日伊相互文化普及協会 HPはこちら
美津子さんという女性はオルヴィエートの男性と結婚して、12歳のかわいい息子をもうけました。
その息子の学校では毎年校外授業の一環で日本文化の勉強をしに、私や私の一行の泊まるアグリトゥリズムへ来ます。
日本食や日本人が懐かしい美津子さんは、息子に付き添うという名目で毎年一緒にきます。
美津子さんは結婚した当初、生活習慣の違いにずいぶん戸惑ったそうです。
一番最初に彼女が嘆いたのは、結婚祝いに美津子さんのお父さんが新婚の二人に送った電子レンジ。
夫は「いらない!」と言って拒んだことだそうです。
理由は「いらない」のが理由だそう。
「日本では毎日使ってたのに・・・。ああ、電子レンジが欲しいわあ」と美津子さん。
私は36年間、日本とイタリアを行き来していましたが、先々月の10月まで、電子レンジを見たのは1度だけでした。
日本人ビジネスマンがよく泊まる、ミラノのビジネスホテルの一室、そこは共同で冷蔵庫が使えるようになっていて、電子レンジが置いてありました。
他のホテルでは見たことがありません。
どこの料理学校でも見たことがありません。
私の友人たちの家庭でも見たことがありません。
友人たちは中流家庭です。
中には家の中にエレベーターがあって、お手伝いさんを雇っている家庭もあります。
大学教授や高給取りの医者、財産持ちの貴族たちもいます。
そう、電子レンジが買えないわけではないんです。またケチだというわけでもありません。
イタリア人は臆病です。
日本と同様に、外国の企業から農薬を使って生産性を高めるよう薦められた事がありました。そしてやってみました。
通常の育成期間が大幅に短縮、倍増する作物。これを見てイタリア人は得体の知れない不安に駆られたといいます。
そして、従来の農法に帰ったそうです。
防衛本能が優れているともいえますね。
電子レンジは異型蛋白を作る、とイタリアで聞いたことがあります。
全てのイタリア人がこのことを知っているわけではないと思いますが。
金属の箱に入れるだけ、あっという間に野菜が煮える。あっという間に冷たい料理に湯気が立つ・・・。
このことに得体の知れない不安を抱くのかもしれません。
ミラノの腐れ縁のばあさん、マリアンジェラに「電子レンジ買う気ないの?」
というと、ギロッ、と上目遣いで私を睨んで「オンダ・ミクロンデーッ?(マイクロ波かいっ)」と言い「フンッ」鼻息をならしました。
ボローニアのアンナは最初、質問の意味が分からないといった顔をしました。
そして「美味しくないんじゃないの、料理じゃないような気がするけど」と言いました。
料理学校の先生たちもきっと同じことを言うんじゃないかしら。
日伊学院でイタリア語講師をしていたエリアーナは、お医者さんの娘です。
彼女が「日本の幼稚園で電子レンジを見た」と驚くので「どこにでもあるわよ」と言いました。
「病院にもあるのか?」とエリアーナ。
「ある!」と私。
彼女は黙ってしまいました。
イタリアで電子レンジとの2度目の遭遇をしました。
10月のイタリア文化研修で、カターニアのアグリトゥリズモに泊まった時。
広大な封建貴族の別荘の敷地内には母屋と離れの屋敷がいくつも点在していて、私たちメンバーはいくつかのグループに分かれて敷地内の離れの屋敷に寝泊りをしました。
ある朝、母屋での朝食時に私たちのメンバーの一人がパック入りご飯を持ってきて、アグリのセニョーラに「温められますか」と聞きました。
シンヨーラは「あら、あなたの泊まってる屋敷のキッチンに電子レンジがあるのよ」と答えました。
「えええーっ!」と私。
そして「あなたたちは電子レンジを使うのか」とシニョーラに訊くとシニョーラは「まさか」。
シニョーラによると、このアグリには日本人がよく泊まり、パックご飯を電子レンジで温めてくれというのだそうです。
それで離れの屋敷に1台だけ置いたのだそうです。
電子レンジをフル活用する日本人、関心のないイタリア人。
日本人とイタリア人は似ているという人もいますが、根底に流れる思想や生活文化は全く違うように思えます。
日伊相互文化普及協会 Emi.
