日伊相互文化普及協会 HPはこちら
幕張国際見本市フーデックス。
今年も会員の皆さんが出展をしていました。
AONケミカルの安積さんは20世紀の梨酢、中井酒造の中井さんは日本酒。両方とも二人が誇りを持っている生産品です。
大坂の株式会社メモスのカンタトーレ・ドメニコさんもイタリアのコーナーでイタリアの食材をアピールしました。
南日本酪農の工藤さんのところはチーズが専門ですが、リニューアルした飲料も紹介していました。
とても美味しくなったそうです。
さて、今年もバカでかいイタリアブースコーナー。
歩いていてバルサミコクリームが目に付いたので、足を止めました。
ブースの中ではイタリア女性2人とイタリアおじさん1人がおしゃべりに夢中、3人とも交互にチラと私を見たものの、席を立ちません。(チョットォ、お得意様になるかもしれないのよ)
「すいませーん」と声をかけたらおじさんがヨッコラショ。
あれこれ聞いてみたけど、なんか要領を得ない。
それもそのはず、おじさんは通路を挟んだブースのオリーブオイル生産者。油をここで売ってたんですね。
イタリアのブース内ではお昼になると差し入れが飛び交います。
マルケ州の、あるブース内。
小さな丸テーブルには、ラツィオ州のブースのワインと、ご近所ブースの乾燥パスタ屋が、裏でゆでて届けたショートパスタ。と、北国出身っぽい男の子が生ハムとサラミの盛り合わせを「ヘイ、おまち」。
よその国の人たちは昼ご飯どきであろうが、おやつ時であろうが「いかがですかあーっ」と叫び、通行人を呼び止めている。
ブース内を我が家のダイニング化、レストラン化しようとするイタリア人。
彼らは開き直ってるわけではないと思います。顔が傲慢ではないから。
抗えない自国の習慣と自分の本能に抗えない自分に悲しい気持ちになっているようにさえ見えます。
でも「んも~、知らんもんね」と前向きになろうとしてるように思えます。
「なんだ、こいつらは」と通行人に思われている気がしてくると、自分の味方の家族の顔が浮かんでワインをあおります。
「イタリアコーナーに来る客はね、あんたらの生産品の味見や、説明を聞きにきてんのよ、それをそっと目をそらしてさ、ワインでほっぺた赤くして、パスタをパクつくなんて、あんたたち、偉いっ、並大抵の偉さじゃないよっ、異常な偉さだよっ、いっそのことカーテンでも吊るして隠れてしまったら?もっと落ち着くよっ」と彼らに言ってあげたい。
聞くともなしに聞こえるイタリア人のおしゃべり。
「5時になったらすぐに出よう、アキバはけっこう遠いらしい」
(この人は私にアキバへの行き方を聞きました)
「日本ブースの干したイカの、墨まみれが美味かった」
(この人はさつま揚げも食べてました)
「あと、1時間半、もちょっとの辛抱さ」
(なにしに来たんじゃい)
いろんなオイルを作っているブースでオイルを見てたら椅子を勧められました。
話はオイルからどんどん逸れていきました。
彼らの田舎のすばらしいアグリトゥリズモ、おもしろい祭り、私の持ってるカメラの許容量と値段、同じようなタイプのイタリアでの売値。
出展時間は普段は夕方の5時終了、最終日は4時30までとなってます。
最終日、イタリアのコーナーには3時30分頃から「無音の蛍の光」が流れます。
4時頃にはビーッ、ビーッとガムテープを切ったり貼ったりの音がにぎやかになります。梱包を急いでるんですね。
4時30分ギリギリまで「いかがですかああーっ」「お試しくさださあああーいいいーっ」と声を張り上げる日本人の労働姿勢は彼らの勤労意欲を刺激しません。
彼らの心はすでに故郷の駅や、家路に咲く花、我が家のリビングにあるんでしょう。
目はアキバで買ったお土産に喜ぶ家族の姿を見ています。(だからうっかり自分と他人のダンボールを取り違えたり、カッターで手を切ったりするのです)
熱心に交渉ごとに励むイタリア人もいないことはありません。
彼らは商売人としてのバイブレーションをふるわせ、「できる」という雰囲気を漂わせています。顔には自信が見て取れます。
私は、お客をホッポリ出しておしゃべりに励み、狭いブース内で「食べる時間」の確保に頭を悩ませ、終了時間になるとブースから逃げるように帰っていくイタリア人の方が好きです。
日伊相互文化普及協会 Emi
幕張国際見本市フーデックス。
今年も会員の皆さんが出展をしていました。
AONケミカルの安積さんは20世紀の梨酢、中井酒造の中井さんは日本酒。両方とも二人が誇りを持っている生産品です。
大坂の株式会社メモスのカンタトーレ・ドメニコさんもイタリアのコーナーでイタリアの食材をアピールしました。
