ゆ~たん音楽堂

ドキドキ&ハートフルな音楽と仲間を探して
東奔西走!
音楽ディレクター ゆ~たんの日常。

【寄稿】道場日誌6(by J.Mさん)

2005年08月23日 23時08分37秒 | Daily Life
久々の道場日記。今週も早朝稽古が始まる。…とその前にちょっとご報告。
先日私たちは坂元さんのプロデュースした「あなたのうたはわたしのうた」コンサートへ行ってきた。
「舞台裏」を見せてもらいに。

今まで、コンサートに関わるというと出演者か観客だった。
高校時代は音楽科に通っていて学内の演奏会は自分たちで運営していたが、
機材に関することやなんかはなぜか数少ない男子生徒が全てやっていて、
私は舞台裏はリハーサルくらいしか知らない。

音大時代も特にそういった機会はなく、今回は初めての経験だ。
みな、バタバタと忙しそうに動いている。

M.A.さんは合唱団で舞台慣れしていてテキパキと働いていた。
私は何をしたらよいのかわからず、金魚のフンみたいにM.A.さんにくっついてまわっているだけ…。

それでもこういった視点からコンサートを見ることはとても勉強になった。
坂元さんは指をならしながら舞台の上を歩き念入りに響きの良い場所をさがしていた。
こういう細かいこだわりが良いものを作り出すのだろう。

さて、前置きが長くなったがじつはこのコンサートが今日のお題。
「先日サポートしてもらった日韓コンサートを図解しなさい。仕組み、役割、目的、などできるだけ詳細に。
さらにもし貴方があのコンサートのプロデュースを担当したとしたら、何を加え、何を削りますか。
その理由も書いて下さい」

なるほど…。そうきたか。
そりゃあせっかくの現場体験、そのまま終わらせるはずないですよねぇ…。
ということで早速とりかかる。

図解の方はわりとすぐに書くことができた。
日韓二つの合唱団が共に歌うことによってできた絆。
そしてその演奏が聴衆に与えたもの。
聴衆から帰ってくるもの。
このコンサートを支えている人たち、根底にあるもの…そういったものを図にした。

これはまずまずの評価をいただいた。
問題はお題の後半の部分。プロである坂元さんが作った、ある意味もう完成している
プログラムをどういじればいいのだ…。

ここは聴衆の視点になって考えた。

プログラムを見て感じた違和感。
それはソウルレディースシンガーズの選曲だった。

プログラムの構成を見ると、
1.韓国、日本で昔から歌われている共通の曲(峠の我が家、など外国から入ってきたもの)を二つの国の
ことばで歌う
2.韓国の童話に日本語の歌がつけられた音楽童話「こいぬのうんち」
3.それぞれの合唱団のステージ
4.韓国、日本それぞれで今人気のある歌
…となっている。

ここに3のソウルレディースシンガーズの選曲がビバルディなど韓国のものでないというのは
少し不思議に思った。M.A.さんもこのことを挙げていた。

しかし、M.A.さんは「最初これを不思議に思ったが、よくよく考えると自分も海外で合唱をする際、
必ずしも日本の音楽をやるわけではない。合唱団として一番魅せられる選曲がこれだったのではないか」
という意見だった。

なるほど…、と思った。
観客からも同じ意見は出ていたようだがコンサート全体の構成と、演奏家として聴かせたいもの、
何を優先するかはとても難しいことだと思った。

加えるものに関しては二人とも似たような意見で会場と一帯になれるような音楽遊びを入れることだった。

最近とても多い会場参加型。
ただ、「その先に何がある?」という坂元さんの質問に詰まってしまった。

韓国の手遊び歌を日本の会場で、日本の手遊び歌を韓国の会場でやったらお互いに親近感がわき、
心に残るのでは…、と思ったがどうだろう。

そんなに簡単なものでもないかなぁ。

今回もいろいろと考えさせられる道場だった。