校に行くことにしたのだ。自己都合で会社を辞めた場合、雇用保険がもらえるまで3ヵ月の給付制限という期間が設けられてしまう。けれど職業訓練校に行くことが決まれば、給付制限期間中であっても訓練校に行き始めた月から雇用保険の対象となるのよね。10月に始まる職業訓練を目標に定めて、予定通り8月末で会社を退社した。

 そして迎えた9月。これからの生活に多少の不安はあったものの、慌しい仕事からの解放感にも満たされていた。朝は、自然に目が覚めるまで寝て(これがだいたいお昼くらい)、ゆっくりと朝食兼昼食を作る。ご飯を食べながら、窓から射し込むまだまだ強烈な陽射しに目がまどろみ、食後にゴロンと横になれば、気が付くと陽が傾きかけている……。
 あまりエアコンをつけるのが好きでない私は、窓から入る自然の風と暖かい(暑い?!)空気を直に感じて日中を過ごしている。気候の温暖さがこんなにも人を睡眠へ誘うものなのか、と新たな発見。あったかさで体力を消耗するのだろう、沖縄の人を良く言えば“ノンビリ”、悪く言えば“グウタラ”と言う人がいるのに妙に納得してしまった。もともと、私にグウタラの素質があったのかもしれないが、いつまででも、何時間でも寝ていられそうな気がした。体内の細胞組織やら脳ミソがグニャグニャと柔らかくなるのではないかと、本気で思ったもの。

 こんな感じで、本能のままに寝たり食べたりの生活をしていたけれど、そろそろヒトらしく生活しなくちゃ、なんてガラにもなく思ったりして。ちょうどその頃、私よりも先に沖縄移住生活をして、実家に一時帰省していた友達から戻ってくるという連絡があった。共通の友達夫婦も沖縄に遊びに来るらしい。あまりにもグウタラな生活をしていたから、友達との再会ですら刺激的に感じる。楽しみだなぁ。(続く)