美津子さんという女性はオルヴィエートの男性と結婚して、12歳のかわいい息子をもうけました。
その息子の学校では毎年校外授業の一環で日本文化の勉強をしに、私や私の一行の泊まるアグリトゥリズムへ来ます。
日本食や日本人が懐かしい美津子さんは、息子に付き添うという名目で毎年一緒にきます。
美津子さんは結婚した当初、生活習慣の違いにずいぶん戸惑ったそうです。
一番最初に彼女が嘆いたのは、結婚祝いに美津子さんのお父さんが新婚の二人に送った電子レンジ。
夫は「いらない!」と言って拒んだことだそうです。
理由は「いらない」のが理由だそう。
「日本では毎日使ってたのに・・・。ああ、電子レンジが欲しいわあ」と美津子さん。
私は36年間、日本とイタリアを行き来していましたが、先々月の10月まで、電子レンジを見たのは1度だけでした。
日本人ビジネスマンがよく泊まる、ミラノのビジネスホテルの一室、そこは共同で冷蔵庫が使えるようになっていて、電子レンジが置いてありました。
他のホテルでは見たことがありません。
どこの料理学校でも見たことがありません。
私の友人たちの家庭でも見たことがありません。
友人たちは中流家庭です。
中には家の中にエレベーターがあって、お手伝いさんを雇っている家庭もあります。
大学教授や高給取りの医者、財産持ちの貴族たちもいます。
そう、電子レンジが買えないわけではないんです。またケチだというわけでもありません。
イタリア人は臆病です。
日本と同様に、外国の企業から農薬を使って生産性を高めるよう薦められた事がありました。そしてやってみました。
通常の育成期間が大幅に短縮、倍増する作物。これを見てイタリア人は得体の知れない不安に駆られたといいます。
そして、従来の農法に帰ったそうです。
防衛本能が優れているともいえますね。
電子レンジは異型蛋白を作る、とイタリアで聞いたことがあります。
全てのイタリア人がこのことを知っているわけではないと思いますが。
金属の箱に入れるだけ、あっという間に野菜が煮える。あっという間に冷たい料理に湯気が立つ・・・。
このことに得体の知れない不安を抱くのかもしれません。
ミラノの腐れ縁のばあさん、マリアンジェラに「電子レンジ買う気ないの?」
というと、ギロッ、と上目遣いで私を睨んで「オンダ・ミクロンデーッ?(マイクロ波かいっ)」と言い「フンッ」鼻息をならしました。
ボローニアのアンナは最初、質問の意味が分からないといった顔をしました。
そして「美味しくないんじゃないの、料理じゃないような気がするけど」と言いました。
料理学校の先生たちもきっと同じことを言うんじゃないかしら。
日伊学院でイタリア語講師をしていたエリアーナは、お医者さんの娘です。
彼女が「日本の幼稚園で電子レンジを見た」と驚くので「どこにでもあるわよ」と言いました。
「病院にもあるのか?」とエリアーナ。
「ある!」と私。
彼女は黙ってしまいました。
イタリアで電子レンジとの2度目の遭遇をしました。
10月のイタリア文化研修で、カターニアのアグリトゥリズモに泊まった時。
広大な封建貴族の別荘の敷地内には母屋と離れの屋敷がいくつも点在していて、私たちメンバーはいくつかのグループに分かれて敷地内の離れの屋敷に寝泊りをしました。
ある朝、母屋での朝食時に私たちのメンバーの一人がパック入りご飯を持ってきて、アグリのセニョーラに「温められますか」と聞きました。
シンヨーラは「あら、あなたの泊まってる屋敷のキッチンに電子レンジがあるのよ」と答えました。
「えええーっ!」と私。
そして「あなたたちは電子レンジを使うのか」とシニョーラに訊くとシニョーラは「まさか」。
シニョーラによると、このアグリには日本人がよく泊まり、パックご飯を電子レンジで温めてくれというのだそうです。
それで離れの屋敷に1台だけ置いたのだそうです。
電子レンジをフル活用する日本人、関心のないイタリア人。
日本人とイタリア人は似ているという人もいますが、根底に流れる思想や生活文化は全く違うように思えます。
日伊相互文化普及協会 Emi.
電子レンジ、実は私の相棒宅にあるんですっ!私も身の回りで唯一知っている電子レンジ保有者です。相棒は、新し物好きで1年前ほどに思わず買ったのですが(って、1年前で電子レンジが新しいか否かは別として・・・・)、今まで使用したのは2回くらい(笑)結局使わないんですよね、あったとしても。
きっと、イタリア人は作り置きをしないので、電子レンジの必要性も無いのでしょうね~。centro commerciareには、すごい数の電子レンジが陳列されていますが、一体誰が買うんでしょうね?不思議です。
そうなんですよ、電化製品売り場のレンジ、誰が買うんでしょう?
イタリアの七不思議!
ミラノのマリアンジェラは「冷凍庫なんか必要ない」といって未だに冷凍庫なしの40年前のものを使ってます。
まあ、イタリア人は氷入りの飲み物は飲みませんが。
携帯電話には全国民が飛びついたのにね。
そうですか、それは驚きです。
あるところにはあるんですね。
重いもの、背の高いものが怖いというのは、彼女なりの何かへの抵抗なんでしょうか。
私も電子レンジはほとんど使いません。
日常で使う必要を感じないのです。
前に使ってみたときは、ちょっとせわしなく思ってしまいました。
気質かもしれません。
イタリアに電子レンジクッキングという本があるのかしら。