ゆ~たん音楽堂

ドキドキ&ハートフルな音楽と仲間を探して
東奔西走!
音楽ディレクター ゆ~たんの日常。

いちばん〝熱い〟夏の日に。

2005年08月16日 06時20分29秒 | Daily Life
8月15日(月)

午前、神保町に着いて驚いた。
街宣車からの爆音、海外メディアのカメラクルー、おびただしい数の警察官…。

終戦記念日の昨日、靖国神社が1年で一番熱い日を迎えた。

軍人を輩出した一家に生まれたぼくは、叔父たちの戦争中の武勇とともに、
「あんなことはもう二度とやってはいけない」と繰り返す祖母の言葉を枕に育った。
妙に軍歌に詳しかったりするのもその影響である。

その祖母がぼくが上京する時に、たったひとつだけ頼みがあるといい
「東京に行ったら靖国神社にお参りに行ってきなさい。叔父さんが祀られているから、頼んだね」
…と託した。

〝叔父さん〟とは戦争末期にルソン島で砲弾を浴びて死んだ、母の長兄のことである。
(ぼくの勇仁の〝勇〟は、この叔父の名前・勇からとられた)

もちろんぼくは祖母の思いに応えたく、上京後すぐに市ヶ谷からてくてくと歩き、靖国に向かった。
静謐の佇まいと穏やかな空気に包まれながら、ここに叔父が眠っているんだな…
と感じたことを思い出す。

あれから25年、あの頃と靖国は別の佇まいを見せている。

今ではほとんど靖国に足を向けることもなくなってしまったが、
こうして近くに事務所を持ち、遠景ながら毎日靖国の姿を見るようになり、
ぼくは改めてあの神社の持つ意味合いの複合性、重層性に思いを馳せている。

ソウルレディースシンガーズ来日。
8月12日にソウルで開いた「ジョイントコンサート」の引越し公演である。

今回のプロジェクトの間に立って下さったパク・スンエさんが
「今日は8月15日ですね、日本では敗戦記念日、韓国では開放記念日といいますね。
でも、こんな歴史的な日に日韓が一緒にコンサートの準備をしているっていいことですね」
と言って下さったことに深く感謝。

このコンサートのコピーを〝あなたのうたはわたしのうた〟とぼくは書いた。

これは「音楽は平和をつくるインフラ」であることを教えてくれた
韓国芸術総合学校 ミン・キョンチャン教授の言葉をぼくなりに書き直したものである。

「こいぬのうんち」の原作者であり、韓国の著名な児童文学者 クォン・ジョンセンさんは
「音楽は平和と友好をつくりだす武器なのです」と公演プログラムにメッセージを下さった。

語り口は違うが、根底の思いは同じである。

ぼくは今夜のコンサートをきっかけとして、本当に音楽が「平和のインフラ」であり「平和への武器」と
なりうるためにぼくが何ができるか…ゆっくり、しっかり考えてみたいと思っている。