サルサ仲間でフラダンスを習っている人に誘われて、恩納村にあるホテルで開催される、ハワイアンスタイルのパーティへ行ってきた。友人が所属するフラダンスチームの他、沖縄県内、東京や京都からもやってきたチームが、フラダンスを披露するというのだ。
ホテルに到着し、ロビーに足を踏み入れると色とりどりのムームーやフラダンス用のスカート、Tシャツ、髪飾り、貝殻や木で作られたネックレス、ハワイアン柄のバッグなどが所狭しと並べられ、売られていた。まだ行ったことはないけれど、ハワイのおみやげ物屋はこんな感じなのだろうか、と思わせられる。
ホテルのロビーを抜けてプライベートビーチへ出ると、波打ち際のすぐそばに特設ステージが設置されていて、徐々に人が集まってきていた。周りに目をやると、真っ青やオレンジ、ピンク、赤など、実にバラエティー豊かな色と柄の衣装が目に飛び込んでくる。ステージに出演者するフラダンスチームだ。鮮やかで派手な衣装を十数人がおそろいで身につけて集まっているので、とても存在感がある。ステージのある浜辺へと向かう姿を眺めていると、まるでここがハワイであるかのような気持ちになってきた。
日が暮れてきたのと同時に、ステージでのフラダンスが始まった。わたしはフラダンステーマにした映画を観てから興味を持っていたので、こうして生でフラダンスを観ることができることにワクワクしていた。ステージの後方には楽器の演奏者と歌い手がいる。生演奏だ!
情熱的な曲、しっとりとした曲、チームごとに揃えられた衣装と同じように、フラダンスの曲調もそれぞれ違っていた。どのチームも、衣装の美しさに加えてダンサーの笑顔がとても素敵だ。優しく、微笑みかけるような笑顔。そして更に彩りを添えていたのが、沈みかける太陽がうつしだす、微妙な空の色。その空に響く、生のギターの音や歌声。やわらかい白砂のビーチに腰を下ろしながら、幻想的な世界に浸った。
太陽が完全に沈んだ後、ステージの両脇に炎がたたえられ、ダンスは続く。雑誌やテレビで見るハワイの海は、沖縄のそれと同じくらい青く澄んでいて、南国の島という意味でとても似ているような気がするとずっと思っていたけれど、流れる音楽や目にする衣装、伝統の踊りによって、地域の違いが大きく表現されるものなのだと改めて感心した。砂浜に座って耳を傾け、海と空を背景に踊られるフラダンスを眺めていた時間、そこは沖縄ではなく確かにハワイだった。(続く)