南日本酪農の工藤さんのところはチーズが専門ですが、リニューアルした飲料も紹介していました。
とても美味しくなったそうです。
さて、今年もバカでかいイタリアブースコーナー。
歩いていてバルサミコクリームが目に付いたので、足を止めました。
ブースの中ではイタリア女性2人とイタリアおじさん1人がおしゃべりに夢中、3人とも交互にチラと私を見たものの、席を立ちません。(チョットォ、お得意様になるかもしれないのよ)
「すいませーん」と声をかけたらおじさんがヨッコラショ。
あれこれ聞いてみたけど、なんか要領を得ない。
それもそのはず、おじさんは通路を挟んだブースのオリーブオイル生産者。油をここで売ってたんですね。
イタリアのブース内ではお昼になると差し入れが飛び交います。
マルケ州の、あるブース内。
小さな丸テーブルには、ラツィオ州のブースのワインと、ご近所ブースの乾燥パスタ屋が、裏でゆでて届けたショートパスタ。と、北国出身っぽい男の子が生ハムとサラミの盛り合わせを「ヘイ、おまち」。
よその国の人たちは昼ご飯どきであろうが、おやつ時であろうが「いかがですかあーっ」と叫び、通行人を呼び止めている。
ブース内を我が家のダイニング化、レストラン化しようとするイタリア人。
彼らは開き直ってるわけではないと思います。顔が傲慢ではないから。
抗えない自国の習慣と自分の本能に抗えない自分に悲しい気持ちになっているようにさえ見えます。
でも「んも~、知らんもんね」と前向きになろうとしてるように思えます。
「なんだ、こいつらは」と通行人に思われている気がしてくると、自分の味方の家族の顔が浮かんでワインをあおります。
「イタリアコーナーに来る客はね、あんたらの生産品の味見や、説明を聞きにきてんのよ、それをそっと目をそらしてさ、ワインでほっぺた赤くして、パスタをパクつくなんて、あんたたち、偉いっ、並大抵の偉さじゃないよっ、異常な偉さだよっ、いっそのことカーテンでも吊るして隠れてしまったら?もっと落ち着くよっ」と彼らに言ってあげたい。
聞くともなしに聞こえるイタリア人のおしゃべり。
「5時になったらすぐに出よう、アキバはけっこう遠いらしい」
(この人は私にアキバへの行き方を聞きました)
「日本ブースの干したイカの、墨まみれが美味かった」
(この人はさつま揚げも食べてました)
「あと、1時間半、もちょっとの辛抱さ」
(なにしに来たんじゃい)
いろんなオイルを作っているブースでオイルを見てたら椅子を勧められました。
話はオイルからどんどん逸れていきました。
彼らの田舎のすばらしいアグリトゥリズモ、おもしろい祭り、私の持ってるカメラの許容量と値段、同じようなタイプのイタリアでの売値。
出展時間は普段は夕方の5時終了、最終日は4時30までとなってます。
最終日、イタリアのコーナーには3時30分頃から「無音の蛍の光」が流れます。
4時頃にはビーッ、ビーッとガムテープを切ったり貼ったりの音がにぎやかになります。梱包を急いでるんですね。
4時30分ギリギリまで「いかがですかああーっ」「お試しくさださあああーいいいーっ」と声を張り上げる日本人の労働姿勢は彼らの勤労意欲を刺激しません。
彼らの心はすでに故郷の駅や、家路に咲く花、我が家のリビングにあるんでしょう。
目はアキバで買ったお土産に喜ぶ家族の姿を見ています。(だからうっかり自分と他人のダンボールを取り違えたり、カッターで手を切ったりするのです)
熱心に交渉ごとに励むイタリア人もいないことはありません。
彼らは商売人としてのバイブレーションをふるわせ、「できる」という雰囲気を漂わせています。顔には自信が見て取れます。
私は、お客をホッポリ出しておしゃべりに励み、狭いブース内で「食べる時間」の確保に頭を悩ませ、終了時間になるとブースから逃げるように帰っていくイタリア人の方が好きです。
日伊相互文化普及協会 Emi
面白すぎて、椅子から転げ落ちそうになりました。
私はまだフーデックスに行ったことがありません。
来年は、イタリアブース突撃~って感じで行ってみようかな。。。
本当に、イタリアブース大きいですよね。
凄く楽しかったし、勉強になりました。
(自分も後半は真っ赤になっていました。)
他の国や日本国内も回りましたが、やっぱり一日じゃ足りないですね。
来年は行ってみてください。
おしゃべりするだけでも楽しいですよ。
ウンブリアのブースは2つ出展してました。
新しい味のワイン、発見できましたか?
マルケ州のワインで面白いものがありましたよ。
来年は2日くらい行ってみたらどうでしょう。
けっこう周れると思います。